■■【日本経済の読み方】 振るわぬデパート業界の昨今 近況のエッセンスをコンパクトにまとめました
◆ 振るわぬデパート業界の昨今 2013/01/19
専門店、コンビニ、スーパーなどに押されて、平成8年から売上高が減少傾向にあったデパート業界です。
日本百貨店協会のまとめによりますと、全国のデパート249店の去年1年間の売り上げは、合わせて6兆1453億円余りでした。前年同期比で0.3%の増加で、これはなんと16年ぶりにプラスに転じたことになります。
東京や大阪などの大型店で売り場の面積を増やす改装が相次ぎました。また、一部の消費者の間で高級時計や宝飾品などを購入する動きがいくぶん強まったこともあります。
東日本大震災のあとに消費が大きく落ち込んだ反動で衣料品の販売が回復したという要因もあります。
いずれの要因も特殊要因と考えられますので、デパート業界の凋落が底打ちしましたと楽観視はできそうもありません。
業界も「このところの株価の上昇などを受けて、消費が上向くことを期待したい」という見方で、アベノミクス頼みという感がします。
◆ コンピューターが小説を書く!? 2013/01/18
NHKの番組の中で、菊地夏也解説委員が、コンピューター作家の話をしていたのを興味深く聴きました。
星新一さん並みの、400字詰めの原稿用紙で10数枚程度の短い小説をコンピューターが書くというのです。
短い作品ですと、起承転結が明確で、最後にオチがついて終わるなど、小説のプロット、
構造が分かりやすいという特徴があり、それを利用するようです。
このプロジェクトに、人工知能の研究者や作家、それに星さんの遺族などが加わり、星さんの作品名にちなんで、「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」という名称がつけられているのもおもしろいですね。
作品が分析されますと、それに基づいて幾通りも文章を書かせ、文章の組み合わせを何度も試すなどして、小説としての面白さも高めていきます。
まだ、このシステムが完成しているわけではないのですが、4年後には完成、覆面作家として新人賞に応募することも検討しているそうです。
コンピューターによる小説といいますと、キャリアウーマンの恋と成功を題材としたハーレクインが話題となります。完全にコンピューターで作っているのかどうかの真偽の程は解りませんが、少しずつですがその様な時代に入ってきているのでしょうか。
データマイニングなど人工知能研究が進んできた今日、グーグルの検索エンジンでも利用されるようになり、従来型のSEO対策(検索エンジンの上位表示技術)では対応できなくなってきていますね。
◆ 日本企業の海外買収 2013/01/08
アベノミクス(安倍政権による株価上昇)により、円安傾向が続いているといわれています。しかし、円安というより財政の崖問題の一時的回避によるドル高というべきです。すなわち、安倍総理による効果ではありません。
日本は現在貿易赤字です。すなわち輸入の方が輸出より多いのですから、円安の方が短期的には日本経済にプラスなのです。円安になると原油・LNGをはじめとする輸入物価が安くなるからです。
円安は日本経済にプラスという見方は必ずしも正しくないことを私たちは認識すべきです。
2012年は円高できましたので、海外資産の購入も割安感がありました。その結果、日本の企業が去年1年間に海外の企業を買収したり出資したりした件数は500件を超えました。これは、平成2年のバブル経済の時期を上回って、これまでで最も多くなったことになります。
バブル時代を超える海外企業買収は、いつまで続くのでしょうか?バブルの時のように、バブルがはじけたらとたんに買収価格より安く手放した苦い経験を忘れてはなりません。
◆ 日本の金鉱山 2013/01/05
金鉱山といいますと、佐渡を連想される方が多いでしょう。首都圏に住んでいる人には、伊豆半島の土肥金山も身近ですね。
今、日本で最大の金鉱というと鹿児島県にある菱刈鉱山だそうです。その菱刈鉱山で、ことし初めての金鉱石の出荷が、仕事始めの今日行われたそうです。出荷式のあと安全を願う神事が行われました。
精錬は、愛媛県西条市にあるそうです。
菱刈鉱山の歴史はそれほど古くなく、昭和60年から採掘されています。鉱石1トン当たりの金の含有量がおよそ40グラムと、世界トップレベルの高い純度です。これまでに産出した金は200トン余り、現在も180トンの埋蔵量が確認されています。
まだまだ10年以上採掘する量が埋まっているそうで、最近の金価格で計算すると約7800億円分の金が眠っていることになります。
私のような貧乏人には、あまり縁がなさそうです。
◆ 2013年日本経済の見透し 2013/01/03
財政の崖問題を何とか回避できたアメリカのオバマ大統領ですが、市場も一斉に反応して株高になりました。為替市場でもドルが買われ、円安になり、日本の株価も上がりました。
では、2013年度の景気は良くなるのでしょうか?
