フロイトの『夢解釈』(邦訳は『夢判断』)の初版が刊行された1900年から百年前 、ヨーロッパの学者たちはすでに夢に強い関心をもっていた。
夢は「人格のもっとも密やかな中心」( « le centre le plus secret de la personnalité », Histoire de la vie privée, sous la direction de Philippe Ariès et Georges Duby, 4. De la Révolution à la Grande Guerre, volume dirigé par Michelle Perrot, Editions du Seuil, « Points Histoire », 1999, 1re édition, 1987, p. 435)に関わり、その中心は昼間の目覚めた生活がもたらす何重もの覆いの下に隠されている。そう考えられていた。
19世紀最初の三十年間ほどは、魂が睡眠中にどのような状態にあるかという問いをめぐっていくつかの立場に分かれた。
メーヌ・ド・ビランは、睡眠中には魂もまた眠ると考えた。ジョフロアという学者は、逆に、魂は睡眠中に目覚めるという立場を取った。レリュという学者は、魂は睡眠中休息すると主張した。ロマン主義者たちにとっては、夢は魂にとってその真正な復活であった。夢は深層存在の言葉にほかならなかった。
魂の存在が信じられなくなったとき、その当然の帰結として、これらすべての夢理論はその根拠を失った。
私個人としては、ロマン主義者たちの立場にいまだに「ロマン」を感じる一方、自己と非自己という生物学・生理学のレベルでの分節化が曖昧になる生命の次元が存在することの指標が夢なのではないかと考えてもいる。