経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

■■ワープロの黎明 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.121 昼休みのブログ

2011-10-25 13:30:26 | 小説・先見思考

 

■■ワープロの黎明 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.121 昼休みのブログ<o:p></o:p>

 

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 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>

 

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■11 新しい企業作り 6 通算121回 ワープロの黎明 <o:p></o:p>

 

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 第11話「新しい企業作り」は、現代に戻り、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。<o:p></o:p>

 

 散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。<o:p></o:p>

 

 竹根に誘われて幸は、洗心亭という靖国神社境内にある茶室に入った。茶道の経験のない幸は、竹根の言葉で観念をしてその席に着いた。落ち着いた雰囲気の中で、幸は再び1980年代に戻り、沈思黙考が始まった。<o:p></o:p>

 

 顧問を依頼した竹根との相談の上で策定した五カ年計画案の第一議案であるノンファブリック戦略が可決され、第二議案である活版とオフセット印刷の両建て戦略の審議に入った。<o:p></o:p>

 

 取締役の大松田がオフセット印刷機取り扱いの難しさとして、オフセット印刷機には不可欠な水の話になった。工場長の金山は、オフセット印刷への取り組みには慎重であった。<o:p></o:p>

 

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【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>

 

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 工場長としての苦労があるので、金山からは慎重な発言が出た。<o:p></o:p>

 

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「いや、日本ではまだまだ軽オフセットは黎明期で、素人だらけというのは、われわれにとっては好都合ではないだろうか」<o:p></o:p>

 

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「なるほどそういう考え方もできますね。でも、日本には、何でそういうお店がなぜ出てこなかったのだろう?」<o:p></o:p>

 

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「刷増部長、良いところに気がついたね」<o:p></o:p>

 

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 さちは得意顔で語りはじめた。<o:p></o:p>

 

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「日本とアメリカ、ヨーロッパも入るかもしれないけど、大きな違いは、タイプライターの普及率の違いにある。一般の日本企業では、タイプがある方が珍しいけど、向こうではタイプがない方が珍しい。従って、版下を容易に作ることができる」<o:p></o:p>

 

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「そうなると、日本では、プリントショップは難しいのではないですか?」<o:p></o:p>

 

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「確かに、今は難しいけど、ワープロがこれから急激に安くなってくるし、パソコンでもワープロ作業をやれるようになると予測されている」<o:p></o:p>

 

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「社長、ワープロやパソコンでは、解像度が低くドットが粗くて版下には不向きなのではないですか」<o:p></o:p>

 

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「確かに今のワープロやパソコンのプリンターは解像度の問題で活版印刷のようなシャープさはとても出せない。だけど今後の技術革新はその問題を解決してくれるだろう」<o:p></o:p>

 

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「そうそう、先般の研修の時に竹根先生が仰っていたCTPの時代が来れば、プリンターに打ち出して版下を作るという作業もなくなるわけだし、おもしろいかも知れないね」<o:p></o:p>

 

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 幸と刷増の会話を聞いていた大松田が口を開いた。<o:p></o:p>

 

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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>

 

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■■ 脚注<o:p></o:p>

 

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>

 

■■ これまでのあらすじ PC←クリック<o:p></o:p>

 

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■■オフセット印刷 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.120 昼休みのブログ

2011-10-24 13:25:02 | 小説・先見思考

■■オフセット印刷 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.120 昼休みのブログ

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■11 新しい企業作り 5 通算120回 オフセット印刷

 第11話「新しい企業作り」は、現代に戻り、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。

 散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。

 竹根に誘われて幸は、洗心亭という靖国神社境内にある茶室に入った。茶道の経験のない幸は、竹根の言葉で観念をしてその席に着いた。落ち着いた雰囲気の中で、幸は再び1980年代に戻り、沈思黙考が始まった。

 顧問を依頼した竹根との相談の上で策定した五カ年計画案の第一議案であるノンファブリック戦略が可決され、第二議案である活版とオフセット印刷の両建て戦略の審議に入った。

 取締役の大松田がオフセット印刷機の話を始めた。

【回想2 1980年代】 

 なーんだと言うような顔がチラホラ見えた。

「プリダの機械がうちにとっていいかどうかは別にして、技術者の立場から言うと、オフの扱いは、今までの活版機とは全然違うと考えた方がよいでしょう」

 大松田が、オフセットの原理やなぜオフセットというのかなどまでも、仕入れたばかりの知識で披露した。そんな大松田を見て、幸はここにも竹根効果が出ていることを発見した。どちらかというと無口な大松田が、最近は積極的に発言をし、行動も活発になってきた。

「オフセットの難しさは水の扱いにあるらしいです。先般の研修の時に竹根先生から水なし平版の話がありましたが、あの時にはその意味合いがよく理解できませんでした。水がオフセットにとっては重要な意味を持つことを知らなかったのです。これからは『水難の相』が出ていて。わが社は水に悩まされそうです。すなわちオフセット印刷をやることは、水商売でもあります」

