戦後,アメリカから総天然色映画の名前で,
カラー映画が入ってきます。
戦前の作品のテクニカラー方式の「風と共に去りぬ」を
日本にもってきたとき
ニュー・プリントと言っていました。
テクニカラー方式は,
白黒のフィルムを使って撮影されます。
撮影レンズを通ってきた光をプリズムを使って、
赤,緑,青の三原色に分けます。
この赤,緑,青に白黒フィルムを対応させます。
テクニカラーカメラには白黒フィルムが
3本装填されています。
スタジオ、ロケの撮影現場は,3本の白黒フィルムを装填された
大きなカメラを使います。
総天然色映画はモノクロ映画の3倍の
フィルムが必要になります。
そして映画館の上映用フィルムは
「ダイ・トランスファー・プリント」という特殊な処理で,
赤,緑,青に感光した白黒フィルムから特殊な染料で
総天然色のプリントを作ります。
フィルムの消費量が桁違いなのと
後の処理が大変ですからアメリカ以外では
実用になりませんでした。
撮影のときは白黒フィルムを使っているので
経年変化に強いのです。
総天然色のプリントが経年変化で退色すれば,
ネガの白黒フィルムを使って
プリントを焼き直せば,綺麗な初期の色彩が再現されます。
「風と共に去りぬ」ニュー・プリントとはこういうことです。
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ネガ・フィルムは白黒フィルムですから、経年変化に強いです。
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日本の明治時代の歴史的な写真が
年数を経ているにもかかわらず、残っています。
白黒フィルムは処理さえちゃんとしていれば,退色に強いのです。
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最近,資料にはリバーサル,カラーネガにかかわらず
カラーフィルムが使われています。
経年変化で映像の退色が図書館などでの
資料保存で問題になっています。