昔は,映画館にショウウィンドウが表に
ついていて、上映中の映画の場面を
キャビネ判に写した写真(スチール)が数枚、
飾られていました
映画制作中のスタジオやロケ現場で
シーンの区切りがついたところで
スチールカメラマンが現れます
「すみません…ここでおにぎり一丁おねがいします」
と組み立て暗箱のカメラでそのセットに出演中の
俳優さんに適当に形を作ってもらって、
バルブシャッターで撮ります
カメラは組み立て暗箱ですから
フィルムではなく
ガラス乾板で撮ります。
どうして,学校の卒業写真のように
ガラス乾板で撮るのでしょうか?
全国の映画館に上映用の映画につけて
送るのですから,膨大な枚数のプリントが必要になります
キャビネ判のガラス乾板のネガを密着プリントで
処理しますから,暗室作業が楽なのと,ガラス乾板に
修正ニスを使って,俳優さんの肌の修正ができるからでしょうか?
しかし、組み立て暗箱の写真は、俳優さんの動きが撮れません
そこで、ライカ名人の木村伊兵衛さんに、映画制作中のセットや
ロケ現場で,自由に動いてもらって,スナップとして
動きのあるカット(スチール写真)を撮ってもらったのでしょう