大型CD店閉店に思うこと

　かつては「渋谷系」音楽の発祥とまでいわれていたHMV渋谷店が、今日をもって閉店ということになった。じつはここ、ぼくはつい最近来たのだが、店の至る所に閉店をお知らせするポスターがあったので、近々そうなることは分かっていたけど、ここまでの騒ぎ（？）になるとは正直思っていなかった（リアルタイム世代のくせに渋谷系に疎い自分って・・・？）。

　ただ、閉店の理由の一つに「音楽のネット通販が主流になり、その影響でCDが売れなくなった」とあることには首を傾げる。ここからは個人的意見なので、聞き流してもらって結構ですが、ぼくは、これほどの大型店なら、どんなジャンルのどんな音楽のCD（でなくてもよいが）が手に入るはず、と思っている。もし探している音楽が見つからないとなると、何のためのCD店なの？と疑ってしまうこともある。

　もちろん、最近は音楽配信サイトに行けば好きな音楽を簡単に手に入れることが可能だけど、通販で手に入る「カタチのない」音楽（音楽は元々形はないんだけどね）というのは、「あとに残らない→使い終わったら捨てる」というイメージがついて離れない。むろん、形のない「音楽」にムリヤリCDやレコードなどのメディア・媒体というものを借りて存在することに批判的な意見があることも重々承知しておりますが。

　ぼくの場合、CDショップの隅から隅まで探し、やっとの思いで念願のCDを見つけて買う。一見めんどくさく見えるようだけど、これが音楽を買う楽しみの一つでもあるように思う。大学時代、高校生の弟とよく中古レコード店（下北沢や町田が多かったかな）に立ち寄って昔のアーティスト（時にYMOの限定版とかも・・・）や洋楽のLP、EPを１枚１枚めくって探し、あぁこのジャケット面白いな、とか、こんな曲も入ってんだ、と兄弟で買っていったことがある。この体験を憶えている方には、ひょっとしてこの楽しさ、理解してもらえるかなぁ？

　そんなわけで、どのような人、ぼくのような、時にとてつもないマイナーな音楽（クラフトワーク、とか・・・）をほしがる人でも満足できるCDショップでなければ、今後も生き残れない、となにやら怪しげな予言めいたことを最後に言っておいてきょうはおしまいっ！