 口数の少ない大松田から冗談が出たにもかかわらず、誰一人として笑い声をあげる者はいなかった。

「ラッキーがいよいよ水商売に手を染めるのか?堅く、暗いイメージの会社が急に華やかな会社に変身か」

 金山の言葉が笑いをそそったが、会議の目的やその重要性を鑑み、すぐに静まった。

「その水対策には、何かいい方法はないのかね。治水対策の・・・」

 幸の問いに大松田はにやりとしてから答えた。

「社長、残念ながら、治水対策はノウハウなのだそうです。ただ、竹根先生からの情報によると福田商事自身もその辺のノウハウがなく、当面はドイツから技術者が来て、ユーザー教育をするようです」

「うちもノウハウの蓄積がないところに参入するのだから、相手の福田商事が素人じゃうまくいかないのではないですか。治水対策も含め教えてもらうこと、蓄積しなければならないノウハウはたくさんあるはずです」

 工場長としての苦労があるので、金山からは慎重な発言が出た。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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■■取締役会での第二号議案 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.119 昼

2011-10-21 12:49:12 | 小説・先見思考

■■取締役会での第二号議案 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.119 昼休みのブログ

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■11 新しい企業作り 4 通算119回 取締役会での第二号議案

 第11話「新しい企業作り」は、現代に戻り、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。

 散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。

 竹根に誘われて幸は、洗心亭という靖国神社境内にある茶室に入った。茶道の経験のない幸は、竹根の言葉で観念をしてその席に着いた。落ち着いた雰囲気の中で、幸は再び1980年代に戻り、沈思黙考が始まった。

【回想2 1980年代】 

 印刷会社ラッキーの取締役会である。

「第一号議案は、全員一致で可決されました。引き続き、第二号議案に入ります」基調の幸社長が議事を進めた。

――こちらは、一号議案より、さらに手強く、賛成が得られるかどうか心配だ――

 そんな自分の気持ちが表に現れないように、議長の幸は、下っ腹に力を入れた。

「第二号議案は、新規事業です。私がアメリカ出張を十数年前にしたことはご記憶だと思います。その時に、アメリカでは街中に小さな印刷会社が多数ありました。『プリントショップ』と呼ばれていて、お客さんが版下を持ち込み、それを軽オフセット印刷機にかけるだけです。丁度、青焼き屋のようなお店です。間口は二間くらいの小さなお店で、小型のオフセット機を一、二台おいているところが大半です。では、引き続き第二議案でありますプリントシップ・ビジネスについて審議をお願いします。どなたか、ご意見をお願いします」

 大松田が手を挙げた。最近、印刷技術の動向に非常に興味を持ち始めている。

「エー、プリントシップ・ビジネスを始めるには、エー、われわれが経験していない軽オフセット機を、ですね、エー、入れることになります。幸い、わが社が永年つきあっている福田商事では、ドイツのプリダの機械を輸入販売すると新聞発表があったばかりです。デスクトップ型と呼ばれる小型の軽オフセット機です。エー、実は、種を明かすと、この情報は竹根先生からいただいて、そのフォローアップに情報収集してきただけです」

 なーんだと言うような顔がチラホラ見えた。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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■■茶席での沈思黙考 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.118 

2011-10-20 14:27:51 | 小説・先見思考

 

■■茶席での沈思黙考 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.118 昼休みのブログ<o:p></o:p>

 

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 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>

 

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■11 新しい企業作り 3 通算118回 茶席での沈思黙考 <o:p></o:p>

 

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 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。<o:p></o:p>

 

 竹根と幸が初めて会ったのは、1970年代半ばである。場所はロスアンゼルスの空港で会った。幸が預け入れたスーツケースがなくなるという、20代後半の、海外経験のない二人にいきなりトラブルが襲ってきたのである。<o:p></o:p>

 

 それから10年の年月を経て、竹根の講演会の席で偶然二人は再会するのである。社長になっていた幸は、それを機に、竹根に顧問就任を依頼する。社内の反対があったが、ようやく顧問契約が成立し、幹部を対象とした社内研修を体験する。<o:p></o:p>

 

 竹根の提案した五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。<o:p></o:p>

 

 しかし、竹根の論理的な説明に一同は納得し、ノンファブリック戦略の実子が決定された。<o:p></o:p>

 

 第11話「新しい企業作り」は、現代の戻り、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。<o:p></o:p>

 

 散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。<o:p></o:p>

 

 竹根に誘われて幸は、洗心亭という靖国神社境内にある茶室に入った。茶道の経験のない幸は、竹根の言葉で観念をしてその席に着いた。<o:p></o:p>

 

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【現代】 <o:p></o:p>

 

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 程なく茶が出され、あまり仰々しくなく飲めたからか、このような席で初めて飲むお茶はおいしいとは言えないまでも、何となく茶を楽しむ人たちの気持ちがわかるような気がした。気持ちが落ち着いてきた幸は、これまで体験したことのない茶席という雰囲気の中で、また竹根との再会の頃の世界に戻った。<o:p></o:p>

