■■【ヨーロッパ経済の読み方】信用不安の中での欧州中央銀行のユーロ金利政策は? 時系列的に見ると理解が深まる
最近の経済ニュースのエッセンスを、独断と偏見でもってまとめてみました。
◆ 信用不安の中での欧州中央銀行のユーロ金利政策は? 2013/01/12
財政状況の厳しいスペインの国債の利回りが、一時的とはいえ4%台後半まで低下、比較的落ち着いた状態が続いています。
記者会見でドラギ総裁は、「国債の利回りは下がり、株価も上昇するなど、ユーロ圏の傷は徐々に癒えていますが、実体経済の面では依然として、弱さが残る」と述べました。
ヨーロッパ中央銀行は、ユーロの金融政策を決める定例の理事会を開きました。
厳しい景気の現状を金融面から下支えするため、過去最低になっている今の政策金利の水準を当面、維持することを決めました。金利の据え置きは、6か月連続です。
低い金利を維持して金融面から景気の下支えを図る考えです。
◆ ユーロの失業率が最悪 2013/01/09
ギリシャに端を発した信用不安から、ユーロ圏だけではなく、元気であった中国を始め全世界の景気減速を引き起こしてから久しくなります。単一通貨精度そのものの存続にまで発展してしまいました。
EU(ヨーロッパ連合)の統計局が、発表したところによりますと、通貨ユーロを導入しているユーロ圏17か国の2012年11月の失業率は11.8%と、前の月より0.1ポイント悪化し、ユーロ導入以来最悪を更新しました。
失業率が最も高い国はスペインで26.6%でした。しかも前月より0.4ポイント悪化しています。とりわけ25歳未満の若者では56.5%で、かつ悪化しています。
ユーロ圏では緊縮策だけでなく経済成長や雇用創出を重視する政策を進めていますが、まだ効果は現れてなく、雇用情勢の悪化に歯止めがかかっていません。
◆ フランスで原発論議が活発 2012/12/24
NHK解説委員の広瀬公巳氏がフランス原発の廃炉問題について論評していました。
フランスには、原発大国といわれるだけあって、日本よりも多い58基の原子炉があります。福島原発を契機に、原発依存への見直しが始まり、今後原子力への依存度を下げていく方針です。その具体的な方策が話題となっています。
今焦点の一つになっているのは原子力発電所の閉鎖、廃炉です。オランド大統領はドイツとの国境近くにあるフェッセンハイムの2基の原子炉を2016年末までに廃炉にすると発表しています。
2基とも老朽化の影響が心配されているのです。
一方で、フランス原子力安全規制当局は、耐震補強など手当を行うことで、さらに今後10年間、運転できるという判断を示しています。そのために、なぜ廃炉にしなければいけないのかと、電力会社や労働組合側から疑問の声があがっています。
オランド大統領は、電力業界、労働組合、環境団体、消費者など様々な立場の人が参加する討論会をスタートさせました。
廃炉を含むエネルギー政策についての合意をまとめる考えです。時間をかけて冷静に、電力業界の専門家の意見もよく聞くという方法で新しいアイデアの誕生を期待したいところです。
◆ ギリシャへの次の融資が行われるのか 2012/12/06
ギリシャが債務削減策の一環として、償還期限前ですが国債の買い戻し策を発表したのを受け、その状況次第で次の融資実行が正式に決まることになりそうです。
スペイン政府が、経営が悪化した国内の銀行への資本注入を検討しています。ユーロ圏が新たに発足させた支援基金に対し、正式に支援要請を行い、最大で395億ユーロ(日本円で4兆2000億円余り)の支援を来週実行することを決めました。
ユーロ圏の経済回復はまだ不透明ではありますが、改善の方向に動いていることは確かなようです。それが対円相場でもユーロが値上がりし始めていることにも現れています。
ギリシャにしろ、スペインにしろ、国民の反発が和らがないと折角の策も実りません。
【 注 】 タイトル横の日付は、ブログ掲載日