風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「古墳を基礎から学び楽しむミュージアムも=名古屋の『志段味(しだみ)古墳群』に行ってきました」

2019-07-17 06:11:38 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

大阪府堺市にある「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録が決まりましたが、名古屋にもいくつかの古墳群があります。
その一つで、この春に古墳ミュージアムがオープンした名古屋市守山区上志段味の「志段味(しだみ)古墳群」を小学生の孫たちと見てきました。 

名古屋市内で確認されている古墳は約200基。ほとんどが4世紀から7世紀にかけて造られた前方後円墳はじめ円形の形をした円墳、四角い形の方墳、ホタテ貝形の帆立貝式古墳で、志段味地域では66基が確認されており、うち7基が「志段味古墳群」として2014年(平成26年)、国の史跡に指定されています。

まず、ミュージアム。
愛知県西尾市出身の絵本作家・岩井俊雄さんによる「古墳時代の風景」を描いた大壁画に迎えられます。
展示室には志段味の古墳から出土した壺や土器、埴輪、矢じり、金やガラスのアクセサリーなどの本物やレプリカがずらり。古墳群の成り立ちを紹介するアニメや大きな鳥観図もあります。

古墳や古墳時代についての関心は、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録などで高まってはいるものの、戦国時代などとは比較にならないのが現実です。
そこでまず子どもたちに古墳への理解を深めてもらおうと、易しく丁寧な展示やアート体験などのコーナーが中心ですが、大人も結構興味深く楽しめました。

ミュージアムを出て絵地図を手に古墳群へ。

竹林や雑木林、草むらを行く散策路を歩くと、次々に古墳の名称を示すプレートが目につきます。そこにある膨らみのある地面が古墳ですが、慣れてくると孫たちもプレートより先にそれらしい地形を見つけてはしゃいでいました。

古墳の周りには住宅街が広がります。
宅地開発と古墳の保存。関係者の労苦が想像できます。

ミュージアムの横には、昨年秋に水彩画教室の宿泊旅行で出掛けた現代アートの島である三河湾の佐久島でも傑作を目にした、名古屋芸大卒のアーティスト・松岡徹さんがモザイクタイルで制作した志段味古墳群の立体地図なども展示されていました。

時おり小雨がぱらつく梅雨空での見学でしたが、孫たちが古墳にどこまで興味を持ったのか。夏休みの自由研究候補の一つにはなったでしょう。