 

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――あのときは、竹根先生の顧問就任や経営計画は、幸いなことに満場一致で可決された。竹根先生の支援があればこそ、役員会がスムーズに諮れたが、決定事項をうまく推進できるのかどうか、あのあと不安でならなかったな。不安に襲われ眠れなかったことも多かったな――<o:p></o:p>

 

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 幸の思い出は、まだ続いた。<o:p></o:p>

 

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――世間では、中小企業が、経営コンサルタントを入れると引っかき回されたり、かえって経営が苦しくなることもあるということも情報としてあちらこちらから入ってきたから、余計心配になってしまったな。ひどい時には、魅力ある中小企業を買収するという大手企業へのサービスも経営コンサルタントが担当するということも聞いていたのでそんな心配もした。本当に自分の決断が正しく、またラッキーという自分の会社が新しい企業に生まれ変われるのだろうかと竹根先生を疑るようなことも考えたな――<o:p></o:p>

 

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 幸の無言をしずかに見守っている竹根に気がついて、幸は我に返った。<o:p></o:p>

 

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 竹根に促されて、池の見える側に席を移した。水面をじっと見ている間に再び昔の世界に沈んでいった。<o:p></o:p>

 

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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>

 

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■■ 脚注<o:p></o:p>

 

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>

 

■■ これまでのあらすじ PC←クリック<o:p></o:p>

 

■■ これまでのあらすじ mobile ←クリック<o:p></o:p>

 

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■■いきなり茶室に連れ込まれた 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.117

2011-10-19 11:36:33 | 小説・先見思考

 

■■いきなり茶室に連れ込まれた 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.117 昼休みのブログ<o:p></o:p>

 

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 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>

 

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■11 新しい企業作り 2 通算117回 いきなり茶室に連れ込まれた <o:p></o:p>

 

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 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。<o:p></o:p>

 

 竹根と幸が初めて会ったのは、1970年代半ばである。場所はロスアンゼルスの空港で会った。幸が預け入れたスーツケースがなくなるという、20代後半の、海外経験のない二人にいきなりトラブルが襲ってきたのである。<o:p></o:p>

 

 それから10年の年月を経て、竹根の講演会の席で偶然二人は再会するのである。社長になっていた幸は、それを機に、竹根に顧問就任を依頼する。社内の反対があったが、ようやく顧問契約が成立し、幹部を対象とした社内研修を体験する。<o:p></o:p>

 

 竹根の提案した五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。<o:p></o:p>

 

 しかし、竹根の論理的な説明に一同は納得し、ノンファブリック戦略の実子が決定された。<o:p></o:p>

 

 第11話「新しい企業作り」は、現代の戻り、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。<o:p></o:p>

 

 散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。<o:p></o:p>

 

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【現代】 <o:p></o:p>

 

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 日本庭園ならどこにもあるような小さな石橋を渡ると深山を思わせる滝石組みが見える。靖国神社にこのような池があることは意外と知られていない。神池庭園である。池に注ぎ込む小さな滝が、この風景を作り出している。池の反対側には、鯉にえさをやりやすいように、池に板場をせり出させ、屋根を設けている。ここは、靖国神社でももっとも奥に位置する。竹根のもっとも好きな場所である。<o:p></o:p>

 

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 池を囲む靖泉亭、行雲亭と洗心亭がある。着物を着た数人の女性のあとを着くようにして、竹根に誘われてそのうちの一つである洗心亭に入った。敷石と飛び石に分かれていて、飛び石の方に歩を進めた。<o:p></o:p>

 

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 今日は、竹根が属している洗心会という仲間の集まりだと説明を受けた。<o:p></o:p>

 

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「先生、私は茶道の心得なんて全くないのですが・・・」<o:p></o:p>

 

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「心配されるな、私も何も知らないが、この会に入っています。お茶をいただくだけで、作法は何も知りません」<o:p></o:p>

 

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「本当に、私のような者がついてきてよいのですか?」<o:p></o:p>

 

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「社長のように雑念の多い人間は、ここで心を洗ってもらわなければなりません。ここは『洗心亭』、まさに社長にうってつけの場所です」<o:p></o:p>

 

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「洗心会に洗心亭ですか・・・」<o:p></o:p>

 

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 受付の女性が、竹根に親しく声をかけてきた。竹根がここの常連であることがわかる。幸は心細く竹根の後についていった。茶室というと狭いところをイメージしたが、かなり広い場所に車座になってグループごとに和やかに歓談し、茶を楽しんでいる。茶席という堅い雰囲気がない。<o:p></o:p>

 

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 そのうちの一つに近づくと、あとから来た参加者が黙礼をし、竹根の横に座った。竹根が皆に幸を紹介してから、お茶の飲み方を説明してくれた。竹根の仕草をまねながら緊張して出された和菓子を食べた。甘い物が苦手な幸であるが、初夏を思わせる若葉色をした菓子である。ほんのりとした甘さで幸の口にも抵抗なく受け入れられた。<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

 程なく茶が出され、あまり仰々しくなく飲めたからか、このような席で初めて飲むお茶はおいしいとは言えないまでも、何となく茶を楽しむ人たちの気持ちがわかるような気がした。気持ちが落ち着いてきた幸は、これまで体験したことのない茶席という雰囲気の中で、また竹根との再会の頃の世界に戻った。<o:p></o:p>

 

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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>

 

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■■ 脚注<o:p></o:p>

 

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>

 

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■■新しい企業作り 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.116 昼休みのブログ

2011-10-18 17:20:33 | 小説・先見思考

■■新しい企業作り 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.116 昼休みのブログ

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■11 新しい企業作り 1 通算116回 竹根コンサルタントのブログ

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。

 そこで、オブザーバーとして出席している竹根の意見を聴くことになった。竹根から経営環境とノンファブリック戦略の関係について考え方が出された。

 いよいよ、今回から第11話「新しい企業作り」に入る。シチュエーションは、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。

【現代】 

 幸は、竹根達がブログでいろいろな情報を発信していることを知り、ラッキーでもブログが利用できないものだろうかと考えるようになった。

 「ブログの活用事例として、先生、今少し、先生のブログについて話していただけませんか」

 「毎日スケジュールに則ってテーマを決めて情報発信していることをご紹介しましたよね。一五時頃にも一本発信します。こちらは『日替わりメニュー』とでもいいますか、曜日毎にテーマが決まっています。経営情報やセミナー情報を提供してゆきます」

 社内にいれば白板に書いて説明しやすいが、靖国神社の中を歩きながらなの、内容が複雑なときには、指を折ったり、指さしで確認したりして、内容をイメージできるように竹根は説明する。

 月曜日は、「一押しセミナー」として、各種のセミナー案内情報を提供している。主に日本経営士協会主催のセミナーである。

 火曜日は、「経営コンサルタントへの道」と題して、これから経営コンサルタントになろうとしている人のための情報が中心だ。

 水曜日は、「マーケティング講座」を週刊連載として発行している。竹根流のスパイラル・マネジメントが中心になっている。

 木曜日は、「経営四字熟語」と題して、竹根が好きな四字熟語を中心に紹介している。経営者・管理職として、あるいは経営コンサルタントとして、四字熟語からは多くの示唆が得られると竹根は考えている。

 金曜日は、「経営コンサルタント有益情報」というテーマで、経営コンサルタントとしてさらにレベルアップをしたい人、これから経営コンサルタントを目指す人、国家資格で仕事をしている士業の先生の付加価値を高めるためのアドバイス情報を提供している。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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■■ノンファブリックの説明 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.115 昼

2011-10-17 12:04:49 | 小説・先見思考

 

■■ノンファブリックの説明 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.115 昼休みのブログ<o:p></o:p>

 

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 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>

 

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■11 新しい企業作り 1 通算116回 竹根コンサルタントのブログ <o:p></o:p>

 

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 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。<o:p></o:p>

 

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。<o:p></o:p>

 

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。<o:p></o:p>

 

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。<o:p></o:p>

 

 そこで、オブザーバーとして出席している竹根の意見を聴くことになった。竹根から経営環境とノンファブリック戦略の関係について考え方が出された。<o:p></o:p>

 

 いよいよ、今回から第11話「新しい企業作り」に入る。シチュエーションは、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。<o:p></o:p>

 

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【現代】 <o:p></o:p>

 

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 幸は、竹根達がブログでいろいろな情報を発信していることを知り、ラッキーでもブログが利用できないものだろうかと考えるようになった。<o:p></o:p>

 

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 「ブログの活用事例として、先生、今少し、先生のブログについて話していただけませんか」<o:p></o:p>

 

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 「毎日スケジュールに則ってテーマを決めて情報発信していることをご紹介しましたよね。一五時頃にも一本発信します。こちらは『日替わりメニュー』とでもいいますか、曜日毎にテーマが決まっています。経営情報やセミナー情報を提供してゆきます」<o:p></o:p>

 

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 社内にいれば白板に書いて説明しやすいが、靖国神社の中を歩きながらなの、内容が複雑なときには、指を折ったり、指さしで確認したりして、内容をイメージできるように竹根は説明する。<o:p></o:p>

 

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 月曜日は、「一押しセミナー」として、各種のセミナー案内情報を提供している。主に日本経営士協会主催のセミナーである。<o:p></o:p>

 

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 火曜日は、「経営コンサルタントへの道」と題して、これから経営コンサルタントになろうとしている人のための情報が中心だ。<o:p></o:p>

 

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 水曜日は、「マーケティング講座」を週刊連載として発行している。竹根流のスパイラル・マネジメントが中心になっている。<o:p></o:p>

 

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 木曜日は、「経営四字熟語」と題して、竹根が好きな四字熟語を中心に紹介している。経営者・管理職として、あるいは経営コンサルタントとして、四字熟語からは多くの示唆が得られると竹根は考えている。<o:p></o:p>

