お盆休みに本宅に帰った時にレコードプレイヤーを持って帰った。
日本に戻ったら使ってみようと、以前から気になっていた。
本宅の古いオーディオ機器はかなり処分しているが、このプレーヤーとボーズ901だけは残していた。
廃棄処分したオーディオ機器のなかには、ナカミチのカセットデッキ、DENONの無帰還200Wアンプなどもある。
このプレーヤーはDENON製のDP-1200である。
セミオートになっていて、再生を始めるときはピックアップをレコードの再生したい位置まで運び、レバーでピックを降ろすと電源が入り再生が始まる。再生が終わると自動的にピックアップが上昇して電源が切れる。モーターはダイレクトドライブ。
おそらく今から35年くらい前に購入したものだ。私が大学生時代に購入して、CDなんて物も未だ無い頃によく使っていた。それから私も社会人になり引越し、その数年後にCDなるものが登場して流れにのり購入。CD購入後はすっかりとお蔵入りとなっていた。当然、それまでに購入したレコード(LP,EP)も出番が無くなっていた。
しかし最近、またアナログの良さが見直され?(デジタルの音に飽きたのかな?)、レコードプレーヤーが話題で売れるようになっていると雑誌等で見かける様になり、私もまたレコードの音が聴きたくなった。
本題に戻り、本宅で取りあえず動作確認をしてみる。やっぱり問題がある。
①セミオートのアームを降ろすとすぐにリジェクトされて戻ってしまう。コレじゃあ聴けない。
②回転が安定しない。遅くなったり、すぐに高速回転になってしまう。どうしようもなく速い。
取りあえず、今住んでいるマンションまで持ち帰り修理することに。盆休みの渋滞もあり車で12時間の移動。
数日後、念のためにもう一度症状を確認したのち、Webでの修理記事を参考にしながら、問題箇所の目星をつけ、
①電解コンデンサの総入れ替え(電解コンデンサの容量抜けの可能性)
②トランジスタの交換
をすることにした。
週末に秋葉原に行って部品を購入。
②のトランジスタは、2SC458は2SC1815の代替が、2SA673は2SA1015の代替が手持ちで有ったので、それを使うことに。2SD667は流石に手持ちが無かったので買うことに。取り扱いは若松だけ。
そして交換開始!交換箇所と交換後の様子。
アームセンサー部
拡大(交換前)
さらに拡大(交換前) 2SC458は最近は見かけないパッケージ?。C458印字面から見て、左からB,C,Eとなってる。
電解コンデンサのみ交換。 なぜか無極性コンデンサだけが手持ちのニチコンESシリーズ(買い忘れ)。
このトランジスタ2SC458は寿命が来るとノイズを発生するという評判のものらしい。
なるほど、それでアーム・センサーがノイズで異常動作するのもなんとなく納得できる。
交換前のトランジスタの足は真っ黒だ。リードの素材の良くない?
2SC458は左からB,C,E、2SC1815は左からE,C,B。間違えない様に。
トランジスタ交換後はセミオート動作はバッチリ治った。
しかし、高速回転は改善しない。
そこで、今度はICを疑った。
この製品にはICが一個だけ使われている。TCA955。
このICを調べてみると、Speed Control ICだ。やっぱり、コイツかぁ。
それにしても、このICは、シーメンス製で結構珍しい。取り扱いはやはり若松だけだった。
それで週末、また秋葉原へ。
ついでにドライブ用トランジスタと思われる2SC2168も購入。
IC TCA955は、若松でもかなり時間をかけて倉庫から見つけて来て頂きました。助かりました。
そして、ICとトランジスタの交換。
やはり、ICのピン(足)も真っ黒になっていた。このICが原因だな。
パッケージの違い。
ICは右側の放熱板に付いている。
ついでに回転数調整用のボリュームも交換している。(黄色い部品)
修理完了後の裏側全体。
交換後、電源を入れて確認。その前にひとつ忘れていたことが、このプレーヤーは50Hz/60Hzで切り替えが必要。
私は今まで西日本で使っていたので、東日本仕様50Hzに変更が必要。それは、ストロボの窓を移動するだけで切り替えが出来る。
そして、いよいよ電源投入!正常になってくれよ!また1時間かけて秋葉原に行くのは暫く御免だ。
見事、調整も出来て、回転もピタリと安定しました。 成功!良かった!
さっそくレコード再生!音も問題なく出ます。
久々、およそ35年ぶりに聴くレコードの音。味があって良いですね。なんだか空気感が違いますね。
今までデジタルの音ばかり聴いていたので新鮮味があります。
不連続な音から連続した音に!!!
ちなみに、針はSHURE VN35HEというものがついていました。
35年前にこれで聴いていたのでしょう。
あれ?V15 TypeⅢの箱があるのに現物はどこに?このV15 TypeⅢは今でも覚えているけど銘機だぞ!。
何処に行った?
