■■【日本経済の読み方】 洋上風力発電に日本企業の動き 近況のエッセンスをコンパクトにまとめました


◆ 洋上風力発電に日本企業の動き 2013/01/28
福島原発事故やLNG輸入増加などから、発電への関心が高まっている昨今です。
その一つが福島県や茨城県における洋上風力発電です。この動向に鑑み、日本の大手商社が動きを見せています。アメリカに於けるシェールやロシアのLNGに加え、風力発電にも展開が広がってきています。
「丸紅」は、この分野で世界トップのシェアを持つデンマークの企業と共同で、イギリスの沖合で大規模な風力発電事業の運営をすでに始めています。「三菱商事」は、この分野でノウハウを持つオランダの大手電力会社と提携し、事業に参入することになりました。
これらの動きは、ヨーロッパの企業と提携して現地での事業に乗り出し、そのノウハウを得ようという考えであろうと推察します。
発送電分離により、発電事業への新規参入の敷居が低くなることは必定でしょう。そのような中で、原発に頼らずに、太陽光発電など資源再生エネルギー分野への関心はもっと高くなってしかるべきです。
◆ あなたの年金が減額される!! 2013/01/27
年金財源が年々減少していることはご存知のことでしょう。しかし、すでに支給されている年金が、減額されることをご存知でしたか?
現在支給されている年金額は、消費者物価指数により変動する特例措置があります。平成25(2013)年度の年金の支給額は、2012年の全国の消費者物価指数が2011年と変わらなかったことから、2013年9月までは2012年度と同額に据え置かれます。
換言すると2013年10月からは、基礎年金、厚生年金ともに月額で1%、引き下げられることになります。基礎年金が満額を受け取っている人の場合、666円、厚生年金が夫婦2人の標準的な世帯で、2349円引き下げられます。
一方、物価の動向で変動する国民年金の保険料は、ことし4月から月額60円引き上げられ、1万5040円になります。
老後の生活も、金額が十分ではない年金ですが、受け取れる金額が変動するのでは安心して生活できませんね。
◆ IMFもアベノミクスを評価?? 2013/01/25
アベノミクスをマスコミや経済団体が高く評価していますが、一方で危ぶむ声も聞こえてきます。
そのような中で、IMF(国際通貨基金)のブランシャール調査局長は、政府と日銀が、2%の物価上昇率を目標に定めたことについて「歓迎する」と述べました。
しかし、財政出動による景気対策については、「国のGDPを上回る規模の債務を抱える国がしっかりした財政再建策がないまま赤字を拡大させるのは危険だ」と述べ、強い懸念も示しています。
IMFは、これに先立ちまして、最新の世界経済の見通しを公表しました。
ヨーロッパの信用不安が以前より和らぎ、徐々に上向いていくと指摘しています。
世界全体 3.5%
アメリカ 2.0%
ユーロ圏 -0.2%
日本 1.2%
中国 8.2%
中国が8%台を取り戻すという見方をしていますが、それが世界経済の牽引力に繋がるかどうかは不透明です。日本は、円安で貿易赤字幅をどれだけ縮小できるのか、円安によるLNGその他がどれだけ足を引っ張るのか、懸念材料がたくさんあります。
円安を歓迎している日本ですが、景気回復のために正しい政策をとった結果として為替相場が変動するならば適切といえますが・・・
◆ 若者と科学 2013/01/25
成人の日を中心に、いろいろな人が若い人、成人になった人達にいろいろな言葉を贈っていました。その中で、日本学術会議会の大西隆会長の言葉が印象的でしたので、その抜粋をご紹介します。
科学技術立国という言葉を聞いたことがありますか?天然資源や、国土の広さに恵まれない日本のような国は、教育に力を入れて、科学技術の分野で活躍する人を育て、足りないところを補うべきだという意味です。日本の名前が世界に知られているのは、電気製品や自動車等のメイド・イン・ジャパンの製品を通じてであるのは、皆さんも実感していると思います。こうした製品は、様々な科学の知識を、精密に応用して作り上げられたもので、性能が良く、耐久性が優れているので、世界の市場で通用してきました。
もちろん、人々は電気製品や自動車だけで生活しているのではありませんから、もっと様々な分野で科学が応用されることを待ち望んでいる人は沢山います。
さて、科学というと、もっとも印象に残る昨年のニュースは、山中伸弥先生のノーベル生理学・医学賞受賞だったのではないでしょうか?