 

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 金曜日は、「経営コンサルタント有益情報」というテーマで、経営コンサルタントとしてさらにレベルアップをしたい人、これから経営コンサルタントを目指す人、国家資格で仕事をしている士業の先生の付加価値を高めるためのアドバイス情報を提供している。<o:p></o:p>

 

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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>

 

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■■ 脚注<o:p></o:p>

 

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>

 

■■ これまでのあらすじ PC←クリック<o:p></o:p>

 

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■■ノンファブリックの説明 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.115 昼

2011-10-14 10:50:21 | 小説・先見思考

 

■■ノンファブリックの説明 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.115 昼休みのブログ<o:p></o:p>

 

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 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>

 

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■10 厳しい取締役会 13 通算115回 ノンファブリックの説明  <o:p></o:p>

 

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 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。<o:p></o:p>

 

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。<o:p></o:p>

 

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。<o:p></o:p>

 

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。<o:p></o:p>

 

 そこで、オブザーバーとして出席している竹根の意見を聴くことになった。竹根から経営環境とノンファブリック戦略の関係について考え方が出された。<o:p></o:p>

 

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【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>

 

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「ただいま、先生よりお話があったゼロベース思考によって本件を見直したいと考えています。なにをゼロにしたらよいのか、誰か意見はありませんか」<o:p></o:p>

 

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 あたかも幸が研修の講師になったような口調である。<o:p></o:p>

 

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「体制の問題ですね。現状のままでは、これまでの延長線上での発想による戦略・戦術決定になってしまい、何ら新規性も生まれず、お題目にノンファブリック・オフセット・ビジネスを乗せた経営計画に過ぎないことになると思います」<o:p></o:p>

 

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 刷増の意見を契機に、皆が口を開き始めた。そして方向性が決まった。<o:p></o:p>

 

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「では、皆さんのご意見をまた集約してみます。竹根先生のおっしゃる一言集約ほどにはなりませんが・・・」<o:p></o:p>

 

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 ここまで来ると、全員にゆとりが出てきて、会議開始時の緊張感がだいぶ薄れてきた。<o:p></o:p>

 

「『ノンファブリック・オフセット・ビジネスを行う新しい部署を設立する。人事については、社長に一任する』となります。よろしいですね。これについて、採決を行います。賛成の方は挙手をお願いします」<o:p></o:p>

 

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 全員一致で決定した。研修の終わり頃の熱気が思い出される。<o:p></o:p>

 

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 第一議案は難しいかと思っていたが、すんなりと通ってしまった。<o:p></o:p>

 

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 これらの新しい取り組みも含む五年の経営計画をローリング方式で採用することが決まった。ローリング方式は、毎年五年ごとの長期計画を見直し、新たな五年計画に衣替えをしていく方法である。時局の変化に伴い、経営計画が時代にそぐわなくなってしまうことがしばしばある。この方式であれば期間中でも見直し修正が可能なため、採用する企業が出てきた。<o:p></o:p>

 

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 ラッキーにコンピュータ・システムを導入することも含め、無事取締役会が終了した。<o:p></o:p>

 

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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>

 

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■■ 脚注<o:p></o:p>

 

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>

 

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■■ゼロペース思考 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.114 昼休みのブログ

2011-10-13 13:08:55 | 小説・先見思考

■■ゼロペース思考 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.114 昼休みのブログ

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■10 厳しい取締役会 12 通算114回 ゼロペース思考 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。

 そこで、オブザーバーとして出席している竹根の意見を聴くことになった。

【回想2 1980年代】 

「では、オブザーバーの竹根先生からご意見を賜りたいと思います」

 竹根はゆっくりと起立して、頭を下げた。

 荻野が関連資料を出席者に配布し終わると、竹根が皆を見回して説明を始めた。

「ありがとうございます。私は、オブザーバーですので、正式な発言としては認められませんし、議決権も持っていません。私は、皆さんと共にラッキーの発展を願う者で、その見地から提案をしたり、時には皆様の決定を前にご意見を申し上げて再考をお願いすることもあるかもしれません」

 全員がシーンと静まりかえり、竹根が何を言い出すのかを待つ眼差しは真剣である。竹根一流の間の取り方である。発言を待つ気持ちが高まってくる。

「皆さんのご意見から、大変本件についても真剣に取り組もうという姿勢はヒシヒシと伝わってきます」

 自分たちの議論を頭から否定されるのではないかという不安を持っていたので、その言葉で何となくホッとした。しかし、幸だけは違う、いや、違って欲しいと願うような気持ちである。なぜなら、現状の体制のままで、本当にやってゆけるのだろうかという心配を感じていたからである。

「ゼロベース思考という言葉をお聞きになったことがありますか?」

 竹根の意見を待っていたのに、急に質問を振られて、一同の緊張は一瞬にして戸惑いとも思われる雰囲気に変わってしまった。

「人間というのは、意外と保守的なところがあり、現状が変化することへの不安感を、大なり小なり誰しもが持つものです。そのために、現状の延長線上でものごとを考えがちです。現状を肯定するところには変化は起こりにくいのです。これがゼロベース思考の発端です」

