【日本庭園を知って楽しむ】5-051 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園 橋 構造別の分類
若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。
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旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
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日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
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■■5 庭園を見る視点・要素 自然風景式庭園
庭園を鑑賞するにあたり、庭園を構成するものが、どの様な意味合いを持つのかを知っているのと、そうでないのとでは、鑑賞の度合いが大きく異なります。
ここでは、自然風景式庭園を構成するものについて、その鑑賞のための基本的な知識を持っておきたいと考えます。
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■5-051 橋 構造別の分類
日本庭園の苑路には、水の意匠が主題である庭園においては、重要な要素である池泉や水流にかけられる橋が不可欠です。
橋は、自らが庭園景観を構成する意匠の一つとして、庭園と調和する一方で、庭園を回遊する際の実用的な園路の一部として機能します。
浄土式庭園において橋は、『この世』と『あの世』を隔てる『三途の川』を渡るための、露地における『中門』的な役割をもっていました。
枯山水庭園においてよく用いられる石橋は、実用的な園路というよりは水景表現の一つの手段となっていました。
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◇ 構造別の分類
構造別の分類としては、丸木橋、板橋、桁橋、跳ね橋、材質的な分類では、土橋や木橋、石橋などがあります。形式による分類で、平橋、反橋、太鼓橋、八橋、すのこ橋、俎板橋(まないたばし)、汐見橋、屋根付きの廊橋・亭橋(ていきょう)などに分類できます。
分類法は、切り口により異なりますので、ここでは分類とは関係なく、橋に漢するいろいろな呼称を、宮元健次氏の分類を元に、代表的な橋を見てゆきます。
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①反橋
反橋とは、上部に凸型に湾曲させた、微妙に曲面が付いている橋で、主に寝殿造系庭園に用いられました。当初は、橋に強度を持たせるためにアーチの形状としましたが、のちには形式化したものも作られるようになりました。石造りだけではなく、木製で素木のままのものや朱塗ののものがあります。
反橋は、この世とあの世の結界という意味をもちます。浄土式庭園では、東から西へ反橋がかけられます。
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②平橋
寝殿造系庭園などで橋を複数かける際に、一つをそり橋にした場合、もう一つは平面的な平橋として変化をつけることがあります。主に中島へ渡る際に用いられました。
いろいろな形式の橋を渡ることが当時の貴族の楽しみの一つであったと言えます。
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③廊橋(呉橋) ろうきょう、くれはし
屋根付橋、すなわち屋根が付いた橋は、屋根だけでなく側面の覆いがついているものもあります。屋根付橋は、古くは古代バビロニア、紀元前780年まで遡ることができるほどで、日本だけではなく、世界各地に存在します。ここでは、日本庭園を中心にみて行きます。
廊橋は、呉橋ともいますが、岸と中島の間にかけられることが多いです。代表的な形式としては、平橋に屋根や腰掛けがついた形式の橋が多いです。
室町時代から、江戸時代にかけてしばしば用いられました。代表的な廊橋としては、西芳寺の邀月橋(ようげつきょう)や、それを模して作られた銀閣寺の前身である東山殿の龍背橋をあげることができます。
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④土橋 どばし
土橋とは、橋桁の上に丸太を横一列に詰め並べ、その上に杉皮や粗朶(そだ)などを敷き、さらにその上に小砂利混じりの土をのせて固めたものです。の両側は、粘土で盛り上げ、苔や芝などで縁取りが施されることが多いです。板面が見えず、手すりがついていないのが一般的です。反橋や平橋がシャープな印象を醸し出しているのに対して、土橋は素朴な味わいがあります。
橋の中央部分が水面より高くなっていることが多く、形式としてはそり橋の中に分類することもできます。木製の桁橋の変形とでもいうべき橋です。
茶の湯の盛んな桃山時代以降に多く用いられています。
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⑤石橋
日本庭園では、古くから遣水の上流に石でできた橋を用いることが習わしとしてありました。時代以前は、自然石をそのまま用いましたが、それ以降は次第に人工的に加工した切り石橋が敵になりました。反りをつけた、日本的なアーチ橋ともいえる、石橋も作られるようになりました。
石橋は、板石、橋台、継ぎ台石、橋脚石、橋挾石などによって構成されます。自然石石橋と加工石を使った切石橋とに分けられます。
石材の種類としては、花崗岩や安山岩、緑泥片岩が用いられることが多いです。京都の白川で産出される石が有名です。
枯山水においては、水景を表現するためのひとつの重要な手段でもあります。
【 注 】「橋」の項は、次号に続く
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(【Wikipedia】、宮元健次氏、重森完途氏・コトバンクを参照して作成)
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■ 日本を代表する庭園
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写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。
静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています