世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。
着陸10分前、突然大揺れ「吐きそうになった」(読売新聞) - goo ニュース
2013年7月、サンフランシスコ国際空港でアシアナ航空機が着陸に失敗し、危うく大惨事となるところでした。アメリカでの事故は、国際的にも大きく報道されたのですが、アシアナ航空機による同様の事故が、昨日、広島空港で発生しました。
広島空港での事故には、サンフランシスコ国際空港での事故時との共通点を数多く見出すことができます。事故原因として、視界不良の状態における機長の操縦技術に問題あるとする点も共通するのですが、アシアナ航空の乗務員達の対応にも共通点があります。事故当時の機内の様子を語る乗客の証言によりますと、非常事態の発生にも拘わらず、機長や客室乗務員による機内放送や避難誘導がほとんどなかく、機体の破損やエンジン部分からの出火があり、一刻を争う状況でありながら非常口がなかなか開かず、乗客の機外への脱出に際しても、乗客達が協力しあったそうです。まるで、広島の事故は、サンフランシスコでの事故のデジャヴのようです。このことは、サンフランシスコ国際空港での事故の教訓が、アシアナ航空では、全く活かされていないことを示しています。操縦士のスキルアップも、客室乗務員の事故を想定した訓練も、どちらもサンフランシスコ国際空港での事故以前のままなのです。
通常、事故を起こした航空会社が真っ先に取り組むのは、安全性の強化による信頼の回復であり、人の命を預かる者として、二度と事故を起こさない体制造りです。二度あることは三度あるとも申しますが、アシアナ航空は、航空機どころか、会社そのもののが”危険飛行”を続けているように思えるのです。
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AIIBは、最終的には資本総額12兆円にも上るそうです。出資額の60%は、中国が支出するとも噂されておりますが、AIIBは投資銀行として設立されますので、実際の融資のための資金調達は、起債によることになりそうです。
AIIBについては、組織上の問題点も指摘されておりますが、AIIB債についても素朴な疑問があります。それは、誰が、AIIB債を買うのか?というものです。おそらく、AIIBが各国の投資額に見合った額の債券を発行し、市場でAIIB債の購入者を募ることになるのでしょう。イギリスが、AIIBへの参加を表明した理由の一つは、シティを人民元現取引の中心地にしたいという思惑と並んで、AIIB債の起債地としての地位を確保したいのかもしれません。しかしがら、AIIBの優先的融資対象とされる”一帯一路構想”は壮大ではありますが、経済効果は未知数ですし、現在、中国経済も曲がり角にあります。融資の審査基準が甘ければ、麻生財務相が指摘したように、融資が焦げ付く可能性もあります。厳格な審査で知られるアジア開発銀行債(トリプルAの格付け…)でさえ、現地通貨建て債券の利回りがおよそ4~10%なのですが、日米が参加していないAIIB債の信用はさらに低く、起債に際しての利率が高くなることが予想されます。つまり、AIIB債は、ハイリスク・ハイリターンの債権となるのです。しかも、仮に、中国が人民元の国際基軸通貨化政策の一環としてAIIBを積極的に活用するとしますと、人民元建で債権を発行することも予想されます(人民元取引には制限があるにも拘わらず…)。
果たして、このような状況で、AIIB債を積極的に引き受ける金融機関、並びに、投資家は存在するのでしょうか(一般の個人向けにも販売されるかもしれない…)。中国国内の内情を知る中国人富裕層がAIIB債の購入を渋るとしますと、それは、危険を知らせるシグナルとなるのではないかと思うのです。
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ドル覇権揺さぶるAIIB 米国で参加促す意見台頭…「中国の夢」は抑制可能か(フジサンケイビジネスアイ) - goo ニュース
