僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

仙丈ヶ岳(南ア北端1日目)

2015年09月19日 | ぶらぶらする

10年ぶりの南ア登山。

ベースキャンプで観光登山などもっての他!

孤高の縦走こそが登山の本質!

と空威張りしていたが

迫りくる年齢と体力の低下には逆らえず

「ま、同行者の経験を考えるとやむなしだよね」

を言い訳に禁断の

「北沢峠ベースキャンプで仙丈・甲斐駒お気楽ツアー」

に足を踏み入れてしまう事に。

期待に胸を膨らませながら甲府駅へ向かう車中。

途中の同伴者からの緊急コールで我に返る。

「すみません、電車乗れませんでしたっ!」

当方静岡から最終の身延線で

同伴者は新宿から最終の夜行便で

2:00甲府駅集合の予定でいたのだが

連れのT君は全席指定の夜行便

「ムーンライト白馬」に予約なしで挑むつもりだったらしい・・・。

乗れなかったものはまぁしかたない。

ルートを変えるべきかさんざん悩んだ結果。

待ち合わせを9:30北沢峠のテン場に変更して

1時間半おくれの同ルートで決行することに。

4:30甲府駅発のバスに乗り

予定通り6:30広河原到着。

わーい、10年ぶりの広河原だ。

そのまま6:50発の北沢峠行に乗り換えて

7:20北沢峠着。

テン場までは徒歩10分。

到着後そっこーでテントを組み立てる。

この時点で時刻はまだ8:00。

ひ、ひまだ。

暇すぎる。。。

設営に難儀するほどではないが

シルバーウィークということもありテン場はご盛況。

まぁとにかくすることもないなかヌボーッと1時間半を費やし

9:30北沢峠バス停で

下車後、必死の形相でテン場へ駆けだそうとするT君を捕縛する。

テン場まで行く時間ももったいないので

幕営用具をその場にデポして

さっそく登頂開始。

仙丈までは尾根沿いの小仙丈ルートを

下山は沢沿いの重幸新道をとることにする。

とりあえず樹林帯を黙々と歩く。

さすがにこの時間からの入山は少ないようで

我々2名以外の姿はない。

11:00大滝の頭。

ここらでようやっと高齢登山者らに追いつく。

みなさん頂上小屋泊りか

馬の背ヒュッテ泊りの様子。

ピストンの身としては先を急がねば。

天気はいいような悪いようなで

プチ紅葉の向こうに北岳が見えたり見えなかったり。

11:30六合目。

この辺りから森林限界でハイマツ帯に入る。

ちなみにこの日は終日、超空身でピストン。

12:00小仙丈ヶ岳登頂。

雲が多く眺望は得られなかったが

左手が開けて小仙丈カールがお目見え。

仙丈ヶ岳は

東に小仙丈カール、

南に大仙丈カール、

東に藪沢カールと

3つのカールを有する珍しい山で

小仙丈カールは3つのカールのうち中央に位置するもの。

緩やかな尾根道を歩き

八合目をこえると

仙丈ヶ岳への最期の登り返しがお待ちかね。

この登りで足の速いお姉さん登山者に話を伺うと

このまま仙塩尾根のロングトレイルを経て

塩見岳までやるのだとか。

いやー贅沢すぎてうらやましい限り。

登り返しをつめると

仙丈小屋へのトラバースルート分岐。

そうこうしているうちに右手には雄大な藪沢カールが。

そのカール越しにようやく仙丈ケ岳山頂が確認できる。

眼下には藪沢カール中央部にポツネンと佇む

仙丈小屋。

あと一息で頂上!

カールをまくようにすすむ。

13:30登頂!

山頂から見下ろす藪沢カールと仙丈小屋。

同じ道を通るのが嫌いなので

山頂から時計回りにカールをまく。

なお、山頂付近から北へ下る

この地蔵尾根ルートは一般道ではないのでご注意を。

藪沢から見上げる仙丈ケ岳のピーク。

うーん

さすがに13時も越すとガスってきた。

14時仙丈小屋到着。

こじんまりながら

3階建てで手入れの行き届いた小屋に見える。

10分も下ると樹林帯へ突入。

カールもここで見納め。

14:30丹渓新道との分岐。

14:40馬の背ヒュッテ。

やたら気さくなご主人が登山客と話し込んでいた。

さらに5分ほどで藪沢小屋・大滝頭への分岐。

ここから先は大平山荘への重幸新道。

そして日没との競争。

どう遅くてもライト点ける時間までには下りてぇなぁ。

ひたすら水源沿いに沢下り。

リアル南アルプス天然水が飲み放題。

滝がいい具合に落ちている。

どれが藪沢大滝かはわからないや。

15:15沢を離れて再び樹林帯へ。

15:45沢の音が小さくなってくる

がここからがまた長い(精神的に)。

16:15大平山荘到着。

がここはスルー。

「登山道近道」の標識に目がキラッと輝く。

小屋から横手のつづら折りを10分ほど登り

ようやく車道へ。

半日ぶりの文明にはしゃぐ。

16:30こもれび山荘(旧長衛荘)到着。

デポしてあった荷物をピックアップし

16:50長衛小屋幕営地帰還。

 

テン場横の川でキンキンにしておいた

ラガーをプシッ!

とやる。

ベースキャンプならではの贅沢!

周囲のテントからも尾根のテン場に比べると

贅沢な夕餉の香りが漂ってくる。

ベースキャンプ型もいいもんだなぁ。