内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

休暇最後の一日 ― 初雪、雪中泳、幻の雪見酒

2021-01-03 15:57:56 | 雑感

 今日は早朝から小雪が降っていました。昨年十一月以降、ノエルの前後にも、市内ではまったく雪が降らなかったはずですから、そうだとすれば今日の雪がストラスブールでのこの冬の初雪になります。近所では、畑地など土がむき出しになっているところや草木は薄っすらと雪に覆われていましたが、昼前には降り止み、午後にはあらかた雪は消えてしまいました。
 日曜日、プールは八時開始で、すでに空は白み始めています。背泳ぎをしているとき、顔の上に小さな雪片が触れるのが感じられましたが、水温が三十度とやや高めに設定してあるので、一度水の中に入ってしまえば寒さは感じません。このノエルの休暇中は、遠出を控えた人も、故郷に帰ることを諦めた人(私もその一人)もいたからでしょうか、プールに来る人も結構多くて、混雑というほどではありませんが、前後の間隔に多少気を使わなくてはなりません。幸い、私がいつも泳いでいるコースで泳ぐ常連さんたちは皆お互いのペースを心得ていて、気持ちよく泳げます。
 朝方の雪を見て、今夕は早めの雪見酒と洒落込もうと企んでいたのですが、それは叶わぬ夢と儚く消えてしまいました。しかし、酒を飲みたるものは、そこに酒があるから飲むのでありますから、雪はなくとも、あるいは他にまったく理由がなくても、やはり飲むのであります。この三が日、ちょっと贅沢をして、近所のワイン・カーヴお薦めの日本酒を飲んでおります。ストラスブールでも美味しい日本酒が飲めるようになったことを言祝ぐこの正月ではありました。
 角川書店編『俳句歳時記 冬』(第五版 角川ソフィア文庫 二〇一八年)の中の「雪見」の項に小笠原和夫の次の一句がありました。

やがてまた雪の降り出す雪見酒