そうだ、これはカートリッジだった。このVN35HEの下に付いているでしょう。
もう、そんな事もすっかり忘れてしまっていました。
でも、復活して良かった。
これでまたオーディオの楽しみの幅が広がりました。忙しい、忙しい、、、。
レコード盤は数枚だけ持ってきたので、取りあえずは、それを聴きながらブログを書いています。
でも、そのなかには、貴重なレコードもあります。ダイレクト・ディスク? その紹介は次回。
(追記)
SHURE V15 typeⅢの交換針は、こちらから購入できます。
日本精機宝石工業 Shure 「V-15TYPE3」用交換針(スーパー楕円針)JICO 192-VN35-HE(VN-35HE相当スーパーダエン針)
最近また、オーディオにはまりだした者です
数週間前に倉庫を整理しまして、懐かしいカセットデッキが沢山出てきました。どうしても当時の音楽を再生したくカセットデッキを落札したのが運の尽き、またオーディオ熱が再発してしまいました。
そうこうしている間に、当時聞いていたレコードの事が気になりだし、所有していたDP-1200を修理しようと思い立ちました。
当然のことながら、うまく動くはずもなくネットでいろいろ調べていくうちに、このHPにたどり着いた次第です。
もっとも、初めて修理を思い立ったのではなく数年前にトライしてみたのですがうまくいかず、そのままにしていました。
今日は、トランジスタをすでに所有していたしたので、その全てを交換しましたが、高速回転が収まりません・・・(涙)
気を取り直し、貴殿の投稿を参考にし先ほど若松通商に「TCA955」を注文したところです。
当方、自作のスピーカーを何台か作成しては、不要になったらオークションにも出品していますが、電子関係は知識がなく、見よう見まねで頑張っているところです。
ということで、TCA955が到着しましたら、結果をまたお知らせしたいと思います。はじめてのコメントでしたが、長文になり失礼しました。また、分からないことがあれば、ご教授頂けましたら非常に有り難くおもいます。
それでは、失礼致しました。
参考になって良かったです。
高速回転の原因は、おそらく「TCA955」でしょう。
ICを取り外す作業が少し大変ですが、頑張ってください。半田吸い取り線でも出来ますが、「はんだシュッ太郎」があれば簡単です。
修理すれば長く使えます。アナログレコードの素晴しさを堪能してください。
はんだシュッ太郎の件、初めて知りました。ひたすら吸取り線で頑張っていました。
ICですが、全ての足(16本)をはんだ付けするのではないのですねU+2753基盤のプリントされている部分のみでOKと思っていいるのですが・・・^_^
返信して頂き感動しましたU+2757U+FE0F
そうですね。基板にパターンが有る箇所だけです。
パターン(ランド)の無いピンも有ったと思います。
パターンを剥がさない様に気をつけてください。吸い取り線でゴリゴリやるとパターンを剥がしてしまうことがあります。
後、試していないのは、2SC2168ですのでもう一度トライしてみようとは思うのですが、心折れそうです・・・
もう一つ気になるのは、458をDではなく、Cを使った点ぐらいです。違いはあったのでしょうか?
今日の収穫は、シュッ太郎が素晴らしく使い良かった事です。はぁ~
そうですかぁ~。それは悲しいですねぇ。
あと、思い当たるのは、、
電解コンデンサ(容量抜け?)関係か、半固定VRでしょうかねぇ~。
半田付けが経年劣化でルーズになっているところは無いでしょうか?
458DとCはあまり関係ないと思いますけどね。。。
おはようございます
コメントありがとうございました。勇気付けられました。何とか復活させられるよう頑張ります。
基板のボリュームは、変に触らない方が良いだろうと思っていましたが、昨夜回してみたところ、固着していたように感じました。数回まわして一番左に合わせ、電源を入れたところ一瞬ではありますが、回転が止まりました。
ということで、基板より外して接点復活スプレーをし、まわしてみているところです。帰宅後試してみたいと思います。
九州在住で、部品の調達もままならない状況下ですが、VRや電解コン等の交換もやってみたいと思っていいます。
ご教授ありがとうございました。深く感謝申し上げます。
ご無沙汰しています
電解コンデンサの数値を、デジタルテスターにてサーボ部のみ計ってみました
C5 16V10μF →14.71 C6 50V0.47μF →0.651
C7 25V100μF →132.8 C8 50V0.1μF →109.9n
C10 50V0.1μF →110.2n C14 16V10μF →14.96
C17 16V0.47μF →0.705 C18 25V100μF →136.4
C19 63V220μF →247.5
±20%を許容範囲としたら、3つくらいしか正常値でない状態でした
電解コンデンサは交換してみる価値はあると思いましたが
部品がすぐに手に入るような状況にありませんので、上京したときに揃えたいと考えています
スレ主様はどちらで購入されたのでしょうか?
質問ばかりで申し訳ございません
奮闘されている様ですね。
私の場合は幸いに割とあっさりと修復が出来たのですが、、、。
電解コンデンサは、この部分は音質には関係ないので、一般品で良いです。秋葉原なら、どこにでもありますが、私は千石通商さんの地下の部品売り場が探しやすく利用しています。
可能性として、コントロールIC TCA955の近くにある半固定抵抗(VR1)は大丈夫でしょうか?
表から操作出来るボリュームが壊れたら、ちょっと厄介と思いますが。まずは基板上のこちらを交換してみては?
昨日、通販により電解コンをかき集めまして、サーボ部のみ交換しました。
ただ、この段階では高速回転は改善しませんでした。泣きっ面で入手していた、C2168を交換したところ・・・
ピタッと止まるではありませんか!C2168の足は、真っ黒クロすけでした。
ただ、時間が経過すると早くなったり、遅くなったりしますので、半固定を疑っている所です。
アーム部も手付かずですので、もうちょっとそこら辺を追い込んでみたいと考えています。
また、改善できましたら報告しますm(_ _)m
ただ、直りつつあるものの、嬉しくもあり、寂しくもありといった所です。
オーディオの修理って楽しいものですね!