午前中、友人と渋谷で待ち合わせて日本民藝館へ行く。今日は日本民藝館展の初日で、私はどのような様子なのかということにしか関心はなかったのだが、友人のほうは藁細工と米をテーマにした店を出す計画を温めているので、出品作を購入するつもりらしかった。この展覧会では入選作は予約販売されることになっていて、準入選作は即売されることになっている。友人は入選作の藁箒を1点購入予約をし、準入選作の藁製の籠とスイカ入れを購入していた。「それ、仕入れ?それとも自分用?」と尋ねたら「研究用」との答えだった。彼女と知り合ったのは豊田での民藝学校だったが、当時はまだ店のコンセプトは固まっていなかった。その後、8月、9月、11月と会う毎に少しずつイメージが固まっていくのがよくわかった。目下の課題は出店場所なのだそうで、当初は自宅近くを考えていたらしいのだが、周囲の反対もあり、現状は白紙だとのこと。ひとまず場所は置いておいて、店で出す予定のおにぎりの研究のため、おにぎり専門店でバイトをすることになったという。
ちょうど昨年の今頃、このブログで「塩むすび」について書いた。当時、私は塩むすびという単純この上ないものにこそ豊かさが溢れている、というようなことを書いた。今日、その友人が語るところによると、塩むすびは単純であるがゆえに米、その炊き方、握り方、塩、といった個々の構成要素のごまかしがきかない大変難しい食べ物なのだそうだ。塩むすび、それも出来立てのあつあつのものではなく、時間が経って冷めてしまったものでも「おいしい」と感じられてこそ本物なのだという。
その友人がどのような店を開くのか楽しみだが、身近な起業のケーススタディとしても多いに注目しているところだ。私も失業中なので、選択肢のひとつとして自分で商売を始めるというのも当然にある。起業するには元手が必要だが、懐は火の車なので、ビジネスプランとやらを考えて他人の金を引っ張ってこなければならない。今のご時世で私の年齢で就職先を見つけるのと、起業するのとでは同じくらいに困難なのだが、生活を続けるには困難などと言ってはいられない。
今日は、民藝館を出てから渋谷で友人と別れ、池袋に出て源氏物語についての講座を聴講した。講師は「謹訳 源氏物語」の執筆者である林望先生と俳人の西村和子氏。現代語訳について、古文の語彙や文法で説明するのではなしに、宮殿の構造や宮廷での習わし、当時の社会の習俗といった周辺知識を説明することで解釈の背景を語るというのが新鮮に感じられた。尤も、これは翻訳全般に通じることで、文章の背景にある社会や文化を理解することで誤訳を減らすことができるのである。
ところで、「謹訳 源氏物語」だが、今読んでいる最中だ。漸く、1巻を終えて2巻に入ったところ。予定では、今日の講座までに5巻目まで読み終えているはずだったのだが、どうもうまくいかない。そうこうしているうちに注文しておいた6巻目と7巻目が届いてしまった。なんとかしないといけない。
講座の後、銀座へ出て映画「エル・ブリ」を観た。正直なところ、ああいう料理よりも旨い塩むすびが食べたいと思う。
ちょうど昨年の今頃、このブログで「塩むすび」について書いた。当時、私は塩むすびという単純この上ないものにこそ豊かさが溢れている、というようなことを書いた。今日、その友人が語るところによると、塩むすびは単純であるがゆえに米、その炊き方、握り方、塩、といった個々の構成要素のごまかしがきかない大変難しい食べ物なのだそうだ。塩むすび、それも出来立てのあつあつのものではなく、時間が経って冷めてしまったものでも「おいしい」と感じられてこそ本物なのだという。
その友人がどのような店を開くのか楽しみだが、身近な起業のケーススタディとしても多いに注目しているところだ。私も失業中なので、選択肢のひとつとして自分で商売を始めるというのも当然にある。起業するには元手が必要だが、懐は火の車なので、ビジネスプランとやらを考えて他人の金を引っ張ってこなければならない。今のご時世で私の年齢で就職先を見つけるのと、起業するのとでは同じくらいに困難なのだが、生活を続けるには困難などと言ってはいられない。
今日は、民藝館を出てから渋谷で友人と別れ、池袋に出て源氏物語についての講座を聴講した。講師は「謹訳 源氏物語」の執筆者である林望先生と俳人の西村和子氏。現代語訳について、古文の語彙や文法で説明するのではなしに、宮殿の構造や宮廷での習わし、当時の社会の習俗といった周辺知識を説明することで解釈の背景を語るというのが新鮮に感じられた。尤も、これは翻訳全般に通じることで、文章の背景にある社会や文化を理解することで誤訳を減らすことができるのである。
ところで、「謹訳 源氏物語」だが、今読んでいる最中だ。漸く、1巻を終えて2巻に入ったところ。予定では、今日の講座までに5巻目まで読み終えているはずだったのだが、どうもうまくいかない。そうこうしているうちに注文しておいた6巻目と7巻目が届いてしまった。なんとかしないといけない。
講座の後、銀座へ出て映画「エル・ブリ」を観た。正直なところ、ああいう料理よりも旨い塩むすびが食べたいと思う。