アンプの改造が一段落したところで、またレコード漁りや盤の違いによる音質比較をやっています。
グレードアップしたシステムで色々と比較すると、こんな音だったかなぁと思ったり、音源による音質差が以前よりもハッキリと現れる様になりました。
以前に比べると、音数も増えて今迄埋もれていた細かい音も聴こえ、音空間(音場)が立体的になっています。システムのグレードアップで耳も鍛えられたかも知れません。(この歳で?)
同じタイトルのLPレコードでも製造国やレーベル違いの物を何枚か持っており、それらを比較試聴していますが、今回は意外と良いなと思った日本グラモフォン盤にフォーカスしてみました。
日本グラモフォンのレコードが音が良いことはネット上の噂では知っていたのですが、洋楽の日本盤はどうせ駄目だろうとハナから毛嫌いして実際には聴いたことがありませんでした。
ところが、最近偶々近所の中古店にて安価で日本グラモフォン製を見つけたので、試しに購入して聴いてみたら、これがなかなか悪くは無かった。
同じタイトルでUK、US盤と聴き比べると、やはりUK盤よりは劣りますが、US盤よりは音が分厚くて太い。これは好みかも。
日本ポリドール、日本WBP(ワーナーパイオニア)盤と比べると、断然良い。何が違うのだろう?
マスタリング?、カッティングマシン? カッティング・エンジニア? プレス機? グラモフォンだから?
今回、比較したレコードは、これです。英国のロックです。
<LED ZEPPLIN Ⅲ>
ジャケットはからくりジャケットです。中の円盤が回ります。近所の中古店にて購入。
日本のワーナー・ブラザース・パイオニア盤(P-6518)やUSワーナー盤(SD7201)も持っていますが、日本WBは音がスカスカで薄っぺらく、平べったくて音場がありません。US盤はそれよりも少しは鮮度が良いですが、これも音がスカスカ。
一方、今回の日本グラモフォン盤(MT2043)は少し籠り気味ではありますが、音に厚みがあり太い音です。
盤面のRUN OUT部分(無音部)を比べると、日本WB盤は狭く、USワーナー盤は広く、グラモフォン盤はその中間程度。
ということは、メタル・マザー自体が違ってそう。送られてきたマザー・テープを元にカッティングしたのかな?
残念ながらUK盤については、LED ZEPPLINのⅠ、Ⅱ、Ⅳは持っているのですが、Ⅲは高価で購入出来ていませんのでわかりません。
そして
<Goodbye / Cream>
これはUKオリジナル盤(583 053)を持っているので、それとの比較。これも近所の中古店で購入。
日本グラモフォン盤だけを聴くとこれはこれで良いのですが、UKオリジナル盤を聴いてしまうと日本盤はもう聴く気になれません。臨場感と言うか鮮度が全く違います。雲泥の差です。
日本盤は、壁の向こう、いや海を隔て本国から遠く離れたところで聴いている様です。
盤面をよく見ると、RUN OUT部分の幅が違うので、これもマスターテープからカッティングし直したのでしょうかね。
次に
<Wheels of fire / Cream>
調子に乗って、これも初版日本グラモフォン盤(スタジオ盤MP-1416(銀ジャケ)/ライブ盤MP-1417(金ジャケ))をオクで買ってみました。
実際に届いたレコードを聴いて、ガッカリです。大失敗。そりゃあ、2nd以降のポリドール盤よりは良いかも知れませんが、手持ちUSオリジナル(ATCO)盤を比べると音の鮮度、音抜けが全く違います。これも壁2枚挟んで聴いている感じです。US 2nd Press盤(RSO)よりも劣ります。
ただ、ライブ盤のほう(写真手前)は日本グラモフォン・オリジナルの金ジャケット仕様なので、これはこれで価値がありそうです。
さらにさらに
<Disraeli Gears / Cream>
このアルバムがクリームの日本で最初にリリースされたアルバムらしい(1968年発売)。本国ではフレッシュ・クリームがデビューアルバム。
有名な"Sunshine of your love"を収録。
これも日本グラモフォン初版(SLPM-1390)をオクで購入しました。
因みに、このグラモフォン盤は型番が"SLPM-1390"→"SMP-1390"→"MP-1390"となって行くらしい。"MP-2241"はポリドール盤(1972年)。
このレコードはオリジナルを持ち合わせていないので比較できませんが、CDと比較試聴した感じでは、やはり籠り気味です。この日本盤ではレコードで聴く価値があまり無さそうです。
しかし、日本初版は日本独自のペラ・ジャケット、コーティング仕様です。ジャケットだけは良さそなので、壁に飾っておこうかな。
オリジナルのReaction盤が欲しいけど、お高い。。。
という事で、この数枚を聴いた限りでは、いくら日本の初版でも本国のオリジナル盤には音質では敵わないという事がわかりました。オリジナルのUK盤が鮮度、音抜けが良く、購入して間違いなさそうです。
しかし、オリジナルUK盤は10k越えが多いので財布には厳しい。それに対し日本グラモフォン盤は財布に優しいです。
それと、日本盤は扱いが丁寧なので概して盤面が綺麗なものが多いです。US盤は大体酷い。UK盤はまあまあ。
(お断り)
これらは、部分的評価での私個人の見解なので、全てがそうとは限りません。自分で実際に比較してみるのが一番良いと思います。
そういえば、クラプトンのクリーム時代の未発表ライブ4枚組のCDが3月6日に発売されましたね。
私も数週間前から注文しているのですが、まだ手元に届きません。おそらく人気が高いのでしょう。しかも限定版。Amazonのレビューでも評判上々です。早く聴きたい~。