水彩画教室のスケッチ取材でしばしば出かける古い町並みで、街の産業遺産ともいえる土蔵。米や酒、織物など保管する物によって多少の違いはあるものの、共通するのは頑丈な観音開きの窓でしょう。
窓は1つから4つ、5つとさまざま見かけますが、密閉化するため階段状に細工された扉は魅力的。それも原材料の土や漆喰が乾燥しても寸分の狂いもなく合わせる技は、まさに職人技です。
こんな土蔵も産業構造の変化や長い歳月の経過で老朽化。一部には近年塗り替えや修繕されたのも見かけますが、手つかずのままも少なくないようです。
描いたのは黒く塗装された壁がやや色あせ、漆喰の崩落が進んだ観音開き。特産品の取引で賑わった時代を思い浮かべながら描きました。