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羅生門考

2008-12-10 14:41:37 | 学問
「お風呂で読める本」、というのがある。
ポリ塩化ビニル製だから、濡れた手で触ることはもちろん、湯舟に浸けても No Damage!
スグレモノです。


僕が買ってきたわけじゃないけど、
わが家のバスルームに、この「お風呂で読める本」が置いてある。
こないだ、何の気なしに、『羅生門・蜘蛛の糸/芥川龍之介』を読んでみた。


羅生門・蜘蛛の糸 (お風呂で読む文庫  4) 羅生門・蜘蛛の糸 (お風呂で読む文庫 4)

 芥川 龍之介
 価格:¥ 1,050(税込)
 発売日:2004-09-01


『羅生門』を初めて読んだのは何歳だったろうか?
中学時代だと思うけど、当時、何の感想もわかなかった。
ただ、情景や人物の描写がおどろおどろしく、わけもなくビビった。


その後、何度かこの『羅生門』を読んだけど、僕にはイマイチ良さがわかんない。
『羅生門』については数多くの評論が時代を超えてされていて、
その賛美を否定するつもりはないけど、僕にはピンとこないな。
アラフォーになった今もそうだ。

ただ視点をかえれば、文章日本語がまだ未成熟だった龍之介の時代に、
現代人の僕でも理解できる文章で書かれていることには驚かされる。
しかしこの文章力も、文壇の先輩である夏目漱石、正岡子規、森鴎外ら遺産を受け継いでのことだと思う。


もしかしたら、最初に読んだときに何となく感じた
「おどろおどろしさ」がこの作品の本質かもしれない。


P.S. この「お風呂で読める本」シリーズはオススメ。
烏の行水派の僕ですら、30分くらいは平気で入浴できちゃう。