熊本熊的日常

日常生活についての雑記

食い納め

2011年08月28日 | Weblog
以前にも書いたかもしれないが、桃が好きだ。果物のなかで何が一番好きかと問われれば、迷わず「桃!白桃!」と即答する。夏の暑いのは苦手だが、秋の気配が濃厚になるにつれ、桃の季節の終わりが惜しくなる。今は既に白桃も晩成種の時期であり、それも終わろうとしている。普段利用している生協の宅配でも、前々回を最後に桃の発注を終えた。カタログにはまだ掲載されているのだが、余力を残して静かに終わる、というのが物事のあり方として美しいと思うのである。

今日は子供とブリヂストン美術館で青木繁展を観た後、オアゾの「つばめ」で「ハンブルグステーキ」を頂き、新丸のショコラティエ「Palet D’or」でホットチョコレートと季節のデザートを頂いた。この季節のデザートが桃づくしで、たいへん印象深いものだった。ベースが白桃をダイス状に切ったものを皿の中央に固めてピンクのシャンパンソースで囲んだもの。そこに丸いメレンゲを乗せ、その上に白桃の切り身、ホワイトチョコの板チョコ、ホワイトチョコのアイス、板状に固めた透明の飴と重ねて、最後に金箔を散らしてある。好きな桃は桃だけで頂きたいのだが、アイスも板チョコも桃と響き合っているので、これは良しとする。この冷たい桃のデザートとホットチョコがまた合う。今年は、これで桃の食い納めにすることに決めた。「静かに終わる」と言うには、見た目が少し派手な気がしないでもないのだが、とにかく桃はこれでおしまいだ。たぶん。

食事の後は、江戸城跡大手門から皇居東御苑へ入り、平川門へ抜けて、国立近代美術館へ行く。イケムラレイコ展と常設展を観て、工芸館へも足を伸ばす。工芸館では縞模様をテーマに陶磁器、着物、漆器、ガラスなどの作品が並ぶ。2007年9月にロンドンへ渡ったとき、大英博物館では「Crafting Beauty in Modern Japan」という企画展が開催されていた。そこで目にした記憶のある作品がいくつもあり、今頃になってあの企画展の作品の多くがここの所蔵品であったことを知った。子供はロンドンに一週間ほど遊びに行き、先週の日曜に帰国したところだ。大英博物館には行ったらしいが、滞在時間は1時間ほどだったという。訪れた場所を聞いてみれば、しょうもないところばかりだが、それでも楽しかったのだそうだ。私が連れて行けば、その1,000倍くらいは楽しいのではないかと思った。もちろん、思っただけで口にはしなかった。