中国経済の減速が報じられる中、AIIBについては、様々な憶測が飛び交っております。不透明感が増す一方ですが、最近の中国国内の経済事情からしますと、AIIBには、共産主義体制の延命装置としての一面があるのではないかと思うのです。
改革開放路線を選択したとはいえ、中国には、政府系、否、共産党系の企業が隠然たる地位を保持しています。特に、インフラや重工業部門は、党の利権でもあるため、民間企業は育ちにくいようです。このことは、中国では、共産主義体制の特色でもある統制経済が生き残っていることを意味しており、採算性を無視した過剰投資や過剰生産によって、在庫の山を造ることも珍しくありません。加えて、金融部門でも、不動産投資等で不良債権を抱え込んだ政府系金融機関が民間金融機関にこれらの不良債権を押し付けるという事態も発生しております。外資の逃避に加えて、自慢の外貨準備も減少傾向にあり、資本の流出を補うために、中国は、借り入れを増やしているとも報じられています。この流れからAIIBを観察しますと、中国が設立を急ぐ理由は、新たなインフラ投資で建設需要を創出し、経営難にある政府系企業を救済すると共に(共産党の利権維持…)、その資金を海外から調達することにありそうです。中国の金融バブルの崩壊は時間の問題とされておりますが、多量の不良債権を抱えた民間金融機関が破綻し、かつ、その融資先である民間企業が潰れても、政府系の企業が生き残れれば、それで良しとしたいのでしょう。しかも、AIIBの運営が不透明であれば、共産党の新たな利権ともなります。
上記の見解は私見に過ぎないのですが、仮に、中国の思惑がこの憶測通りとしますと、内需拡大は望むべくもなく、中国経済の行く先は然程に明るくはなさそうです。また、AIIBへの参加を表明した諸国は、中国の現体制の延命のために貢献するに過ぎなくなります。AIIBとは、中国が大国として国際社会に君臨するための機関なのでしょうか、それとも、無理が祟って危機に瀕している中国を救済うためのための機関なのでしょうか。そして、後者であるならば、延命させる価値があるのか、と言う疑問も湧いてくるのです。
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二階・石原派合流論…「石原総裁候補」は異論も(読売新聞) - goo ニュース
近年、国際社会においては、アメリカが、冷戦期の主役であったロシアとの摩擦と並んで、中国と対立する場面が増えてきました。”新冷戦”は、一般的には、ソ連邦時代の威信を取り戻したいプーチン大統領率いるロシアとの間の東西冷戦構造の復活を意味しますが、アジアの覇者を目指す”赤い帝国”、即ち中国との対立も見逃せません。”新冷戦”とは、その実態において、二重の冷戦として描くことができます。
急激な経済成長をばねとした中国の軍拡によって、日本国にも、ひしひしと安全保障上の危機が迫ってきております。しかしながら、国際情勢が著しく変化する中、日本国の政党が的確にに対応しているかと申しますと、かなり怪しい状況にあります。一強の感のある与党自民党を見ますと、親米派から親中派までを幅広い立場の議員が同居しており、党内の勢力図が変化すれば、親米政権から親中政権に180度転換してしまう可能性すらあります。党内で一定の勢力を維持している福田議員、河野議員、二階議員…といった自民党の政治家は、元より親中派が多数を占める野党以上に中国と親密な関係にあり、中国もまた、弱小野党よりも、自民党内の親中派政治家に期待を寄せているとも伝わります。今日の日本国の選挙制度は、衆参両院選挙に比例代表制を採用していることもあり、有権者は、政党を投票の選択基準とする傾向にあります。ところが、同一の政党に、中国に対する政治的な距離が違う政治家が混在しておりますと、有権者の政治的な選好は党の中で融解してしまいます。この状態が続きますと、党内の親中派勢力の増殖によって、国民が望まなくとも、何時の間にか、日本国政府が中国の傀儡政権と化し、属国となるシナリオも否定できません。
本日、自民党において二階派と石原派が合流するのではないか、とする観測記事が報道されておりますが、党内の派閥を再編するより、むしろ、二階議員らの親中派議員は、新たな政党を結成すべきなのではないでしょうか。自民党の強みは、多様な立場の集まりにある、との意見も聞かれますが、国民にとりましては、親中派が分党した方が、選挙における選択が容易になります。そしてそれは、新たな国際情勢に日本国の政治が対応する一助になるのではないかと思うのです。
