旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

《手造の旅》あなたの知らない京都 一日目

2018-03-20 12:35:25 | 国内
午前十時に京都駅に集合し、そのまま「お香」のお店に直行。
「聞香(もんこう)」を体験した↓

※こちらから様子を見ていただけます

一時間ほど雅な香りの時間を楽しんでから昼食へ。五条の鴨川近くにある人気店「半兵衛麩」。予約がとれてよかった。
麩というのは食事の主役にはならない食材だが、どの器にも上手に生かされている↓


初代半兵衛からの復刻系図が展示してあった。幼くして父と死別し、母方の親戚に育てられ、御所に務めて警護し食事をつくる役の一人として麩の作り方を習い、創業したとあった。没年は元文元年(1736)。

昼食後、京阪電車で北上し、下賀茂神社近くで歩いて鴨川を渡る。ここまで来ると大文字の山も見える

あまり観光客が訪れない商店街通り


御苑へ、北東の方向から近づく。
北東は鬼門にあたるので御苑の形も少し欠けてつくってある。近くに厄難が去るように、「猿」を社の北東方向に置いた神社がある↓

あ、いた↓


御苑はもともと天皇陛下が住む御所があった場所。
現在も、京都御所、仙洞御所、大宮御所、三つが残されている。

そこに平成十七年、外国からの賓客をもてなすための「京都迎賓館」が建設された。
内部、ちょっとご覧いただきましょう。日本には珍しく内部の撮影もOK(^.^)

入場は整理券を必要とする。突然来ても入れません↓


一見現代風だが、細部には現代の名工の技が集積されている。最初の扉の持ち手から↓
椅子のデザインもおもしろい小テーブルの台座にさりげなく螺鈿の細工
廊下のライト、シンプルでほどよく暗い↓

西欧風の会食・会議室↓「藤の間」





確かにすばらしい細工なのだが、正直に言っていまひとつ美しくみえてこない…
賓客こそが主役で、我々下々が入る時には柵で仕切ってばかりあるからだろうか。
どんなに美しいモノでも、見せられる環境が悪ければ心に響きはしない。
「手を触れないように」は分かるが、えんぴつでメモをとることさえも禁止されているのには納得できなかった。

●和風の座敷↓「桐の間」↓

部屋としてはここが迎賓館の奥座敷。五十六畳に二十六席が用意されている。
十二メートルの漆塗りテーブルは一点の曇りもない。
壁は京土壁。今では入手困難なホンモノにこだわり、出土した古い土壁を再利用しているのだそうだ。
座椅子の背には桐の漆細工↓


迎賓館はそれでも海外からの賓客のためによく出来た空間になっている。
それは、この日本庭園の圧倒的な存在感による↓

雨の落ちる池に突き出した円柱は、秀吉の時代に五条大橋を支えていた石の柱なのだそうだ。
この柱や、その周囲に配置された長い石は、かつてまったく別の場所にあったものを庭師が再利用している。

↓石柱の逆側に「天正十七年」の文字が見える↓

翌年に「小田原征伐」を遂行する、秀吉のまさに全盛時代。
調べてみると、秀吉が建造した「五条橋」は現在の五条大橋よりもひとつ北の松原橋の場所にあった。
※こちらにもうすこし書きました


小舟で往来することもできる。この船を最初につかったのは、ブータンのワンチュク国王夫妻だったそうだ↓


橋を渡る

四隅にあるちょっとした意匠↓


***
御苑を出てすぐ東に「梨の木神社」という三条実美親子を祀った神社があって、その境内にマンションが建ってしまったのだときいた。
「マンションができたので、一の鳥居からは神社に入れなくなってしまったんですぅ」と説明されたのだが、
実際に目で見るまで、何がどんなふうになっているのか想像できなかった。それが、これ↓

↑写真の右端の部分、木陰に一の鳥居が見える↑
↓正面から見ると、こんな↓

え?これは想像を絶した場所に建てられている。
一の鳥居から二の鳥居への参道を遮断する位置にあるのだ。

参道を歩けないのでマンションに沿って歩いていくと二の鳥居がこんなふうに見えてくる↓

六十年の借地権なのだそうだが、三条さんもびっくりされていることでしょう。

****
夕食までまだ少し時間がある。
お茶の老舗に立ち寄った↓

良いお茶は熱湯でいれてはダメだときかされていたが、出してくださったお茶はほんとうにぬるく、そしてとても甘味があった。
「水出しの方が色がかわらなくて甘みもあってよいぐらいですぅ」とのこと。
今年の夏はやってみよう。
*****

夕食は「京都の野菜」を上手に使った若いオーナシェフがやっているお店へ↓

アミューズ(チーズのシュー、パイナップル、青海苔のフラン)

↓天然鯛のコンソメ仕立て季節の菜園野菜↓

★サーモンと鯛の炙りカルパッチョ、園部の農園地場野菜サラダ↓

味わいは視覚によっても大きく左右される。2012年に※スイスの山の中のレストランで出会ったサラダを思い出した
この時の花は蜂蜜でお皿にくっつけられてたっけ


園部野菜の温製ポタージュスープと豆乳フラン二層仕立て↓

園部は奥様の実家で、こちらから美味しいけれど形がよくなくて売りにくい野菜などを入手されているのだそうだ(^.^)

魚のメイン 
 
小松はホタテのグリル香草パン粉焼きました(^.^)

肉のメインチョイスは
牛フィレ、鴨の低温ロースト、和牛のいちぼグリル、鹿もも肉赤ワイン煮、鹿肉ロース

全部写真撮れておりません

口直し

デザートも目を楽しませてくれる↓




20時過ぎて、ホテル到着となりました。

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