リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

何でも翻訳者の脳内はバベルの塔

2023年01月09日 | 日々の風の吹くまま
1月8日(日曜日)。🌧🌧☁。朝からしょぼしょぼ。外の気温が6度か7度かだからいいけど、雨雲がどよぉ~んとしている空は鬱陶しい。そういう季節だとわかっているんだけど。このところ、目を覚まして一番に脳内に浮上するのが、えっと、今日は何曜日だっけ。リタイアすると基本的に平日も週末もなくなるんだからどうでもいいことなんだけど、なぜか特に日曜日と月曜日がごっちゃになってしまう。でも、どういうわけか、何曜日なのかわからないとカレンダーを見ても何日かわからないよね。何日にねと言われてつい何曜日がと聞いてしまうし、何だかいつのまにか日にちよりも曜日の方がパワーを持っているみたい。だったら1週間は7日あるんだから、1日1日を意識しているよりも精神的な余裕がある気がするんだけど、現実には1日単位か1時間単位という感じだから、矛盾もいいところ。

世紀が変わった頃にカレシがリタイアして24時間在宅になって、生活のリズムが何となく自然に日本時間にシンクロするようになって、だいたい午前4時に寝て、正午過ぎに起きるようになっていた。ワタシが在宅フリーランスで日本からの仕事が多かったせいもあるかもしれない。真偽のほどは謎のままだけど、マンションに住み替えたとたんにごく自然に午後11時半ごろ(今は12時半)就寝、午前7時(今は8時過ぎ)起床という太平洋時間の暮らしになったのにもびっくり。まあ、もう日曜日でも月曜日でもかまわないんだけど、今日は間違いなく日曜日。で、私たちの日曜日は掃除の日。カレシは(シャワー以外の)バスルームの掃除担当で、ワタシはほこりを払ってから主に床掃除。これで何となくダレがちな日常い1週間単位の「メリハリ」がついているのかもれしない。掃除をしたから今日は日曜日とかね。ずっと、ずっと昔、そんな感じのタイトルの映画があったったけなあ。『If It's Tuesday, This Must Be Belgium』(『火曜日ならベルギーよ』)ってのが。あはは。

きのう翻訳担当者に送った編集ファイルがコメント入りで戻って来たので、まずはざっと目を通して、コメントに応じて再考する箇所があるかどうかチェック。ワタシが表現について手を入れた部分に対するコメントはほとんどなくて、主に単語の扱いに関する質問への返事。専門語ってのは厄介なもので、英語では分野が違っても同じ単語でも、日本語では専門分野ごとに違う訳語が決まっているからややこしくて、しかも学術界には「何とか学」が星の数ほどあるから、その分野に特化していない限り、ほんとに翻訳者泣かせ。まあ、逆も然りだから、両刀遣いの何でも屋のワタシは「なりすまし帽子」を被ってあっちの分野、こっちの分野。でも、何とか学だけの問題ならまだしも、ビジネスの世界でもまずは業種とか業界というものがあって、さらには法律、行政、金融、製造、マーケティング等々と分かれていて、それぞれ特有の文体や訳語があったりするし、おまけにグローバル化で日本英語にフランス英語にドイツ英語に中国英語にナンチャッテ英語と、まるでバベルの塔。はて、ある意味で、神様が天に届く塔を建てようとした人間たちを一種のコミュ障にしちゃったから、翻訳ビジネスが生まれたってことになるのかな。

ワタシはその翻訳をあくまでもビジネスとしてやって来たので、自分のことを翻訳家と呼んだことはなかったけど、もし演劇脚本の翻訳で認められたら、翻訳家ですと言ってもいいのかな。ほら、やっていることは同じでも、やっぱりビジネス界と芸術界では呼び方が違うじゃないの。人間の言葉ってこれだからおもしろい。バベルの塔の現場でみんなてんでに違う言葉をしゃべっているところを、この耳で聞いてみたかったな。どんな音楽が聞こえていたのかな。閑話休題。日曜日だから仕事は休みってことにしよ。