今は過去となった2001年が舞台
過疎となった多摩ニュータウンと思しきところで
ふとしたきっかけから
小学校の校庭に埋めたタイムカプセルをあける
ために同窓会がひらかれた
夜空ノムコウという曲があり、その歌詞に
「あのころの未来にぼくらは立っているのかなぁ
全てが思うほどうまくはいかないみたいだ」
とある
70年代は大阪万博、その象徴は「太陽の塔」
21世紀になった今、太陽の塔は永久保存され
何もなくなった万博の跡地にポツンと立っている
太陽の塔には顔が3つある
背面に黒い「過去の顔」
正面中段に「現在の顔」
塔の頂上に「未来の顔」
岡本太郎は「未来の顔」を金色の丸顔と表現したが
「現在の顔」は苦痛に歪んでいるかのように見える
いつの時代も「輝く未来」は「苦しい現実」になるのだろうか
人類の進歩と調和、そう唱えてから40年前経った
パソコン・インターネット・電気自動車・・・・・
画期的な発明は人類を進歩させたのだろう
ただ、それで幸せになったという実感がないのは
どういうことだろう
久しぶりに高さ65mの巨大なオブジェが見たくなった
少々ブログの更新をさぼっている間にも本は読み続けている
すっかりBOの100円コーナー専門ではあるが・・・
この間、はまっていたのが今をときめく奥田英朗
たまたま手に取った「東京物語」が面白かったことから
その名も知らぬまま「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」と
怪医伊良部先生のシリーズに進んだ
また、「港町食堂」など軽いものまでかばんに入れていたし
山本一力も続けている
その中で読了したのが西加奈子の「さくら」で、これはなんだか
最後まで一気に読んでしまった
非常に印象に残る小説だった
脚本家山田太一の「見えない暗闇」も読了
「異人たちの夏」以来、氏の作品はもともと大好きで見つけては
読んでいた
日々、糊口の要からヒトをだまし、ヒトに媚びて、モノを売りつけ
ていく仕事には閉口するばかりで、本のすきまに逃げ込んでいる
ときだけが自分を取り戻せる時間だ