民間の調査会社など10社が予測した2013年度(平成25年度)の日本経済はプラス成長になる見通しです。アメリカや中国の経済が回復軌道に乗って海外経済の持ち直しに対する期待による輸出の増加などが見込まれるからです。
2012年度の日本経済は、世界経済の減速の影響で、3か月ごとのGDP(国内総生産)の伸び率が、物価の変動を除いた実質で2期連続のマイナスになりました。景気が後退局面に入った可能性が高いとされています。
一方、GDPの伸び率は、予測の高いところが実質2.3%、低いところでも0.8%と10社ともにプラス成長を見込んでいます。
来年4月に予定されている消費税率の引き上げを前に、消費や住宅の購入が増える予想もあります。
これらの予測によりますと、日本の景気は底を打ち回復に転じる形です。不安要因もあります。日中関係の悪化、日韓問題の不透明さなど景気の下振れ懸念もあります。
安倍内閣の大型補正予算や2013年度予算により、公共事業などがさらに日本経済を押し上げる可能性があります。
国民感情として、「いい加減、本格的な景気回復をやってくれ!」という声が大きいのではないでしょうか。
◆【年頭所感】2013年 日本経済の見通し 2013/01/01
第二次安倍内閣がスタートし、安倍総理大臣が精力的に動き回っています。少々、パフォーマンスが行き過ぎているように感ずるほどです。
多くの人が言っているように、今回の安倍人事は、先の総裁選挙で安倍さんを積極的に支持した人たちの入閣が目立っています。ちました。安定感と一体感の両立を目指した体制と言えますが、閣僚が期待通りに動くのでしょうか?
景気を下支えするため、大胆な金融緩和と、公共事業などを中心とした思い切った財政出動を行っていく考えを示しています。
最重要課題であるデフレからの脱却を担う経済閣僚には、麻生さんを筆頭に、甘利さんや茂木さんなど、比較的、自らに近い人を揃えました。
これまでの経験で、自民党の公共事業予算配分はお手のものです。しかし、短期的には有効かもしれませんが、本格的な経済成長に繋がるほどの効果はありません。新しい産業分野を育てることができるかどうかがポイントです。
新政権の最初の仕事は、何と言っても、今年度の補正予算案と来年度予算案の成作業です。1月末に通常国会を召集し、補正予算と、来年度予算の成立を目指すことになります。
この国会が、いつもと違うのは、予算案の提出が大きく遅れる上、夏に参議院選挙が控えているので、大幅な会期延長ができないことです。予算成立は、年度を大きくまたぐでしょう。
他のことをやる時間はほとんどない中、1月20日のアメリカの大統領就任式の後、オバマ大統領と日米首脳会談を行いたいとしています。ロシアのプーチン大統領との会談もできるだけ早期に行うべきでしょう。
これらを鑑みるに、本当の意味で安倍カラーを打ち出でるのは、参議院選挙で勝った後になるといえます。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)には、党内に強い反対もあります。復興を加速させること、原発の再稼働問題、定数是正を含む選挙制度の抜本改革などといった課題も山積しています。
安倍さんの鷹派的な発言は、中韓を刺激しています。内憂外患状態を日米問題だけで乗り切れるのでしょうか。その手腕が問われています。
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