リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

壁に止まったハエ、4日目

2018年05月25日 | 日々の風の吹くまま
5月24日(木曜日)。曇りのち晴れ。今日もランチ代わりのバナナを1本持って9時過ぎに
「出勤」。これで4日目。今日で3日連続で、朝の10時半から午後1時半のランチタイムまで
リハーサルスタジオの隅に座りっ放し。初日は音楽監督が中心になって音合わせ、2日目
は演出のビルが主役2人と台本の読み合わせをしながらキャラクター像を作る作業、3日
目はアンサンブルのダンスの振り付け、今日4日目は歌と演奏を通しておさらい。

壁に止まったハエのワタシは、毎日目を皿のようにして、耳をかっぽじって舞台劇(ミュージ
カル)の制作過程を勉強。役者がせりふを覚えて、舞台での動きを覚えて、歌を覚えて、踊
りのステップを覚えれば幕を上げられるってわけじゃなくて、ほんとに驚くほどの細かなこと
をジグソーパズルみたいに嵌め合わせて行く根気のいる作業。それを1日8時間、週6日の
稽古を経て、3週間半後に総仕上げのドレスリハーサル、翌日プレビューの上演開始、そし
てさらに細かな調整をしながら1週間後に正式にオープニング。いや、ものすごい集中力が
なければできないな。それと強靭な体力も。それをみんな楽しそうにやっているからすごい。
ほんとに好きで入った道じゃないと続けてられないなあ。

リハーサルの1日は最初2週間は午前10時から午後6時、上演するグランヴィルアイランド
劇場に移動したら正午から午後8時。Actors’ Equity Association(エクィティ)という舞台俳
優の労働組合があって、加入していないとプロの劇団では仕事ができないし、労使協定で
労働条件が決められている普通の労働者と同じように、出演契約に労働時間や休憩や昼
食、休日などの規定が織り込まれる。基本的に特定の劇団に所属しないフリーランスなの
で、「エクィティカード」と呼ばれる組合員証があれば、カナダのどこでも労使協定を結んで
いる劇団のオーディションを受けて仕事をすることができるし、アメリカのエクィティとは相互
協定があるからアメリカでも仕事ができる。芸能人というよりは演劇を専門とするプロフェッ
ショナルと言った方が良さそう。

そういうことだから、部外者のワタシは稽古場では隅っこで「壁のハエ」に徹しているんだけ
ど、みんな稽古の合間に話しかけてくれて、4日目でけっこう打ち解けた雰囲気になって来
たのはうれしいね。さて、明日はいよいよビルの演出手法が見られる。がんばってたくさん
吸収して、舞台演劇の真髄を勉強して来よっ。