日本で初めて総天然色映画が松竹大船て制作されました。
フジフィルムで『カルメン故郷に帰る』と『夏子の冒険』です。
また、コニカラーで日活は『緑はるかに』を制作しました。
大映は黒澤明監督の『羅生門』を制作して
イタリアのヴェネツィア国際映画祭に出品します。
それがグランプリの 金獅子賞(作品賞)をとってしまいます。
大映は,それ以後、時代劇路線で『雨月物語』『山椒太夫』など
各国の映画祭に出品します。
それぞれの受賞で世界に認めらる映画制作会社になります。
… … …
松竹大船、日活の初の総天然色映画は「現代劇」でした。
大映は総天然色映画を時代劇で企画します。
企画されたストーリーは,菊池寛原作の『袈裟と盛遠』です。
前作『羅生門』にあやかってか題名は『地獄門』となります。
主演女優は京マチ子です。
… … …
旅をしている武士、夫(森雅之)、妻(京マチ子)の2人の前に
悪名高い盗賊(三船敏郎)が現れます。
ここから『羅生門』は始まります。
京マチ子は、おとなしい貞淑な妻だが、
内心では激しい気性を抱えている。
という役でした。
体当たりの熱演で,グランプリ女優,国際女優といわれました。
激しい気性の女性を演じていた京マチ子は
この『地獄門』ではがらりと変わって貞淑な女性を演じます。
主演男優は長谷川一夫(役名・遠藤盛遠(えんどうもりとう))、
京マチ子(役名・袈裟御前(けさごぜん=亘の妻))、
山形勲(役名・渡辺亘(わたなべわたる=袈裟の夫))で、
この3人の三角関係の話です。
時代劇の俳優さんの衣装や,武家屋敷が総天然色映画に
どう映るのか全くの未知数でした…。