一昨日の丸一日と昨日の午前中に亘る法政大学哲学科の19名の学生と弊学科修士一年の19名の学生との合同ゼミがストラスブール大学の中央キャンパスのある教室で行われた。
昨年9月からの月一回の遠隔合同授業や日仏学生間のZOOM・LINE・DISCORD等による随時のコミュニケーション等を通じて五ヶ月準備を重ねてきたプログラムの仕上げとしてのこの二日間の学生たちのプレゼンテーションとディスカッションは、全体として、私がこのプログラムを担当してきた十年間の中で、最高の出来であったと思う。今回初めて導入したミニ・グループ・システムもおおむねよく機能した。
昨晩、法政大学の学生たちとのストラスブールのレストランでの夕食時、今回の合同ゼミについて一人一人に感想と意見を聴いて回った。そのときに彼女たち・彼らたちが率直に話してくれたことは、今後プログラムをさらに充実した実りあるものにしていくために本当に有益な示唆に満ちていた。ありがとう。
参加したすべての学生たちにとって、おそらくは日本にもフランスにも他に例のないこのプログラムが、単に今後の学業にとってだけではなく、大げさではなく、今後の人生にとって貴重な経験であることを心から私は願う。
とはいえ、財政上・行政上の問題も多々あり、世界的に見ても稀有なこのプログラムが来年度以降も継続されるかどうかは自明ではない。確かに、このようなプログラムは、担当教員だけでなく、事務方にも多大の負担を強いる。「無理して続けることもないのではないか。やめたければやめれば」という声も日本側にはあると聞く。それは理解できなくはない。
それでも私は声を大にして言いたい。このプログラムは、異文化コミュニケーションのあるべき一つの形を実現してきたのであり、その一つのモデルとして高らかに掲げるに値する、と。