皮膚の細胞からあらゆる組織や臓器に分化する「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作り出すことに世界に先駆けて成功したことが評価されたのですね。特に印象深く感じるのは、iPS細胞の開発が論文で発表されたのは2006年のことで、それ以来、iPS細胞を使った研究の発展が折に触れて紹介されるなど、リアルタイムで進んでいる研究が受賞対象となったことです。
私が、特に感銘を受けたのは、受賞直後のインタビューで、「ノーベル賞はこれで私にとって過去のことになりました。大切な場所に保管して、もう見ることもないと思います。一科学者としてこれから、すべきことを粛々とやっていきたい」とお答えになったことでした。偉大な業績を上げながらも、人の健康を守るために、やるべきことはまだまだあるという高い志を示されたことは、科学の無限ともいえる可能性や、人に役に立つ研究の重さを教えてくれたように思います。山中先生の優れた研究が刺激となって、皆さんの中から、自分も医学や科学の分野で人に役立つ研究を究めようという人が沢山出てくることを大いに期待したいです。
原子力を発電に利用するというのも、もちろん科学の成果なのですが、しかし、原子力が本来持っている危険性を抑えることができるという過信が、取り返しのつかない事故を招きました。
それは、科学者は単に自分の好奇心を満足させるために科学の探究しているのではなく、たとえ、出発点は好奇心であっても、特にその応用段階では人やその社会にどのように役に立つかを考えながら研究を進める必要があるからです。
それは体の部分が動かなくなった人に、ロボットをつけて、初めはロボットの力で、そこを動かしながら、やがて脳からの指令で、あたかもロボットを体の一部のように動かせるようにしようという研究でした。
【 コメント 】
「ノーベル賞はこれで私にとって過去のことになりました」という山中教授の言葉は印象的でした。常に前を向いている姿勢が、このような積極的な言葉として出てきたのですね。
◆ 中国の労働人口減少と日本企業の戦略 2013/01/21
中国国家統計局は、労働人口が減少していると発表しました。2012年末の時点での15歳から59歳までの労働人口が、前の年に比べて345万人減って、9億3727万人となりました。
一人っ子政策を数十年にわたって続けてきた結果だという説明です。
一人っ子政策をとりましたものの、二人目は処々で誕生してしまい、それが人身売買や親なし子に繋がっているということがいわれています。それが将来の社会不安に繋がる心配もあります。
また、日本にも観られますように、労働人口の減少は、今後の経済成長への影響が懸念されます。
このことから、一人っ子政策の見直しも俎上にあがるのではないでしょうか。
一方で、反日デモで大きな被害を受けた日本企業は、中国以外の国で生産を強化する動きは今後活発となるでしょう。
日本の企業がASEAN(東南アジア諸国連合)の加盟国の留学生を獲得しようという就職セミナーが東京で開かれました。タイやインドネシア、ミャンマーなどからの留学生およそ190人が集まりました。
タイのバンコクでは日本人商工会議所が就職説明会を開催したりしています。製造業やサービス業などおよそ70社の日系企業が参加しています。
日本企業のグローバル化へのスピードは高まるでしょうが、一方で日本国内の産業空洞化をどのように進めるかの二面性を考慮した、国としての戦略が求められます。
◆ LINEの普及と波紋 2013/01/20
韓国のIT企業「NHN」の日本法人が提供しているスマートフォン向けに開発された「LINE」をあなたもご利用かもしれません。
アプリケーションをダウンロードすれば、登録者同士は無料で通話やメールのやり取りができるので利用者は1億人を突破しました。2011年6月にサービスが開始されたばかりでの急増です。
利用者の中で日本人が圧倒的に多いですが、「LINE」を運営する「NHNジャパン」の森川亮社長は、今年は本格的なグローバル展開を目指すと公言しています。L
フェイスブックやツイッターのような世界的サービスに並ぶ可能性を秘めています。
無料であるために携帯電話会社の収入を圧迫することは必定でしょう。また、SNS的な利用者が多いですので、未成年者が犯罪に巻き込まれる危険もあります。
ICTは両刃の剣ですので、利用者が正しく利用することを願います。
◆ 振るわぬデパート業界の昨今 2013/01/19
専門店、コンビニ、スーパーなどに押されて、平成8年から売上高が減少傾向にあったデパート業界です。
日本百貨店協会のまとめによりますと、全国のデパート249店の去年1年間の売り上げは、合わせて6兆1453億円余りでした。前年同期比で0.3%の増加で、これはなんと16年ぶりにプラスに転じたことになります。
東京や大阪などの大型店で売り場の面積を増やす改装が相次ぎました。また、一部の消費者の間で高級時計や宝飾品などを購入する動きがいくぶん強まったこともあります。
東日本大震災のあとに消費が大きく落ち込んだ反動で衣料品の販売が回復したという要因もあります。
いずれの要因も特殊要因と考えられますので、デパート業界の凋落が底打ちしましたと楽観視はできそうもありません。
業界も「このところの株価の上昇などを受けて、消費が上向くことを期待したい」という見方で、アベノミクス頼みという感がします。
◆ コンピューターが小説を書く!? 2013/01/18
NHKの番組の中で、菊地夏也解説委員が、コンピューター作家の話をしていたのを興味深く聴きました。
星新一さん並みの、400字詰めの原稿用紙で10数枚程度の短い小説をコンピューターが書くというのです。
短い作品ですと、起承転結が明確で、最後にオチがついて終わるなど、小説のプロット、
構造が分かりやすいという特徴があり、それを利用するようです。
このプロジェクトに、人工知能の研究者や作家、それに星さんの遺族などが加わり、星さんの作品名にちなんで、「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」という名称がつけられているのもおもしろいですね。
作品が分析されますと、それに基づいて幾通りも文章を書かせ、文章の組み合わせを何度も試すなどして、小説としての面白さも高めていきます。
まだ、このシステムが完成しているわけではないのですが、4年後には完成、覆面作家として新人賞に応募することも検討しているそうです。
コンピューターによる小説といいますと、キャリアウーマンの恋と成功を題材としたハーレクインが話題となります。完全にコンピューターで作っているのかどうかの真偽の程は解りませんが、少しずつですがその様な時代に入ってきているのでしょうか。
データマイニングなど人工知能研究が進んできた今日、グーグルの検索エンジンでも利用されるようになり、従来型のSEO対策(検索エンジンの上位表示技術)では対応できなくなってきていますね。
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