ごっとさんのブログ

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人は何時間寝るべきか

2018-05-29 10:42:19 | 自然
人にとって十分な睡眠時間とは、日中にたまった疲労や心身のダメージを回復するのに必要な睡眠時間です。

これを「必要睡眠時間」と呼びますが、これには大きな個人差があるため、「何時間以上」という一般的な基準がないというのが科学的に正しい回答のようです。

ですからタイトルの「人は何時間寝るべきか」という問いは、何となく興味はあり知りたいが、実際には答えはないようなものであり、個人が普通に暮らしている睡眠時間がその人の良い睡眠時間と言えるのかもしれません。

ある研究グループが、健康な20代の若者十数名の必要睡眠時間を調査した結果が出ていました。これによると7時間余りの短めで十分な人から、9時間を大きく上回る長めの睡眠が必要な人まで2時間以上の個人差が出ていました。これも人数を増やして調べれば、もっと個人差は広がる可能性が高いとしています。

一つの目安としては、20代の必要睡眠時間は平均8時間30分前後で年齢とともに徐々に短くなるようです。高齢者で必要睡眠時間を策定した研究はありませんが、70代では7時間弱まで短くなると予想されています。こう書くと私が感じている睡眠時間よりかなり長いような気がしますが、必要睡眠時間というものは実感と違っているようです。

これとは別に標準睡眠時間というデータもあり、これは健康な人が実生活で眠っている時間のことです。これまで「健康な人」の標準睡眠時間は20代で約7時間半、70代では6時間弱とされており、必要睡眠時間より1時間ほど短くなっています。

これは疫学調査などで算出したものではなく、被験者を検査室で寝かせて測定したもののようです。測定期間も2,3日程度で、その人が本当に必要とする睡眠時間を測定できているわけではないようです。このようにほとんどの人が必要睡眠時間を取っていないことは、短期的には全く問題は起きないのですが、わずかな睡眠不足が積み重ねられていることは確かなようです。

よく言われることですが、こういった睡眠不足が生活習慣病やうつ病、認知症などのリスクを高めていることも明らかになっているようです。

経済協力開発機構(OECD)が実施した調査では、加盟各国の平均睡眠時間は8時間25分でした。この調査は15歳から64歳までの働く世代が回答しています。20代以後の睡眠時間が短くなる世代を含めても、8時間半近く睡眠をとっていることになります。

一方日本人の睡眠時間は7時間22分(2016年)であり、加盟国中最短となっています。ちなみにアメリカ、フランスなどの先進諸国の睡眠時間は、OECDの平均より長くなっています。この辺の数字を見ても長いと感じる私は、典型的な日本人なのかもしれません。