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南シナ海に「安全」施設=岩礁の埋め立て正当化―中国(時事通信) - goo ニュース
AIIBの参加問題については、未だに日本国政府は”潮目を読み違えた”とか、”世界から取り残された日米”といった批判的な論調が散見されます。しかしながら、これらの批判には、安全保障やシーレーンに関わるチャイナ・リスクが抜け落ちているのではないかと思うのです。
南シナ海の領有権問題については、フィリピンが、国連海洋法条約に基づいて常設仲裁裁判所に提訴しており、ベトナムも同調しております。国際社会の行動規範に従って東南アジア諸国が平和的な解決に踏み出す一方で、法の支配に無視を決め込む中国は、一方的に南シナ海の埋め立てを開始し、滑走路の建設まで疑われております。中国当局は、「(船の)風よけや捜索救助、海洋気象観測・予報、漁業サービス、行政管理などの機能・施設を設ける」と説明し、軍事目的を否定しておりますが、目的は何であれ、紛争当事国による一方的な埋め立てが許されるはずもありません。習主席は、AIIBを「一帯一路構想」の融資機関と位置付けておりますが、中国は、内陸部の陸のシルクロードみならず、海のシルクロードの復活を目指しており、当然に、南シナ海の開発もこの構想の一環に含まれます。しかも、公海自由の原則を踏みにじり、中国の海域としての海路の支配を目論んでいるようにも見えます。
南シナ海に中国の海上基地が建設されますと、中国は、容易に日本国のシーレーンを脅かすことができます。滑走路も敷設されるとなれば、不沈空母と化すのですから、経済のみならず、軍事的にも危機が迫ることになります。中国は、”安全”を強調しておりますが、周辺諸国にとりましては、”危険”以外の何ものでもありません。AIIB参加支持者の方々は、”リスクは絶対にない”と言い切れるのでしょうか。
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液体シミ、茨城・鹿島神宮と千葉・香取神宮でも(読売新聞) - goo ニュース
国宝を含む日本国の文化財に対して、油性の液体をまいて汚すという事件が発生しております。最初の報告では、古都の奈良県や京都府に集中していましたが、茨城県や千葉県でも同様の被害が起きているようです。
詳細な調査を実施すれば、さらに被害報告が増える可能性もあるのですが、地理的な範囲と被害件数からしますと、多分にテロ的要素を含む組織犯の疑いもあります。一人の人間が実行するには、相当の無理があるからです。仮に複数の犯人による犯行であるとしますと、犯人たちは、同一の組織に属していると推測されます。狙われたのは、どれもが日本国の歴史と伝統を伝える貴重な文化財であり、日本国を汚すことが共通目的であるからです。犯行の動機は、日本国に対する物的な加害、嫌がらせ、脅迫…などが考えられます。となりますと、浮かんでくる犯人像は、日本国に対して敵対的、かつ、全国規模で組織網を張り巡らしている反日団体のメンバー、ということなります。もっとも、模倣犯という線もありますが、模倣犯であったとしても、文化財汚損行為に同調するメンタリティーは、一般の国民のものではありません。
汚損に使用された液体が、油性であることも気になるところです。油成分の浸透によって修復を困難するという目的もあるのでしょうが、油性であれば、夜間に放火するための下準備である可能性もあるからです。単独犯であれ、組織犯であれ、監視カメラの増設や見回りの強化に加えて、犯行組織の検挙に全力で取り組みませんと、日本国は、貴重な文化財を喪失しかねないと思うのです。
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河野元衆院議長、翁長知事と訪中へ 要人との会談も(産経新聞) - goo ニュース
