■■ワープロの黎明 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.121 昼休みのブログ<o:p></o:p>
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昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>
【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>
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■11 新しい企業作り 6 通算121回 ワープロの黎明 <o:p></o:p>
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第11話「新しい企業作り」は、現代に戻り、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。<o:p></o:p>
散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。<o:p></o:p>
竹根に誘われて幸は、洗心亭という靖国神社境内にある茶室に入った。茶道の経験のない幸は、竹根の言葉で観念をしてその席に着いた。落ち着いた雰囲気の中で、幸は再び1980年代に戻り、沈思黙考が始まった。<o:p></o:p>
顧問を依頼した竹根との相談の上で策定した五カ年計画案の第一議案であるノンファブリック戦略が可決され、第二議案である活版とオフセット印刷の両建て戦略の審議に入った。<o:p></o:p>
取締役の大松田がオフセット印刷機取り扱いの難しさとして、オフセット印刷機には不可欠な水の話になった。工場長の金山は、オフセット印刷への取り組みには慎重であった。<o:p></o:p>
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【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>
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工場長としての苦労があるので、金山からは慎重な発言が出た。<o:p></o:p>
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「いや、日本ではまだまだ軽オフセットは黎明期で、素人だらけというのは、われわれにとっては好都合ではないだろうか」<o:p></o:p>
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「なるほどそういう考え方もできますね。でも、日本には、何でそういうお店がなぜ出てこなかったのだろう?」<o:p></o:p>
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「刷増部長、良いところに気がついたね」<o:p></o:p>
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さちは得意顔で語りはじめた。<o:p></o:p>
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「日本とアメリカ、ヨーロッパも入るかもしれないけど、大きな違いは、タイプライターの普及率の違いにある。一般の日本企業では、タイプがある方が珍しいけど、向こうではタイプがない方が珍しい。従って、版下を容易に作ることができる」<o:p></o:p>
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「そうなると、日本では、プリントショップは難しいのではないですか?」<o:p></o:p>
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「確かに、今は難しいけど、ワープロがこれから急激に安くなってくるし、パソコンでもワープロ作業をやれるようになると予測されている」<o:p></o:p>
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「社長、ワープロやパソコンでは、解像度が低くドットが粗くて版下には不向きなのではないですか」<o:p></o:p>
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「確かに今のワープロやパソコンのプリンターは解像度の問題で活版印刷のようなシャープさはとても出せない。だけど今後の技術革新はその問題を解決してくれるだろう」<o:p></o:p>
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「そうそう、先般の研修の時に竹根先生が仰っていたCTPの時代が来れば、プリンターに打ち出して版下を作るという作業もなくなるわけだし、おもしろいかも知れないね」<o:p></o:p>
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幸と刷増の会話を聞いていた大松田が口を開いた。<o:p></o:p>
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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>
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■■ 脚注<o:p></o:p>
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>
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