 竹根は言葉を続ける。全員が研修の時の竹根を思い出し、まるで竹根マジックにかかってしまったように、竹根に集中している。

「残念ながら、わが社の売上は低迷し、業績も下降線をたどっています。ここに変化を起こすのが戦略です。今回は、ノンファブリックによるオフセット・ビジネスという新しい戦略を構築しようと立ち上がったところです。先ほど、社長から第二創業ということが言われました。創業ということは、新しく業を創り出すことです。新しくと言うことは、ゼロベース思考が要求されているということになります。その視点を忘れないで、本件を考えて欲しいのです」

 竹根の力強い発言に押されるかのように、誰も口を開くものがいない。幸だけは、微笑みを浮かべ、皆を見回した。

「先生、貴重なご意見をありがとうございます。ただいま、先生よりお話があったゼロベース思考によって本件を見直したいと考えています。なにをゼロにしたらよいのか、誰か意見はありませんか」

 あたかも幸が研修の講師になったような口調である。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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■■二兎を追う経営戦略 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.113 昼休みのブログ

2011-10-12 12:57:01 | 小説・先見思考

■■二兎を追う経営戦略 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.113 昼休みのブログ

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■10 厳しい取締役会 11 通算113回 二兎を追う経営戦略 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。

【回想2 1980年代】 

 竹根は、金山の方を向いて話しかけるように言った。

「工場長、いかがですか?」

「完全に理解できたわけではないですが、活版機をなくすわけではないのですね?」

「もちろん、活版は残します。まだまだ活字に固執する読者もいますので、出版社とは従来通りおつきあいをします。むしろオフでも対応できる二本立てであれば仕事の機会が増えるかもしれません」

「二兎を追うというよりは、二頭立て馬車と考えた方が良いわけですね」

「適切なたとえですね。まさに、おっしゃるとおりです。ただし、オフの比率は当面は高くないので、二頭立てでも横に二頭立てではなく、縦に二頭立て、電気で言えば直列接続となります」

 そのたとえが良かったのか、金山工場長は笑顔で座った。

 各自が、それぞれの意見を発表したが、似たり寄ったりである。

「皆さんのご意見を総合すると、基本的には現組織の中で、刷増営業部長がオフセットに関するビジネスについても営業活動及びそれに付帯する業務、例えば印刷会社との折衝や出版社との打合せなども担当する、ということになると思います。私の理解に問題がありますか?」

 誰も異論を挟む者はなく、金山は、――さすが社長だけあってうまくまとめるものだ――と感心するほどである。研修以来、金山の姿勢が良い方向にだいぶ変化して来た。

 竹根が、挙手をして意見を申し出た。

「では、オブザーバーの竹根先生からご意見を賜りたいと思います」

 竹根はゆっくりと起立して、頭を下げた。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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■■真っ二つの取締役会 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.112 昼休みのブログ

2011-10-11 15:28:10 | 小説・先見思考

■■真っ二つの取締役会 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.112 昼休みのブログ

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■10 厳しい取締役会 10 通算112回 真っ二つの取締役会 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。

【回想2 1980年代】 

「印刷機を持たないのでは、印刷ブローカーとおなじではないか」

 金山が、不機嫌な声で発言をすると、大松田が説明を続けた。

「一見するとブローカーと同じようですが、ブローカーは利ざやを稼ぐことにウェイトを置いています。ノンファブリックは、そうではありません。われわれが受注を取ってきて、文選をし、ハンコを作って印刷をする、受注を取ってきたあと、自社工場に依頼するか、外部に発注するかの違いだけで、外部工場も自社工場と同じ位置づけに考えればよいのです。オフセットですから、文選ではなく、版下制作になります」

「どうもよくわからないな」

「要は、責任の持ち方の問題です。自社がすべての責任を持って、今まで通り作業をすればよいのです。活版については、自社工場でまかない、オフについては、提携した協力工場で印刷をしてもらうだけです。ブローカーのように、少しでも安く印刷してくれるところを探すのではありません。うちが求める品質や納期を保ってくれる協力工場を持てば実現できます」

 大松田は、自信を持って言い切った。刷増は頷きながら聞いていた。金山も茂手木もまだ納得できない風である。

「非常にわかりやすく説明してくださり、大松田部長、ありがとうございました。新しい工場経営の手法ですから、わからないこともあるかもしれません。これは、わが社にとっては過渡期の戦略で、技術やニーズの動向を見ながら、場合によってはオフセット印刷機を導入することも考えられます。すなわち、当面は大きな投資無しに活版とオフの両方に対応できることになります。ただし、信頼できるオフセット印刷機を持っている印刷会社を探さなければなりません」

 竹根は、金山の方を向いて話しかけるように言った。

「工場長、いかがですか?」

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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■■印刷業界異例の経営戦略 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.111 昼