中国では、第二次世界大戦の終結から70年を迎える今年、抗日戦線の勝利を記念する式典が華々しく開催される予定です。式典の出席者リストの中には、村山談話で知られる村山元首相の名も見られるようです。
日本国の歴代首相や官房長官の談話は、近年、中韓からの談話踏襲要求、即ち、”歴史認識”圧力を受ける原因となってきました。特に、第二次世界大戦を日本の”植民地支配と侵略戦争”と総括した村山談話と慰安婦問題に関して重大な誤解を与えた河野談話は、日本国が、中韓に対して言質を与えたに等しい効果をもたらしたのです。そして、村山元首相と河野元衆議院議長には、両者とも、親中派政治家という共通点があります(慰安婦問題の背後にも中国の反日組織が潜んでいる…)。中国は、古来、周辺諸国に謀略を仕掛けることで知られていますが、この伝統は、共産党の支配によりさらに巧妙となっており、当然に、日本国内にもおいても様々なルートを通して工作活動を展開しているはずです。本日も、河野元衆議院議長と沖縄の翁長知事が中国と訪問し、政府高官と70年談話や沖縄の基地問題等の日本の国内問題について会談すると報じられております。こうした会談は、当然に、内政干渉のルートともなり得ます。
村山元首相と河野元官房長官が、共に国内の反対をかわして中国の歴史認識に沿った談話を公表したのは、単なる偶然なのでしょうか。両談話については、歴史的な事実との関係から議論されてきましたが、これらの談話を発表した政治家の背景をも洗う必要があるのではないかと思うのです。
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アジア投資銀、透明性要求=出資1800億円試算―政府対処方針(時事通信) - goo ニュース
本日、ロイターが中国発の情報として報じるところによりますと、AIIBへのイラン加盟が決定したそうです。しかも、この決定には、イギリス、フランス、インド、イタリアを含む加盟国も賛成したというのです。
中国が発信源ですので、イラン加盟決定の真偽のほどは分かりませんが、イランは、2006年7月以来、国連安保理決議によって金融部門を含む経済制裁の対象国に指定されております。昨今、核開発問題に関して欧米側と合意が成立したものの、その内容も”玉虫色”であり、制裁解除には至っておりません。この状態でイランが加盟し、融資対象となるとしますと、国連体制はなし崩しとなります。もとより中国は”一帯一路構想”を実現するためにAIIBを設立したようなものですから、中国・イランを結ぶインフラの建設は、融資プロジェクトの最有力候補のはずです。安保理制裁発動後は、中国がイランの最大の貿易相手国となっており、石油パイプライン等で直結できれば、中国もイランも共にメリットを享受することができます。中国は、2006年に既に北京とカスピ海を結ぶ石油パイプラインの建設をイラン側に提案しており、このプランは、絵空事ではありません。AIIBは、このプランの実現に財政的な裏付けを与えることになりかねないのです。
中国は、欧米諸国がイランの参加に賛成したと説明しておりますが、国連の経済制裁対象国の加盟を易々と許したのでしょうか。そして、イランのライバルであり、かつ、AIIBへの参加を表明しているイスラエルは、果たして、イラン加盟にどのような反応を見せるのでしょうか。AIIBは、イランの参加によって、ますます政治的にも波瀾含みになる気配を感じるのです。
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福田元首相「AIIB参加、拒否する理由ない」(産経新聞) - goo ニュース
昨日、福田康夫元首相が、東京都内の講演において日本国はAIIBに参加すべきと述べ、見送りを表明した日本国政府に翻意を促したと報じられております。元首相の発言を聞いておりますと、中国のメッセンジャーとしか思えないのです。
