■■【日本経済の読み方】 近況のエッセンスをコンパクトにまとめました


◆ 日欧経済連携協定は経済成長に繋がるのか? 2012/10/18
経済界の代表とともに経団連の米倉会長がヨーロッパを訪問しています。
パリでフランスのファビウス外相と会談しました。二人はEPA(経済連携協定)は双方の経済成長につながるという認識で一致したと報じられています。
これは日本とEU(ヨーロッパ連合)の間で、貿易やサービスの自由化を目指す経済的な連携を結ぶことです。双方に新たな成長と雇用が生まれることが期待されます。
EUは日本に対し、医薬品の承認手続きなどにおける非関税障壁の撤廃を要求してくるでしょう。海外の先進的な医薬品が開発から短期間に入ることになり、国民にメリットがある反面、日本における充分な知見なしに流入することになります。
また鉄道などの分野を閉鎖的だとみているEUからは、その市場開放を強く求めてくるでしょう。その場合に、日本が築いてきた安全性を充分維持できるのか課題が残っています。
上記を含めて日本国民が納得できれば、メリットもあることですから進めるべきでしょう。
それを考えるに当たり、どのような国がEUに加盟しているのかを知っておく必要があると考えます。2007年1月に現在の加盟国になり、全部で27か国になります。(アルファベット順))
オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、チェコ、ドイツ、デンマーク、スペイン、エストニア、フィンランド、フランス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、 イタリア、リトアニア、ラトビア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、 ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、イギリス
◇ 民主化が進むミャンマーを目指す日本企業 2012/10/17
「アジア最後のフロンティア」と呼ばれるミャンマーのヤンゴン向けの全日空定期便が、12年ぶりに飛び立ちました。
軍部政権によりスー・チーさんらの迫害などから、欧米諸国から経済制裁を受けていましたが、改善が見られると緩和が進んで来ました。
その背景には安くて豊富な労働力があり6000万人という大きな市場があることです。
「ビルマの竪琴」でも知られる旧国名ビルマが1989年に現在のミャンマーに改名されました。歴史的には日本との結びつきが深く、日本への期待は大きいです。
経済制裁下で中国がつばを付けて一人勝ちをしていましたが、スー・チーさんがいみじくも言っているように「中国はお金儲けだけが目的」と評判が良くありません。
電力事情が良くなくてすでに進出している日系企業の生産効率は必ずしも良いとはいえません。しかし、丸紅が火力発電所の改修工事の受注したら、インフラ整備事業への参入も進んで来ました。
日本の高い技術により、新興国と言われる国に変身できるかもしれません。
◆ 経済同友会、早期TPP参加要請 2012/10/16
経済同友会の長谷川代表幹事は、枝野経済産業大臣と会談し、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)について、早期に交渉参加を判断するよう求めました。
アメリカの大統領選挙後は、各国との交渉が加速度的に進む可能性のあることを主張しました。
アメリカやオーストラリアなど9か国に加え、メキシコやカナダも、今月、正式に交渉に参加しました。日本は、農業団体などが反対しています。
参加するのであるのなら、即交渉に参加し、しないのであれば、なぜしないのかを明確にすべきです。
いつまでも煮え切らないのは、賛成派にとっても、反対派にとっても、ひいては日本国民にとってもマイナスです。
◇ 東南アジアで水ビジネスを開始 2012/10/16
フランスなど、水ビジネスのメジャーが日本へも進出しつつあります。中国は、すでに北海道の私有林を購入したというニュースも入りました。
一方、日本も水ビジネスでグローバル展開をしようと商談が始まっています。
その一つがタイの首都バンコクにある水道公社と都の外郭団体が近く契約を結ぶ運びとなりました。
本格的な水ビジネスとはいえませんが、タイの水道管の水漏れに対する補修工事などをする際に技術支援を行っていくことになったのです。
タイでは水道管の水漏れや水道メーターの計量ミスなどによって、水道料金の収入に結びついていない割合が約30%を上っているようです。
すでに昨年バンコクの一部地域で試験的に対策工事を行ったところ、3%にまで改善したということです。
今回は、補修工事という一部の受注です。
日本の水道は技術的には高いものの、これまでは縦割り行政のために総合力で課題が懸念されています。官民一体となってトータルで水ビジネスにおけるサービス提供を開始したわけです。
総合力での力がつけば、各技術は高いだけにグローバル世界での活躍が期待されます。