国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

3カードモンテ(続々々々々々々々々々々々々)

2006-04-22 00:48:22 | 3カードモンテ
【はじめに】
以下の作品はモンテ風ワイルドカードと言える作品群である。ワイルドカードとは、何枚かのカードの中に一枚だけ違うカード(ワイルドカード=鬼札)があり、その一枚に他のカードが変化していくというパケットマジック(数枚のカードを用いるカードマジック)である。

一枚だけ違うカードが存在することと、観客の予想外のことがおきていくという現象との相性がいいせいか、ワイルドカード現象とモンテの複合作品は多いような気がする。以前紹介した作品の中にも「3枚版のワイルドカード」と言う表現がされている作品もある(表紙には書いていないので具体的作品名は一応避けます)。

今回は、そんな作品の中でも当てものとしてのモンテと変化現象としてのワイルドカードとの融合をいかなる演出で行っているかを中心に紹介したいと思う。むろん、商品紹介もしますが。

3カードモンテとは言い切れない作品ばかりですが、名作ぞろいですし、ここで紹介したいわけです。

なお、以下の作品とほぼ同様の作品でワイルドカードとしての面を中心にしたものもあるが、モンテの要素が少ないので、今回は割愛する。

【GYPSY CURSE】
ピーター・ケン作。マジックハウスで購入。二川滋夫訳。CURSEは「呪い; 呪いことば」という意味。旅芸人が、ジプシーの老婆を相手にモンテをやり、ジプシーの老婆から銀貨を奪うが、老婆の呪いによって復讐されてしまうというストーリー。 つまり、旅芸人(ギャンブラー=いかさまを用いる人=テクニックを用いる人)VSジプシー(呪い師)という設定なので、テクニックVS魔法といった演出になる。

途中でコインを置くところが、賭けという現象にリアリティを与えるという点でいい演出かもしれない。

また、呪いの結果として変化現象(ちなみに画期的ディスプレイで見せられる)というのは、変化する理由としてよい。呪いなんだから、意外な現象の理由付けもそれ以上いらないもんね。

カードは古いタロットカード風で雰囲気もよい。

ただし、日本人にはカードが大きいような気がする。ある技法がやりにくいっす。


【ジプシーカード】
GYPSY CURSEのバリエーション。解説高木重朗。マジックランド製。復讐譚としてではなく、幸福を運ぶ占い師としてのジプシーの老婆が出てくる。カードの配置も面白く、3枚を机に置くときはこのレイアウトをとることが増えてきたかも。やはり、ちょっとしたことで雰囲気って変わるもんですね。

カードは古いタロットカード風だが、さすが国産、大きめとはいえ、日本人でも使える大きさ。


【幸運の女神・物語り】
新・箱根クロースアップ祭(第14回)のおみやげらしい。マジックランドさんのご厚意で手順書は入手した。もう発売されているかも。

手順はかなり凝っている。特にいいなと思ったのは、一枚だけ違うカードに関する演出。もし、自分がモンテのマジックを作る(←爆弾発言)なら、先のコインと、このカードの処理は利用したいと思う。クライマックスにいきなりいかないあたりもよい。せっかくクライマックスがよいんだから、多少は長めにやりたいですしね。

演出は占いがテーマ。幸運の女神を探しているうちにクライマックスへいくという流れ。

カードは、古いタロットカード風なのは当然として、角が実際のタロットカードっぽい加工がなされていた。




全作品にいえることだが、古風なタロットカード風のおかげで演出がしやすい。また、最後の画期的なディスプレイも大き目のカードだから効果が増す。普通のポーカーサイズでやるには、惜しい作品だと思う。

この作品をただのワイルドカードのバリエーションとしてしまうと、はじめにワイルドカード(鬼札)が消えてしまうという現象があるので、不自然であろう。むろん、普及させるためやら、手軽に扱えるなどの利点があることは承知しているんだが…。


(一部4月22日加筆修正)

・・・・・・・・・・・以下は4月14日と同内容・・・・・・・・・・・・・
【カードスルーカード】
岸本道明考案。トリックスで購入(のはず)。正確には3カードモンテじゃないが、「ちょっとした目の検査を」で始まるあたり、モンテの一種と言い張れぬこともないと思われる。カードの構成は商品によって違うと思うが、おいらの持っているのだと、こんな感じになる。

2枚の同じ数字の字札の間に(目で見てはっきりとわかる形で)一枚の絵札をさしこむが、一番下から出てきてしまう。絵札を裏返して同様にやっても一番下から出てくる。しかし、裏返したはずの絵札は同じ数字の字札に変化してしまっている。

一見、有名なカードマジックにも似ているが、意外なクライマックスで驚かせる。合理的な手順のいいマジックです。

・・・・・・・・・・・・・以下、・・・・・・・・・・・・・・・
【THREE ACE MONTE PLUS】
Houdini's Magic製。ビデオ付。マーカテンドー師のところで扱っていたらしい。トリックスで購入。3枚のエースを使ったモンテで、私にとってギミックありの3カードモンテの基礎を作ってくれた作品である。なんで今まで紹介していなかったかというと、部屋のどこにあるかが分からなかったからである。つか、紹介していないよな、これ。最近、脳年齢がえらいこちょになっとるばい。閑話休題。なお、この製品の特長は、ビデオによる丁寧な解説(ちなみに英語だが、わからなくてもなんとかなった)と楽しめる手順はもちろん、ギミックカードの裏である。これが実演者にとってほんと便利。



コメント
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