福田元首相は、中国の習近平主席と直接に会話ができる数少ない日本の政治家の一人とされております。中国からの覚えめでたい人物であり、元首相も、二階議員と同様に、中国から特別待遇を受けていることを誇示しております。首相当時、マスメディアのインタヴューに答えて”私は、あなた方とは違うんです”と言い放ったことで知られておりますが、もしかしますと、中国のバックを仄めかしたのかもしれません。その福田元首相が、AIIBについて発言したとなりますと、勝手に習主席の心中を忖度して発言するはずもなく、中国側が、氏の言葉を借りてメッセージを日本国に伝えたのでしょう。そして、そのメッセージとは、”AIIBの申請期限を6月に伸ばす”、”日本国に拒否する理由はない”、”不参加は途上国いじめになる”…というものなのです。これらの発言から読み取れる中国の本音とは、AIIBは、中国が当初描いた構想から外れてしまい、”AIIBに日本国が参加しないと、中国が困る”ということなのではないでしょうか。バスに乗り遅れるな作戦に失敗したので、今後は作戦を変更して、情けに訴えているようにも思えます。”途上国いじめになる!”と…。日本国がAIIBを拒否する理由はあまたあり、その一つは、中国率いるAIIBが”悪徳高利貸”と化し、途上国いじめに邁進することです。
福田元首相が熱心に主張すればするほど白々しく響くのですが、中国に忠実なる発言の端々から、中国の思惑やAIIBの実態を窺い知ることができます。そしてそれは、日本国にとりまして、不参加が得策であることを示唆しているのではないでしょうか。
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【インフラ銀】「米のオブザーバー参加ある」「中国が支配するの難しくなった」有識者に聞く(産経新聞) - goo ニュース
AIIBについては、中国を包囲するはずの日米が、逆に中国に包囲されてしまったとする評もあります。アメリカのオブザーバー参加も取り沙汰されておりますが、日本国には、AIIBに参加する理由がありません。
これまでの情報によりますと、AIIBにおける12兆円とされる基金の出資比率は、アジア諸国で75%、非アジア諸国が残りの25%です。AIIBは、欧州諸国の参加で融資能力を高めたとはいえ、25%、即ち、英独仏伊ロ等の出資額を合わせても総額でも3兆円です。仮に、アメリカが参加したとしても、25%の上限があるのですから、欧州諸国の出資比率が減るだけで、中国を凌駕する影響力を及ぼすことは出来ません。それでは、日本国が参加するとどうなるのでしょうか。仮に中国のGDPが日本国の2倍であるとしますと、凡そ、3兆円弱ほどが日本国の出資額となります。しかしながら、たとえ3兆円をAIIBにつぎ込み、欧米と日本国で出資比率が50%に迫ったとしても、AIIBの融資対象が、中国の覇権国化を促進するプロジェクトに集中するのであれば、安全保障上のリスクを含めてデメリットがメリットを上回ります。中国中心の”経済圏”とは、同時に、中国の”勢力圏”でもあるのですから、こうしたプロジェクトへの資金提供は、長期的に見ますと、自らの首を絞めるようなものです。
アジアには、2030年までに、1000兆円のインフラ需要があると指摘されており、冷静に見れば、AIIBがそのすべてを独占できるわけでもなく、ADBの存在価値が低下するわけではありません。また、外貨準備が有り余っているとされながら、日米に参加を求める中国の態度も不自然です。AIIBの参加見送りは、決して間違ってはないと思うのです。
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「中国の動き過小評価」…アジア投銀対応で批判(読売新聞) - goo ニュース
中国主導で設立される初の国際機関ということもあり、特に隣国である日本国では、自国の参加問題も含め、AIIBに対して高い関心が寄せられてきました。
国内のマスコミ各社の報じ方は、およそ、親中バロメーターの傾向と一致しています。朝日新聞や毎日新聞といったリベラル系新聞は、AIIBに対して概ね好意的です。もっとも、両紙の間には、朝日新聞社が政権批判的な論調であるのに対して、毎日新聞の記事には、”バスに乗り遅れるな”式の煽り記事が見られるといった違いがあります。本ブログ記事は、読売新聞社のネットニュースに付していますが、リンク先の読売新聞の記事には、参加見送りにどこか批判的なニュアンスが感じられます。一方、AIIBに潜む危険性を積極的に指摘してきたのは産経新聞であり、国際機関としての問題点を浮き彫りにしています。意外なのは日経新聞であり、参加支持一辺倒と思いきや、冷静な記事も見られ、諸外国の参加理由などを掲載することで、消極的な支持に留まっているようにも見えます。一方、海外メディアの反応については、中国メディアがAIIB設立を華々しく報じていることは置くとしても、日本国内のマスコミ各社程には、注目を集めてはいないようです。AIIBは、戦後の国際金融秩序を一変させるとの前評判からしますと、海外メディアの静けさは不気味でもあります。AIIBについては不透明な部分が多いため、当面の間は、様子見なのかもしれません。
