21日の日経夕刊「こころ」欄に、落語評論家「山本益弘」さんの「落語を聴くと得をする」と言う
文が掲載されていました。氏は早稲田大学の卒論テーマに落語家の桂文楽を採りあげ、その
論文の出来の良さから「桂文楽の世界」として商業出版され落語評論家として活躍・・・後には
「食」の世界に入り料理研究家として名を馳せます。私も噺好きでネットなどで視聴しています。
私が好きな噺の一つが「壺算」・・古典落語で上方から江戸に伝わり多くの噺家が演じています。
内容は、少し間の抜けた吉公と兄貴分の徳さんが二荷(120ℓ)入りの水壺を買いに行く噺です。
長屋に引っ越した夫婦・・夫の吉公がかみさんから二荷入りの水壺を買って来いと命じられます。
そして「お前さんは人間が甘く買い物が下手だから、徳さんに一緒に行って貰え。徳さんは悪賢
くて損したことがない・・」と指図されます。吉公は徳さんにその通りに言って頼みます。「本人の
前で悪賢いなんて言わない方が良い・・とかみさんが言うとった」などとやり取りの末、気の良い
徳さんは吉公が憎めず、一緒に行ってやることにします。
瀬戸物屋に着き、徳さんが目を付けたのは二荷入りの半分の一荷(60ℓ)入りの壺。瀬戸物屋
の番頭が一荷入りは3円50銭というのを、徳さんは3円に値切り二人で壺を持ち帰かけます。
吉公が「欲しかったのは二荷入りの壺」と文句を言うと、徳さん「この壺が二荷入りに化ける」と
言い瀬戸物屋に戻って番頭に「二荷入りの壺と取り替えて欲しい」と頼みます。番頭が二荷入り
なら倍の7円というのを6円に値切り、手許の壺を3円で下取りしてもらうことにします。
代金支払いに徳さんは「代金6円は、先に渡した3円と下取りの壺代3円を合わせて6円」と番頭
を言いくるめ壺を持ち帰ります。一旦OKしたものの腑に落ちない番頭、慌てて二人を呼び戻し
「壺の代金が3円しかない」と訴えます。これを受けて徳さん「あとの3円は一荷入りの壺を3円で
下取りして呉れたのと違うんか」と言い返します。番頭「あ!これを足すのん忘れとりました。
どうぞお持ち帰りを」と言った滑稽な問答を繰り返す・・この辺りのやりとりが実に面白い噺です。
この噺は東西の噺家が演じています。私の好みは笑福亭仁鶴師匠ですがネットでは聴けず、
桂枝雀さん演じる壺算を楽しんでいます。URLを下に置くので興味ある方開いてみてください。
桂枝雀Shijaku Katura 「壺算」 落語 Rakugo
https://www.youtube.com/watch?v=iT946YrRxd8
ホワイトシチュー・・別名クリームシチューは、寒い時季に喜ばれる煮込み料理です。ベースに
使うのはホワイトソースの缶詰・・HEINZ社製のものです。味つけはマギーブイヨンとフュメドポ
ワソン・・魚介の出汁です。牡蠣のシチューですが野菜onlyのシチューでもおいしいと思います。
材 料
牡蠣 1パック 200g ・・水洗いして汚れをとりザルにあげる
じゃがいも 1こ 200g ・・皮むきして一口大に切る
玉ねぎ 1こ 200g ・・皮むきして縦6等分切る
にんじん 1/2本 70g ・・一口大の乱切り
ブロッコリー 2房 70g ・・茎を含めて3cmに切る
ピーマン 2こ 50g ・・縦4等分、横2等分にしてタネを除く
小麦粉 適宜
牛乳 2カップ 360cc
バター 大さじ 1 10g
調味料
ホワイトソース 1缶 290g ・・ハインツ社製
フュメドポワソン 1パック 5g ・・Mascot社製
チキンブイヨン 1こ 4g ・・ネッスルのマギー
サラダオイル 大さじ 1 10cc
作り方
野菜のホワイトシチューを作る
深鍋を中火にかけ、サラダオイル大さじ1を加える。
じゃがいも、玉ねぎ、にんじんを入れ、中火で炒め
オイルが回ったら、水1/2カップを加えて煮込む。
じゃがいもが煮えたら、ピーマンとブロッコリーを
加え、マギーとフュメドポワソンを入れて味つけし、
ホワイトソースと牛乳を入れ、しばらく煮込む。
・・火は中火のまま・・
牡蠣をソテーする
水洗いした牡蠣に小麦粉を振りつけ、バターで焼く。
牡蠣がふっくら焼けたら、シチューにいれ、数分煮て
できあがり。
魚介類のシチューは、火を通し過ぎないのが決め手、
半煮えで火からおろしても余熱で十分火が通ります。