こういうこともあるのかと、少し驚いた。落語を聴きに大宮まで出かけた。会場はおおみや市民会館の大ホール。会は「三遊亭白鳥・柳家三三・桃月庵白酒 三人会」。このホールの収容人数は1,300だそうだが、その半分程度しか埋まっていない。私の左隣とその左隣は仲入りでいなくなってしまった。ちょっと珍しい取り合わせの会であるのは確かだが、日曜日だというのにこんなに入りが悪いわけがない。裏番組で何かあったのかもしれないが、それにしても奇妙なことだ。
噺のほうは危なげなく、安心して聴いていることができた。殊に仲入り後のふたりは若手のなかの筆頭と言ってもよいくらいの実力者だ。その噺を左隣が空いた楽な状態で聴くことができるとは、有り難いことだ。白酒は数日前の鈴本で「替わり目」を聴いたばかりだったが、さすがに寄席よりもこちらの落語会のほうが時間の制約が小さい分、余裕のある噺っぷりだ。
白鳥を聴くのは初めてだ。新作はどうしても噺の厚みが貧弱になりがちなのだが、端から深さなどを意識していない目出たさも時には必要なのかもしれない。落語とは何か、ということ以前に言葉とは何か、などと糞真面目に考えてしまうような人には不向きな噺家だ。しかし、同世代の人間として、こういう人が活躍している姿を目の当たりにすると、なぜか妙にほっとする。これでもいいのかぁ、と安心できるのである。それでも、確かに構成は巧みだと思う。
本日の演目
入船亭辰じん 「垂乳女」
三遊亭白鳥 「ギンギラボーイ」
仲入り
桃月庵白酒 「松曳き」
柳家三三 「質屋庫」
開演:16時
終演:18時15分
会場:さいたま市民会館おおみや 大ホール
噺のほうは危なげなく、安心して聴いていることができた。殊に仲入り後のふたりは若手のなかの筆頭と言ってもよいくらいの実力者だ。その噺を左隣が空いた楽な状態で聴くことができるとは、有り難いことだ。白酒は数日前の鈴本で「替わり目」を聴いたばかりだったが、さすがに寄席よりもこちらの落語会のほうが時間の制約が小さい分、余裕のある噺っぷりだ。
白鳥を聴くのは初めてだ。新作はどうしても噺の厚みが貧弱になりがちなのだが、端から深さなどを意識していない目出たさも時には必要なのかもしれない。落語とは何か、ということ以前に言葉とは何か、などと糞真面目に考えてしまうような人には不向きな噺家だ。しかし、同世代の人間として、こういう人が活躍している姿を目の当たりにすると、なぜか妙にほっとする。これでもいいのかぁ、と安心できるのである。それでも、確かに構成は巧みだと思う。
本日の演目
入船亭辰じん 「垂乳女」
三遊亭白鳥 「ギンギラボーイ」
仲入り
桃月庵白酒 「松曳き」
柳家三三 「質屋庫」
開演:16時
終演:18時15分
会場:さいたま市民会館おおみや 大ホール