藤沢周平の小説に「鷦鷯(ミソサザイ)」という作品があります。
この鳥さん、一度出会ってみたいと思っていました。
この日曜日は、水越峠から金剛山へ登ってみたのですが、
あともう少しで登りつめるという急登の登山道で
高音のきれいな鳴き声がするな~と思っていると、
少し先の階段上に黒っぽい小鳥が止まっていました。
カメラを向けるとすぐさま繁みに逃げられてしまいました。
「もしかすると、ミソサザイかもしれない。」
と、思ったのであります。
かろうじてシャッターをきったものの暗い林の中ですので
ぶれまくって、まともに撮れていません。
そうすると、なおさら「あれはミソサザイに違いない!」
と、思うのでありました。
(まだ見たこともないミソサザイなのでありますが。)
それからしばらくして、山頂付近のお寺の境内に入ると
やはり、高音のきれいな鳴き声が聞こえてきました。
先ほどとよく似ています。
境内の建物の軒先に見つけました。↓
高い声で囀っています。ミソサザイのようです!!
でも、できたら林の中でしっかりととらえてみたかったのですが。
標高1000メートルでもこの日は29度もありました。
暑い山歩きでありましたね。
鳥さんの鳴き声はさすがに色々聞こえてくるものの、
なかなか姿を見せる程度には飛んできません。
羽曳野丘陵は黄色くもやっています。黄砂でしょうか。↓
こちらは、葛城山を眺望。↓
ブナの緑がきれいです。 ↓
それでもようやく見つけたブナの木の高いところの大柄な鳥が
何だろうと思いつつシャッターを押してみたのですが、
どうやら、カケスさんのようでありました。
かくして、鳥見の成果はもう一つやなと思いながら、
下山する折、また同じところで、あの高音の鳴き声が
してきました。足を止めてじっとしていると、
うまいこと、姿を見せてくれましたが、またまた瞬間でありました。
暗い中でシャッターが間に合いません。残念であります。
しばらく待ってみたものの、鳴き声は遠のいていってしまいました。
自宅へ戻って、藤沢周平の作品をちょっと見直してみました。
「鷦鷯は、いまごろは家の回りにいるが、
青葉の季節になると山に戻って巣をつくり、
卵を産む。それで声もきれいになるのよ」
という下りがありましたね。
あれは、やっぱりミソサザイだったに違いありません。
そうすると、林の中でうまく撮れなかったのが
いっそう残念に思えてしまったのであります。
(そうそう、カケスさんの方だってもっと
しっかりした姿、今度はとらえてみたいですね。)