大映の総天然色映画のフィルムが
コダックの「イーストマン・カラー」に決まりました。
主だった制作スタッフはアメリカへ出張して
ハリウッドの天然色撮影現場を見ています。
総天然色映画での問題は、
どのようにメイキャップ(化粧)をするかです。
それまで日本映画は白黒でしたから,俳優さんの顔が
画面で白く映っていれば問題がありません。
俳優さんは,メイク室(化粧室)で、ドーランという
錬おしろいで化粧をしていました。
(ドーランとはドイツの製造会社の名前からきているらしいです),
赤に感じやすい白黒フィルムの特性に合わせて化粧をした俳優さんは,
すこし赤味を帯びた顔色に仕上がっていました。
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天然色映画では,画面に色彩がつきますから,
出演者の顔色が健康的に見えないと困ります。
赤味を帯びたドーランでは具合が悪いのです。
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イーストマン・カラーとともに日本に
マックスファクターの化粧品が入ってきます。
マックスファクターは数々のメークアップ製品を
ハリウッド映画界の黎明期から提供し,
映画スターにも愛用されて世界の一流ブランドなのだそうでした。
水で使用する「パンケーキ」が天然色映画用の
ファンデーションとして使われていました。
「コレクティブ・メーキャップ 」呼ばれました。
これを機会にマックスファクターの化粧品が日本の市場へ出ます。
その後、日本で「ミス・ユニバース・コンテスト」が開かれます。
伊藤絹子さんがミス3位入賞して「八頭身美人」と言われ,
世界大会では児島明子さんが優勝しました。
ミス・ユニ開催にマックスファクターはスポンサーになっています。