ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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オンライ講座終了しました

2015-03-14 10:36:19 | 健康・医療
以前書きましたように、MOOC(大規模公開オンライン講座)の中の「よくわかるiPS細胞」という講座の受講が終了しました。本来4週間で終了するものですが、この講座がそろそろ終わりになる(閉講しても見ることはできます)ようなので、少し急いで受講しました。一つの講義が10分程度ですので、一週間分を2日ぐらいで勉強することもできます。

まずこの講座を受講してよかった点は、山中先生はどういう発想からiPS細胞の作製に取り組まれたのかという疑問が解決しました。私なりにまとめると、一つはすべての細胞は分化が進んでも完全な遺伝子情報を持っているということです。これはおたまじゃくしの腸からとった遺伝子を、卵の遺伝子と置き換えても完全なおたまじゃくしが生まれることや、いわゆるクローン羊の誕生などで確かめられました。次がES細胞の発見ですが、これは胚から取り出した分化前の細胞ですので、万能性を持っているわけですが、マウスの細胞でできてからヒトの細胞で成功するまで20年かかったようです。つまり動物細胞培養技術が、しっかり確立できたということになります。最後が、皮膚からとった細胞に、筋肉細胞でよく発現している遺伝子を導入してやると、筋肉細胞に代わるという発見があったようです。こういった背景から山中先生は、分化した細胞にES細胞でよく発現している遺伝子を入れてやれば、初期化できるのではという発想が出たようです。

また前にも書きましたが、ディスカッションという部分も非常に有効でした。私がここに質問を書いたのは、もう講座が終わるころでしたが、スタッフの方から丁寧な返答を書いてもらい、疑問を解消することもできました。

しかしiPS細胞の可能性・応用研究の紹介が多すぎたような気もします。確かに再生医療などにどう利用するかなどは、本当に重要な課題であり、現在どのような研究が進んでいるかも興味がありますが、あくまでも可能性ですので、簡単に流してもよいような気がします。
また特許の問題や倫理的な面などにかなりの時間を割いていましたが、iPS細胞を理解する上ではそれほど詳しくなくても良いような気もしました。

全体を通しては、かなり良い内容で、わかりやすくするための工夫などもよくできていると感じました。iPS細胞がどの程度再生医療などに使えるのか、まだまだの感じはありますが、遺伝子が関与する希少な難病などには、希望の光が見えたような気がします。

次に何を受講するかは、まだ探している段階ですが、自分の都合に合わせて受講できる点は大きなメリットですので、今度は専門分野外の内容でもと考えています。