Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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BBR1/18 Ferrari126C2修理です

2021-10-30 20:47:01 | ミニカー修理

本日の山陰も穏やかで雲はありますが晴れていました。
まあ秋晴れと言う程青い空は望めませんけど、この頃は良い天気が続きます。

今日は畑の仕事が昨日で一段落していますので畑の見回りくらいですかね・・・
10時頃には中に入りまして厨房のお手伝いを少し・・・

今日はBBR製の1/18Ferrari126C2の修理から始めましょう。
このモデルは比較的新しい様な気がしていますが・・・もう壊れてしまったんですね、残念な感じですね。

F-1マシンの1/18と言うのは今まで余り見る機会が無かったのですが・・・やはり大きいですね。
しかもサイドステップの部分がラクダのこぶの様な感じになっています。

直せるんでしょうか??

この修理ですが・・・実際に修理している時間よりも考えている時間の方が長かったですね。
他の修理でも制作でも同じなのですが作り方や修理の仕方は事前に頭の中で良く考えて方法と手順を決めます。
このミニカーの場合は考えている時間は半日くらいだったでしょうか・・・まあ考えながらも他の作業はしていますから全く無駄になる事は有りません・・・例えばラッキョウの畑で草取りをしながら・・・とかね。

でその考えた方法ですが・・・
こんな風にサイドスカートの部分が浮いてしまってデカールが引っ張られて剥がれています。
ミニカーを良く見ますとこのサイドスカートの部分だけがエッチングで出来ていましてボディはレジン。
デカールを貼ってからカットしてあればサイドステップが浮いてしまってもデカールは剥がれないのですが・・・それがイタリア製(!?中国製)の弱点でしょう。

まず最初に行なったのはベース板の裏に固定ネジが有りますのでそれを緩めようかと思ったらスエード生地の布!?を貼られていましてこれをカットして良いかお客様に確認が必要でした。
まあ実際にはカットしないと修理は不可能なんです。

ベース板には2ヶ所でネジ止めされていましたが、リア側はこんな感じでワッシャーを重ねて有りました、ちょっと一般の人が趣味で作った物ではないのですからワッシャーの重ねはそれらしく無いな〜。
でもこれがオリジナルなのでこのまま使います。

外したミニカーを作業台の上に固定します・・・手で持って作業をしますと壊れる元ですから(笑)
最初に行なったのがデカールのカットです

サイドステップの上側の部分にエッチングの段が有りますからそれをガイドにカットしています。
後側の破れてスカート側に付いていた部分はそのままにしていましてそこから後もカットしておきました。
そして浮いていたデカールをマークソフターを使って柔らかくしてボディ側に押さえ込みます。

続いて浮いて外れたサイドスカートの浮いた部分から前側をボディとサイドスカート部分にナイフを入れて外しました。
全部外しますとスカート側に残ったデカールの位置が狂ってしまいますのであくまでも後側は接着されたままの作業になります。
外しただけでこの様にボディに沿って平らになってしまいます。
デカールが破れた部分を見なかったらあのスカートの変形はいったい何なんでしょう?って感じですね。
この状態でスカート側の残っていたデカールをソフターを使ってボディに貼付けましょう。
もう破れ目も余り見えませんね。

反対側のスカートはまだ外れてはいませんが・・・(下の写真は右側のスカートの前側の部分です)
エッチングとボディの段が出来ている部分はデカールが浮いているのですがボディとスカートの収縮が違いますのでこんなヨレが出ていますね。
デザインナイフの刃を新しい物に交換してカットしておきます。
マークソフターではこのヨレが直らなかったのですが強力なソフターを使いますとソフターが付いた部分が艶消しになってしまい収拾がつかなくなる恐れが有りますのでこの程度にしておきます。
これでもカットはして有りますから左側の様にスカートが浮いてしまってもデカールまでダメージが行く事は無いはずです。