2011-10-10 11:20:19 | 小説・先見思考

 

■■印刷業界異例の経営戦略 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.111 昼休みのブログ<o:p></o:p>

 

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 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

■10 厳しい取締役会 9 通算111回 印刷業界異例の経営戦略  <o:p></o:p>

 

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 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。<o:p></o:p>

 

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。<o:p></o:p>

 

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。<o:p></o:p>

 

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

「すでに、皆さんには事前に本件について検討をしていただいていると思います。本件につきましては、通常の会議のように、意見を述べていただき、できれば本日基本的な方向を決めたいと考えています。ただし、本件は、わが社にとっては大きな戦略的な方針転換でもあり、ノンファブリックというなじみのないことへの挑戦でもあります」<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

 ここで一息入れてから、幸は続けた。<o:p></o:p>

 

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「出版業界も今は活版印刷が主流ですが、これからはオフセット印刷が主流となり、今のラッキーの力で中途半端な設備投資をした場合、競争に勝つのは容易ではありません。さりとて、時代の流れであるオフセット化を無視することはできないのです。オフセット化を推進して行くためには、多額の投資が必要であり、まだここ一、二年は活字出版物の比重は高く、オフセット機を導入するにはリスクが高すぎる。そこで『ノンファブリック』製造を導入したい。ノンファブリックについては竹根先生からご説明をしていただきます。先生、よろしくお願いします」<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

 竹根は起立して、軽く頭を下げた。<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

「『ノンファブリック』という言葉をお聞きになったことのある人は少ないかもしれないですが、これからの日本の製造業には、自前の工場を持たないで、従来通りの製造業と同じような経営をする経営スタイルが導入されるでしょう。経営スタイルと言うより、経営戦略と言うべきと考えています」<o:p></o:p>

 

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 今まで聞いたことのない、ノンファブリックなどという言葉にアレルギー感を覚えた。<o:p></o:p>

 

 大松田が議長の許可を得て口を開いた。<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>

 

「先日、ノンファブリックについてビジネス誌が特集をしていました。まだ日本では一部でしか取り入れられていないけど、アメリカの製造業は海外に工場を持って結構うまく経営をしているところがあります」<o:p></o:p>

 

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「印刷機を持たないのでは、印刷ブローカーとおなじではないか」<o:p></o:p>

 

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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>

 

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■■ 脚注<o:p></o:p>

 

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>

 

■■ これまでのあらすじ PC←クリック<o:p></o:p>

 

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■■驚きの声の取締役会 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.110 昼休みのブログ

2011-10-07 11:54:38 | 小説・先見思考

■■驚きの声の取締役会 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.110 昼休みのブログ

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【本書の読み方】 脚注参照

■10 厳しい取締役会 8 通算110回 驚きの声の取締役会 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話でさ長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。

【回想2 1980年代】 

「では、第一議案について、審議を開始します」

 全体を見回してから、言葉を継いだ。

「すでにご存じのように、わが社では終戦直後会長がガリ版刷りの出版物を大手出版社を通じて出していくことから始まった会社です。しかし、需要の減退から、会長の英断で活版印刷機を購入し、それまでの人脈を通して今日までその仕事を続けてこられました」

 幸は、愛子が用意してくれたお茶を口に含み、深呼吸をしてから話を続けた。

「しかし、時代の流れ、とりわけ印刷機器に関する技術の変化はめまぐるしく、それについていくだけでもわが社の実力では苦しいものがあります。竹根先生のご指導もあり、先般の取締役会でオフセットの印刷物をノンファブリック方式で出版社に提供していく方針です」

 会議場からは、驚きの声が上がった。

「しかるに、本件を具体的に推進して行くに当たっては、その方策まで決まっているわけではなく、かといってお題目を唱えているだけでは先に進みません。これは、わが社の第二創業です。そこで、本日は、今後、本件に関してどのように進めていくのか、ご意見を賜りたいと思います」

 そこまで、一気にしゃべると緊張のあまり大きな疲労感を覚えた。

「議長、先般の研修で体験したブレインストーミングを使ってはどうでしょうか」

 金山の提案に同調する意見が出た。

「すでに、皆さんには事前に本件について検討をしていただいていると思います。本件につきましては、通常の会議のように、意見を述べていただき、できれば本日基本的な方向を決めたいと考えています。ただし、本件は、わが社にとっては大きな戦略的な方針転換でもあり、ノンファブリックというなじみのないことへの挑戦でもあります」

 ここで一息入れてから、幸は続けた。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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■■取締役会が始まった 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.109 昼休みのブログ

2011-10-06 13:08:28 | 小説・先見思考

 

■■取締役会が始まった 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.109 昼休みのブログ<o:p></o:p>

 

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 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>

 

【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>

 

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■10 厳しい取締役会 7 通算109回 取締役会が始まった  <o:p></o:p>

 

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 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。<o:p></o:p>

 

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。<o:p></o:p>

 

