KCF的徒然草

KouChan's Factory管理人の心の叫びor反省文

2位じゃダメですか?

2009-11-28 00:54:16 | 日記・エッセイ・コラム

 この1~2週間の間、TVで必ず登場したのが「行政刷新会議」による「事業仕分け」でしたね。与党の議員が各省庁の事業担当者を相手に、快刀乱麻に切り込んでいく姿を毎日のように見た人も多かったのでは。しかしときにその姿も過激になり、ロケットやスーパーコンピュータなど科学技術に関する事業についてのやりとりで、「日本は(科学技術の分野で)1位を目指さなければ」という省側に対し、政府側が「2位じゃダメなんですか?」と答えた。この発言に反応した歴代ノーベル賞受賞者が、揃って反対声明をあげる事態まで起きたりして、日に日にエキサイトしていく。

 「2位じゃダメなんですか?」

 たとえば、オリンピックに出場する選手が「競技で銀メダル目指します!」なんて言ったら、はたしてその人を応援する気になるだろうか?結果として銀メダルに終わるのは仕方ないし、賞賛に値すると思うが、この選手には冷ややかな視線が送られることになるだろう。

 発言そのものは、科学技術の事業は、莫大なカネを使うわりにすぐに利益に結びつかない、というビジネスセンスが言わせたのかも知れないが、もしこれが与党がよくいう『国民からの目線』ということになれば、いかに科学技術がなめられているかが露呈した形になったわけだ。格好良くズバズバ斬り込むのも結構だが、せめて納得できる理由を提示して事業をどうするかを決めてほしいものだ。

・・・と、ちょっと前までは思っていたのですが、考えがすこし変わりましたので、ここからはそれを。

 今日でその「事業仕分け」も終わった。最終的に廃止または予算縮減と判定された事業は90以上。でも法的な権限があるわけではないので、今後どうするのかは各省庁に任せればいいのだ。判定に従ってそのまま廃止するのか、事業を再度検討するのか。ただし、中途半端な、妥協したような見直しをすると後々困ることになろうと思う。

 数年前、「電気用品安全取締法(電安法)」が改正されたとき、電化製品に「PSE」マークのない製品は今後販売できないという事態が起きた。このとき、とあるミュージシャン達が、これが施行されるとビンテージ(年代物)の楽器が売れなくなる、これは音楽による表現を阻害するもので大きなマイナスだと声高に叫びだした。その影響があまりにも大きかったので、経済産業省側もついに「いわゆるビンテージものの楽器は例外」という形で収まってしまった。音楽やっている人にはありがたいかもしれないが、電安法本来の意義からすると「反則」のはずだが、そこは誰もいわない。逆に、声を上げたミュージシャン側は、経済産業省の野望をうち負かしたと得意げなのだから・・・まぁ。

 今回の事業仕分けで「廃止」とか「予算縮減」といわれた事業が、最終的に「電安法」と同じような道を辿らないことを願わずにいられない。とりわけ科学技術事業が中途半端なものになってしまったら、2位にすらなれないだろうよ。 

コメント
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