修理は壊れた所を修理するだけではなく反対側の同じ部分が破損しても最小限度で収まる様に手当てしておく事も必要だと思います。
こちらのカットはサービスです(笑)
本当は左右で見て違う所が有るのも不自然ですし左を切ったら右も切った方が良いかと・・・

さて修理の必要な左側に戻ります。
スカート部分に残ったデカールもボディ側に貼り直しが出来ました、スカートを外さずに作業をしましたので位置も狂っていません。
スカートに残ったデカールが落ち着いた所でここもデカールをカットします。
カット位置は保管場所と同じでエッチング板のすぐ上の部分です。
そしてスカートをボディから完全に外しました。
デカールはいくら完璧に戻したと言っても元々が割れていますから・・・
割れた部分からはほんの僅かにボディカラーのレッドが見えます。

ここからはタッチアップを行ないます。
まずは調色ですね・・・この微妙なクリーム色が難しいのです。
クレオスのホワイト/イエロー/No.53のライトカーキを使ってカラーを作ります。

この調色は経験がものを言う部分なので経験しか無いのです。
目が悪くなったら出来ない仕事ですね。

デカールの無い部分はこのタッチアップペイントを筆で塗って厚みを稼いでおきます。
2度程塗って厚みが出来たら周囲をマスキングします。
と言ってもマスキングテープをそのまま貼ってはいけません。
BBRのモデルはクリアーコートをしてないのでマスキングテープで簡単にデカールを持って行かれます。
なので手の甲に一度マスキングテープを貼って粘着を弱めておきましょう。
ただモノタロウなどの安いマスキングテープをお使いの方は2〜3度貼って剥がしてを繰り返してから使うのをお勧めします。
出来ればこの部分だけでも3M製をお勧めします、なぜなら粘着が大変強いのです。
で周囲もマスキングしましてエアブラシで塗ります。
と言っても艶が出るまで塗る訳ではなくサラッと塗るのを2〜3回繰り返します。
周囲の塗量の飛び散り方を見ればどの程度塗ったのか有る程度想像出来ますよね。
塗装後にはすぐにゆっくりとマスキングテープを剥がします。
これは大事な事でしてマスキングテープを通してシンナー分がデカールに達しますとデカールが柔らかくなってマスキングテープと一緒に剥がれてしまうん場合が有るのです。



まあ今までの長い経験からこのような方法や手順を考えましたこの手順を「あ〜でも無い」「こうでも無い」と半日も考えますとやっぱり疲れます(笑)
で完成したのがこちら・・・まだスカートは取付けていませんしブラックの部分はまだタッチアップしていませんが・・・

この後スカートを取付けましてベース板に戻しました。

しカートの部分に線が有るのはデカールをカットしたからここに切れ目が入ります
反対側も同じ様に加工して有りますので今後スカートが浮いてしまってもデカールに影響をする事は無いと・・・思いたいですね。

でもこれで終わらないのが修理です。
今度は裏のカットしたスエード生地の補修です。
この126C2の為だけにスエードを探しました、出来れば同じ薄いスエードを探したかったんです。

Amazonで発見しました!!
早速取り寄せて本日到着です。

採寸してっ早速カットしましたよ。

こちらが穴を開けてしまったベース板の裏側です
この加工をする場合は・・・当たり前ですがクリアーのカバーを被せたままひっくり返して作業をしますと楽ですがクリアーのカバーに傷がつかないように下には布を敷いて作業をしてください

カットしたスエードを貼りました。
元のスエードは剥がさずに上に貼っています。
元のスエードを剥がすのはなかなか大変でしてね、薄いので簡単に破れてしまうのです。
大きさを揃えれば上に貼っても大丈夫ですね。

これにて修理完了です。
一晩はこのまま置いておきまして明日異常がなければ発送します。
明後日には関東方面のM田さんの元に帰って行くと思います・・・無事に届くことを願っております。

明日は3台のカウンタックの修理を行います・・・多分ね。