 1980年代のラッキーの社長室である。電話でさ長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。<o:p></o:p>

 

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【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>

 

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 毎月最終の火曜日には、役員会が定例的に開催されることが決定された。その第一回目が始まる。オブザーバーとして竹根が、特別な事情がない限りラッキーの役員会には出席することが事前に伝えられていた。真夏の盛りも峠を越えかかった八月の役員会を前に、社長の幸から全役員に、五カ年計画に基づいて、今後どのように展開するか、各自意見をまとめておくように事前通達があった。<o:p></o:p>

 

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 二十九日十八時四十五分、取締役会議が始まった。重要案件がない限り、会長と専務は欠席であることもあり、この二人を除いた会合をいつもは「役員会」と呼んでいる。もちろん、商法に基づき、会議録は取締役会として作成されている。今日は、会長も専務も出席して取締役会全員の参加のもとに開催される。<o:p></o:p>

 

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 ラッキーの第一次五カ年計画は、出版物のオフセット印刷によるノンファブリック納品とプリントショップ・ビジネスの二本柱が核である。各役員は、それなりの準備をして臨むため、いつもの役員会とは雰囲気が違う。<o:p></o:p>

 

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 幸も少々緊張した面持ちで口火を切った。<o:p></o:p>

 

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 議長である幸の挨拶のあと、会長の育太郎から短い訓辞があった。会長を立てることを忘れない幸の配慮である。育太郎の訓辞では、先般決まった経営理念にも簡単に触れられた。育太郎が座ると、幸が開会の宣言をした。<o:p></o:p>

 

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「では、第一議案について、審議を開始します」<o:p></o:p>

 

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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>

 

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■■ 脚注<o:p></o:p>

 

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>

 

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■■竹根と幸会長の面談 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.108 昼休みのブログ

2011-10-05 13:14:26 | 小説・先見思考

■■竹根と幸会長の面談 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.108 昼休みのブログ

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【本書の読み方】 脚注参照

■10 厳しい取締役会 6 通算108回 竹根と幸会長の面談 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。その提案とは、これまでの印刷業界にない突飛なモノであり、それだけに取締役達の説得ができるのか、それが問題である。

【回想2 1980年代】 

 二十一日十四時十五分に荻野を伴って竹根がラッキーを訪問した。ラッキーの役員たちの反発も、荻野たちが、社内雰囲気改善の努力をしたこともあり、また竹根の何度かの訪問も手伝い、取締役たちはまたもとの協力的な姿勢に戻りつつあった。アポイントメントの時間まで、いつも通り社内を廻る。声をかけられた社員は、竹根から自分の名前で声をかけられることもあり、次第に社員の方も気軽に応対をするようになった。

 社内を廻っている間に、愛子が会長とのセッティングに動いてくれた。会長が面会できる旨を竹根に伝え、社長室に誘った。

「失礼します。会長、ご無沙汰をお許しください」

 竹根は、社長室に入ったところから、声をかけた。幸社長は気を利かせて、席を外している。

「やあ、竹根さん、どうぞこちらに・・・」

 二人は、ソファーのセンターテーブルを挟んで挨拶をした。足は丈夫だと言っている会長だが、動きは鈍くなってきている。座るときも尻をドスンと落とすようにし、筋力の衰えが気になるほどであった。幸会長が座るのを確認してから竹根もソファーに座った。

 昔話、ラッキーの現状、趣味の写真や俳句の話など三十分ほどにわたって歓談した。

「先生のおかげで、うちの会社もなんとかやってこられるようになりました。今回の先生の冒険的なご提案には、正直なところ私も迷いました。しかし、わが社が生き残るためには、あのくらいの英断が必要なのでしょうな」

 はじめは「竹根さん」と呼んでいた会長も、仕事の話になると「先生」と言葉を改めた。

「会長、今の様に世間全般の企業が成長している時代には、生き残るという姿勢では、いずれ衰退するということではないでしょうか。私は、勝ち残るための戦略をご提案しました」

「あいかわらず、竹根先生は強気ですね。でも、その強気と堅実性の両方を兼ね備えているあなたを信頼します」

 幸会長は立ち上がって、竹根に頭を下げた。

 会長と社長が入れ替わり、会長は社長室を出て行った。その後ろ姿は、ソファーに向かうときのややふらつき気味の会長とは違って、足取りがしっかりしているように竹根の目には映った。

「さて、私の悪口を会長からお聞きいただいたところで、本題に入りましょうか」

「たくさん聞かせてもらいました」

 会長は息子の育雄の経営ぶりに満足し、その経営手腕は自分以上であると話していた。かつての二人の諍いは嘘のように、信頼で結ばれていることを竹根は喜んだ。

 その日のメインテーマである『長期経営戦略提案書』について竹根から丁寧な説明を受けた。幸は、その内容には満足である。がしかし、「ラッキーで本当にその計画通りやってゆけるのか」ということになると、社員のレベルを知っているだけに、たとえ竹根たちの支援があったとしても、幸は不安を覚えた。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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