実際に、協定の作成等が始まりますと、海外でも一気に報道量が増し、AIIB報道一色に染まるのでしょうか。嵐の前の静けさなのか、それとも、そもそも嵐は来ないのか、判断に迷うところです。
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アジア投資銀参加見送り「マイナスない」 麻生財務相(朝日新聞) - goo ニュース
AIIBの参加申請の期日が過ぎ、51カ国が中国主導の新たなインフラ融資機関に加わることを表明しました。しかしながら、この数、最後まで分からないのではないかと思うのです。
国際機関が正式に発足し、申請国の加盟が決まるまでの間には、幾つもの手続きを経るものです。現在、中国が示したAIIBの設立に関する覚書に加盟を希望する諸国の代表が署名した段階にあります。つまり、今後、AIIBの創設メンバーが決まり、設立が実現するまでの間、協定の作成と署名に加えて、国内の批准手続きという難関が待っているのです。台湾では、馬総統のAIIBへの参加表明が、対中経済協定を中止に追い込んだ”ひまわり運動”を再燃させ、参加反対の市民団体が抗議活動を行っているそうです。親中派である馬総統への風当たりも強く、議会において加盟が承認されない可能性も否定はできません。そして、AIIBの”安全性”については、他の参加予定諸国においても議会を舞台に議論されることでしょう。特に、作成されたAIIB設立協定の内容が、中国に支配権とでも言うべき”主導的役割”を与え、従来の国際社会のルールに反した公平性や透明性に欠けるものであれば、反対論もまた強くなります。
果たして、AIIBの参加国は、最終的には何カ国となるのでしょうか。中国が宣伝するように、AIIB設立が国際秩序を戦後の転換させるほどの重大な意味を持つならば、参加予定諸国における議論もまた激しくなるのではないかと思うのです。
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中国主導のAIIBに日米が加盟を見送った件について、ネット上では、”国際社会の潮流を見誤った失敗であった”とする意見が見られます。しかしながら、これらの人々は、AIIBで懸念されている問題点が現実化した場合、どのように弁明するのでしょうか。
日本国にとりまして、中国は、安全保障上の脅威であることは言うまでもないことです。尖閣諸島の領有権主張をはじめ沖縄県に対しても、もはや領土的な野心を隠さなくなりました。仮に、AIIBの融資によるインフラ整備によって中国が軍事的な能力を慎重させるとしますと、当然に、周辺諸国はこれまで以上に強い軍事的な圧力を受けることが予想されます。中国の経済発展は、即、軍拡に直結します。また、AIIBにおける不透明な運営方法が”グローバル・スタンダード”として承認されますと、やがて他の国際機関にもこの方法が広がり、これまで築き上げてきた公平な国際ルールが崩壊するかもしれません。新たに出現するのは、トップの命令で全てが動く人治の世界です。さらに、中国の腐敗体質も看過できません。中国が、組織腐敗に蝕まれてきたことは、既に、習主席の旗振りによる”腐敗撲滅運動”で自ら証明しております。”AIIBだけは絶対に腐敗しない”と言い切ることはできるのでしょうか。
中国は、国際社会が普遍的な価値として認めてきた自由、民主主義、人権の尊重、法の支配…といった価値観を共有してはおりません。AIIBは、既存の金融秩序に対する挑戦として警戒されていますが、経済・金融のみならず、戦後の国際秩序に対しても、異質の価値観を持ち込むことで重大な挑戦を試みているのです。AIIBへの不参加を批判する人々は、中国を中心とした前近代的な華夷秩序に属国として加わりたいのでしょうか。時代を読み間違えているのは、むしろ中国ではないかと思うのです。
