この四半世紀、健康診断を除けば、ほとんど医者にかかったこともなく、病院の世話になったこともない私は、自分の体がどうなっているのか実はよくわかっていない。
先月、数年ぶりの「大病」で一週間苦しんだことはこのブログでも何回か「実況中継」した。そのせいで体の中に何らかの変化があったことはまちがいなく、以前にはなかった心肺機能の不調が続いている。
昨日も、一キロも走ると喉が締め付けられるように苦しくなり、とても走り続けることができない。数百メートル歩きながら、その締め付けられる感じが消えるのを待つ。そして、また走り出す。だがやはり一キロ余り走ると苦しくなる。その繰り返しだった。
それだけではなく、自転車に乗っていてもわずかだが息苦しさを感じることもある。これも以前にはまったくなかったことだ。机に向かって座っているだけなのに、あるいは布団に横になっているのに、心臓が押さえつけられるように感じることもある。いずれも日常生活に支障をきたすほどの苦しさではないが、以前と自分の体が変わってしまったとは感じる。
今朝も自転車で大学に出向くとき、ちょっと呼吸が苦しくなった。大学に着いてすぐに何の違和感もなくなった。昼食は、昨春からサバティカルでストラスブールに滞在中の日本人の先生のご自宅に学科長とともに招待された。三時間ほど歓談した。その間ワインも飲んだ。白赤合わせてボトル一本分くらい。ほろ酔い気分で帰宅した。
日没まではまだニ時間ほどあるし、体調にも問題なさそうので、ジョギングすることにした。ただ、アルコールが入った状態で運動することが体にいいはずはなく、ちょっとでも苦しくなったらさっさと切り上げるつもりだった。
ところが、である。なんか調子がいいのである。全然呼吸が苦しくならないどころか、いつもよりペースを上げてもまったく平気なのである。体も軽い。「あれぇ。これって、どういうこと?」と半信半疑で走り続け、結果、一時間で十キロ休みなしに走れた。
なぜなのだろう。適度なアルコールのおかげで血液循環がよくなり、心肺に十分な酸素が供給されたからだろうか。これからは一杯引っ掛けてからジョギングしようなどという馬鹿げた結論を今日一日の結果から引き出すつもりは毛頭ないが、一月の病気以前の調子で気持ちよく走れたことは事実である。前日にアルコールを控えた昨日はあんなに調子悪かったのに……。いったいどうなっているのだろう、私の体。
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