近くのSCに評判のお豆腐屋さんがあります。豆腐もおいしいし、揚げ豆腐もおいしい。特に
絹揚げは逸品、焦げ目がつくほどに素焼きして、生姜醤油で食べます。レシピは、このお店の
「ひろうす」を薄味で煮含めたのと、鰹節の半製品「生利節」を甘辛く濃い味に煮ました。
「ひろうす」は関西における「がんもどき」の呼び名ですが、この店には「ひろうす」と「が
んもどき」があり、両者を区分けしていて、その頑固さが面白いと思いました。お店の方に聞
くと、大きさと中に入れる具材と生地の豆腐の違いで、区分けしているとの答えでした。
がんもどきは「鴈擬き」と書き、元は精進の「擬き料理」=肉の代用として作り出されました。
名の謂れは「鴈の肉」の味に似ているから・という説や、鳥類の肉のすり身を鶏卵大に丸めて
料理する「丸=がん」に似せて作ったから・・など諸説あります。また「飛竜頭・飛竜子」と
書いて「ひりょうず、ひろうす、など」とも言い、語源はポルトガルの揚げ菓子「フィリョース」
とする説があります。油で揚げるのがもとでこの呼び名になったのでしょう。
今回食材を「生利節」と「ひろうす」にしたのは蛋白質を摂りたいから・・レシピの食材を高
蛋白質志向に転向したのは、№824でお伝えしました。カゼを引かない、ガンになり難い体に
するには「免疫力」を高めること。それには筋肉量を増やすのが一番で、筋肉が多い人の病気
での死亡率は、筋肉が少ない人の半分という研究成果があるといいます。そして筋肉をつける
食事の基本は蛋白質で、1日に体重1キロ当たり1gの蛋白質摂取が必要とされます。
生利節もひろうすも、蛋白質を多く含む割には摂取熱量が低く「ひろうすと生利節の炊合せ」
は一食当り280kcal、蛋白質37.3g(60g)、カルシウム193㎎(700㎎)、鉄6.0㎎(7.5㎎)
( )内は60歳男性1日の必要量です。高蛋白質の食材≒高カロリーが悩みのタネですが、生
利節とひろうすは低カロリーな上、入手し易く安価(レシピ1食のコストは生利節142円、
ひろうす93円)なので、家計に優しい食材です。お試しいただきたいレシピです。
生利節=なまりぶしは、鰹節を作る途中の生乾きのもの・切り身や、片身丸ごと真空パックの
ものがスーパーで買えます。生利節100g当り173Kcal、蛋白質38g、鉄5㎎の優良食材で
値段も安く、360g1本が660円・・低カロリー・高蛋白質志向の方にお勧めの食材です。
材 料
生利節 1パック 360g ・・両面に熱湯をかけ、皮と小骨をとり切り分ける
生姜 1/2パック 30g ・・皮付きのまま薄切り
調味料
昆布出汁 2/3カップ 120cc
砂糖 大さじ 3 30g
醤油 大さじ 3 30cc
みりん 大さじ 2 20cc
日本酒 1/3カップ 60cc
作り方
なまりの切り身を鍋底に重ならないように並べて生姜
をのせ、調味料全部を加え中火にかける。
フツフツし始めたら落し蓋をして、中火より弱い火に
して、煮汁がなくなるまで煮込む。
・・途中で、煮汁を掬ってなまりに振りかけたり、なまり
を裏返して煮詰めたりして、味をしっかり含ませる。
作ったその日に食べるより、翌日か翌々日に食べる
方が、なまりに味が染みておいしい。
なまりは身が固く、味が染みこみにくいので、うす味
にするより、濃い味にする方がおいしく食べられる。
煮る前に、なまりに熱湯を振りかけ、皮を取り除くのが
ポイント・・これでカツオ特有の臭いが取れる。