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安倍首相「人身売買」発言を歓迎=米国務省(時事通信) - goo ニュース
安倍首相が、米紙のインタヴューの中で韓国人元慰安婦問題を「人身売買」と表現されたことを受けて、アメリカの国務省もまた、歓迎の意向を示したと報じられております。一方、韓国では、”政府の責任の否定している”として、反発を招いているようです。
慰安婦に関して残されている歴史的な資料のほとんどは、慰安婦問題が、事業者の募集に際しての、詐欺的勧誘などの違法行為であったことを示しております。アメリカは、戦時期にあっても、また、近年にあっても戦争犯罪に関する徹底した調査を実施しておりますが、何れも、日本軍による韓国人女性達の強制連行を証明することは出来ませんでした。しばしば強制連行の証拠として挙げられるスマラン事件等も、戦後の国際軍事法廷で裁かれましたが、これは、オランダ人拘留女性に対する軍規違反による強制売春事件であり、内部調査によって事実を掴んだ日本軍自らが閉鎖しています。慰安所の設置や管理に関しては確かに日本軍が関わり、警察なども悪質な業者に対して取り締まりを実施しておりますが、日本国政府が、動員令を以って朝鮮半島の女性達を慰安婦の職に従事させたわけでも、日本軍が、軍事力を以って慰安婦の強制連行を実行した事実もありません。おそらく、韓国人元慰安婦の証言も含め(証言の変遷過程も…)、保存されている全資料を全世界に向けて公開し、公平な判断を求めれば、大多数の人々が、罪名の表現はどうあれ、韓国人元慰安婦の問題は事業者による違法勧誘等による犯罪と答えるのではないでしょうか。
韓国の批判の裏には、日本国政府に慰安婦問題に関する責任を認めさせることで、謝罪と賠償を日本国から獲得しようとする策略が透けて見えます。そして、日米の「人身売買」とする表現は、このシナリオを大きく狂わすことになったのではないでしょうか。
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創設メンバー、46カ国=中国主導で仕組みづくり―日米は申請見送り・アジア投資銀(時事通信) - goo ニュース
中国が音頭を取り、鳴り物入りで国際社会に出現したAIIB。当初の予想に反し、中国は、欧州諸国を含む46各国もの参加国を集めることに成功しました。
46カ国ともなりますと、全世界の諸国の凡そ4分の1に相当しますが、中国は、表にはされていないものの、参加を勧誘するに際して様々な”利権”を約束したはずです。イギリスには、中国に恩を売ると共に、シティーを人民元建ての起債や為替取引の拠点としたい思惑があったと指摘されておりますし、他の欧州諸国は、インフラ事業への自国企業の参入機会を得ることを目的としているとも推測されています。中央アジア諸国は、自国産の天然資源の販路を中国に伸ばしたいのでしょうし、早々に参加を決定していた東南アジア諸国は、自国のインフラ計画への融資を目指していることでしょう。そして、中国自身は、”一帯一路構想”を優先的な融資先として位置付けております。かつての朝貢体制でも、中国側は相手国の朝貢品に優る品を下賜しており、中心国としての優越的な地位を維持するには相応の負担を要したのです。今日のAIIBにおいても、参加国を、大風呂敷を広げ過ぎて、負担が過大となる可能性が大いにあります。しかも、約束した全ての”利権”を実現しようとすれば、参加国間の利害調整が恐ろしく複雑になり、収拾がつかなくなるかもしれませんし、中国政府による外国企業へのコンセッションの付与に終わるかもしれません。
46か国という数は、「中国の想定を越えた」とも指摘されていますが、今後は、組織運営において「中国の能力を超える」可能性も否定できないと思うのです。
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