日本の伝統工芸である七宝焼(しっぽうやき)の技術を応用して、アート作品を創作する日本七宝作家協会の選抜名古屋展が、名古屋市民ギャラリー栄で開かれています。12月3日(日)まで。
金や銀、鉄、銅などの金属面に、ガラス質のさまざまな色の釉薬で絵付けして焼成する七宝焼。紀元前に古代エジプトで誕生、中国を経てわが国に伝わったとされ、名古屋市や近郊の七宝町(現・あま市)で生産される花瓶や皿などの尾張七宝焼は、伝統的な地場産業として輸出品にもなっています。
これとは別に、七宝焼の技法をベースに様々なアートや装飾作品の制作に挑む人たちも。名古屋市内のカルチャーセンターや作家の工房などにもいくつかの教室があり、絵画や水指、ブローチなどの創作を学んでいます。
2つの展示室を使っての作品展。10~40号サイズの花鳥風月やデザイン画をはじめ、合子やブローチなどが並んでいます。
七宝焼絵画の大作を見たのは初めて。何度も色付けし焼いて仕上げるという、作品の見事なぼかしやグラデーションに見入りました。
七宝焼といえば、わが家の居間にも小さな花瓶=1番下の写真=があります。
高さ25㌢ほど。花瓶というより一輪挿しと言った方がいいかもしれません。
透かし絵のように草花模様が入っていますが、色とりどりの花瓶の中で、小柄ながらすくっと立つ青一色の姿が気に入り、値段も手ごろだったので手に入れたものです。
挿すのは庭に咲く花。今は1週間前から咲き始めたスイセンです。
長身でスリムな花瓶に、これまた長身のスイセンでは不安定に感じますが、そこは重い金属が素地の七宝焼。試しにちょっと花に触れてみても、ぴくりともしませんでした。