リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

フリーだから自由だというのは大まちがい

2019年05月25日 | 日々の風の吹くまま
5月24日(金曜日)。☁☂☁。連休が終わったと思ったら、またもう週末。時間の足ってどうしてこう速いんだろう。リタイア暮らしが落ち着くにつれてどんどん速くなるみたい。それでも焦りのような気持がまったくないあたりが、フリーランス現役の頃と違うところかな。カレンダーには今まで通りにポストイットの矢印付箋をべたべた貼って予定を示してあって、赤(今日)、水色(請求書の支払日)、黄色(Arts Club)、青(マンション関連)、紫(来客)、緑色(外出予定)と色分けしているけど、仕事の「納期」を示すピンク色がない。あのピンク色が視野に入って来ないことで焦りを感じなくなったのかな。

時々のぞくBlogosに『フリーランスの理想と現実』という記事があって、いろいろと身につまされる話が満載。よく、職場の人間関係がいやだ、子育てしながら稼ぎたいといった理由でフリーランスを志す人がいるけど、フリーランスは個人事業主なんだから、ビジネス感覚でやらないと挫折するのが現実。フリーランスの「ランス」は中世の騎士の「槍」のことで、どこでも雇ってくれる領主のところへ槍を担いで行ける身軽な身分だったから「フリーランス」。つまり、必ずしも「Free=自由」ということじゃないわけ。誰でも自分の食い扶持を稼がなければならないんだから、ほんとに「自由」な人間なんていないんじゃないかと思うけどね。

それでも、メディアなどはフリーランス稼業を自分の都合に合わせて働けて、時間が自由に使えて、おまけに稼げる、すばらしい商売のように持ち上げるけど、ほんとは時間も何も客の都合に合わせないと商売にならないのが現実。企業組織の中では与えられた「職務」をこなしていればいいけど、フリーランスはおひとり様だから、社長から、経理部長、営業部長、秘書に事務員、現場作業員、受付、顧客サービスその他諸々の職務をぜぇ~んぶ自分でやるわけで、しかも会社なら使えない人をクビにしてできる人を雇うという選択肢があるけど、おひとり様ビジネスでは自分で自分の首を挿げ替えるわけにもいかず、商売をたたむくらいしかない。

昔若い人に育児の合間に仕事するんじゃなくて仕事の合間にオムツを取り替えるくらいじゃないと食べて行けないよと言ったもんだけど、フリーランスは有休も病休もないし、残業手当も諸手当もないし、賃上げもないし、ちょんぼをすれば仕事が来なくなるし、仕事が途絶えたらお金が入って来ないのが現実。ワタシは周囲から手を引っ張られ、背中を押されして足を突っ込んだフリーランス稼業をほぼ29年もやってたわけだけど、何を考えていたのやらと思わないでもない。ま、どんな形であっても食い扶持を稼ぐのは厳しいもんだけど。