リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

ああ、忙しかった

2013年10月18日 | 日々の風の吹くまま
ゆうべから空の便がキャンセルになるほどの濃霧。午前11時半に目覚ましをかけて起
きたけど、まだ霧。ボイスメールにデイヴィッドからこれから行くと言うメッセージ。さっそ
く携帯にかけたらボイスメールに転送されたので、今起きたけど、どこ~?とメッセージ。
でも、電話を切って1分もしないうちに、あら、デイヴィッドが到着・・・。

今日は4時からArts Clubの撮影とインタビューがあるので、今夜帰るデイヴィッドを同
伴。スタンリー劇場のロビーでまずプロの写真家にワタシとカレシ、そしてひとりずつの
肖像写真を撮ってもらって、次に劇場の最前列に座ってビデオ撮影。ライトがまぶしい
けど、パルミーダがインタビュアーになって、最初のアンケートの答をまとめた「スクリプ
ト」通りに答えればいいんだけど、暗記が苦手なワタシは要点だけ頭に入れて来てアド
リブ。最後に、50年後の創立百周年のときに幽霊になってここに座っていたいと思う、
と言ったら、パルミーダもカメラマン氏も爆笑。(スタンリー劇場には幽霊が住んでいる
という伝説?がある。)たまにはこういうこともおもしろいね。

今日のイベントは5時過ぎにすべて終了。そのまま2丁ほど先にあるルイジアナ料理の
「Ouisi」へ直行して夕食。ビールを注文して、ワタシはワニの前菜にジャンバラヤ(サイ
ドにサコタッシュ)。カレシはサラダにポーボーイサンドイッチ、珍味にはあまり手を出さ
ないデイヴィッドはヤムいものフライとムール貝のクリオール風シチュー。ルイジアナの
養殖場から取り寄せていると言うワニの肉は、食感は牛肉、味は鶏の胸肉といったとこ
ろ。カレシとデイヴィッドに勧めたら、おっかなびっくりで試食して「うん、わりとイケるね」。

食事が終わった後はメインストリートの東にあるパシフィックセントラル駅へ。カナダ国
鉄の土木技師だったデイヴィッドが転勤でバンクーバーを出たのはもう30年以上前。
本人は帰って来たいようだけど、ジュディが引越しはもうたくさんと言うし、娘たちはそ
れぞれモントリオールとトロントで家庭を持って、孫もできたし、生まれ故郷へ帰って来
ることはもうないのかな。「カナディアン号」の発車は金曜日午後8時30分。トロントの
ユニオン駅到着は4日目の火曜日午前9時30分。広すぎるんだよね、この国・・・。

今日は15分スピーチの実演モデル

2013年10月17日 | 日々の風の吹くまま
午前11時半に目覚まし。デイヴィッドはすでにリッチモンドの義家族のところへ移動し
た後。起きる時間が違うので、夜のうちに朝食の食器などをテーブルに用意して、防犯
アラームもオフにしておいたので、冷蔵庫から好きなものを出して食べて、そっと出か
けて、今夜はあっちに一泊。まあ、手取り足取りのおかまいをせずに、お客の好きなよ
うにしてもらうのが我が家流のおもてなし。互いに気楽でいいと思うけどね。

今日はカレシの英語教室で、人前で英語で発表することに慣れる訓練として、生徒さん
が「15分スピーチ」をすることになっていて、ワタシはその「実演モデル」。みんな何や
らぎっしりと書かれたメモを持参。まずは極楽とんぼ流即興スピーチの実演から。何も
用意していないので、思いつきで「芝居に出たことある人、いる?」からストーリーテリン
グにつないで、大昔の原始人が夜焚き火の周りに座って何をしたか。黙って互いの顔
を見ていても退屈だから、きっと誰かが「今日マンモス狩りに行ったらさあ」と、その日
の冒険の話を始めるだろうね。それがストーリーテリングの始まり、と15分びっちり。

次に生徒さんたちが順番に黒板の前に立ってスピーチ。ほとんどが移民して来てから
子供たちを大学に入れるまで働きながら英語を身につけた人たちで、レベルは中級の
上。カレシの教室で毎週ディスカッションをやっている仲間と言うこともあって、中国語
(標準語と広東語)やベトナム語の訛りはまだかなり強いけど堂々としたもの。次々と体
験を踏まえた心のこもった話を披露するので、聞き手も引き込まれて、終わるやいなや
拍手と共に共感溢れるフィードバック。いやあ、みんなすばらしいストーリーテラーじゃ
ないの。

最後に残った10分をワタシが引き受けて、知識のようなただ「知っていること」を話す
のではなく、「感情的に知っていること」を話すのがストーリーテリング。でも、嘘を紡ぐ
ことではない。聞き手を引き付けるストーリーは話し手の心の中、頭の中、経験の中、
日常の中にあるから、思い浮かんだことを書きとめておけば、後は想像力しだい。自分
の中から来る話をすれば、大勢の知らない人たちの前で話すことだって怖くなくなる、と
締めくくり。何かワタシも学ぶことがたくさんあった午後だった。

まるで台風が来たような

2013年10月16日 | 日々の風の吹くまま
いかにも秋晴れという青空。正午ちょっと過ぎに起きてキッチンに下りたら、電話にボイ
スメール。メッセージを聞いたら、着いているはずなのになしのつぶてだったデイヴィッ
ドが、これから1時間くらいで行く、と。あれ?明日来る予定だったんじゃなかったの?
カレシに確認したら、「聞き違えたのかなあ?」 ま、どっちでもいいけど。カレシが車を
止めるスペースを確保している間にまた電話。今度はオフィスからで、これから行くの
で後1時間くらい。了解。デイヴィッドはよくトロントから鉄道で3日半かけて遊びに来る。
見渡す限りの平原を走って、ロッキー山脈を越えて、3日と12時間!気が遠くなりそう
な長い旅・・・。

朝食の最中にカレシが「イテッ」。固いものが混じっていたのか、上の歯が欠けてしまっ
た。何でこんなときにとムカつきながら歯医者に電話したらいつもの先生は休暇中で、
別の先生は月火水の3日しか診療しないから、早くて火曜日の午後。痛むわけじゃな
いから、しかたがないか。デイヴィッドが到着したのは午後2時。荷物を置いてひと息入
れて、3人一緒の買出し。エコーのエンジンをかけたら、エンジンみたいなインディケー
タが点灯。1年くらいオイルチェンジしてないから、もしかして・・・。

そのまま行くかどうか思案しているところへ隣のパットが通りかかって、今日はハプニン
グだらけで、歯は欠けるし・・・と言ったら、行きつけの歯医者を薦めてくれた。中国系の
同名の先生は地下鉄で行ける便利なところ。買出しの前にそっちに寄り道して、夫婦で
乗り換える気満々の話をして、月曜日夜に予約。(夜もやっているというのはいいね。)
モールに車を止めて、カレシとデイヴィッドは酒屋へ行き、ワタシはスーパーへ。カート
ごと車まで運べるので、4リットル入りミルク、3リットル入りオリーブ油、缶詰類と、重い
ものをどっさり。夕食のとんかつにする豚ヒレも2本。

車は月曜の午後に点検に持って行くことになって、やっと落ち着いたカレシとデイヴィッ
ドは買って来たビールを飲みながら積もる話(と言っても、いつもスカイプで話している
2人)。ワタシはときどき茶々を入れながら、カレシご注文のとんかつ作り。まるで台風
通過中のような午後だったけど、遠来の客は楽しいよね。家族だから気を遣わないで
いいし。後でベースメントの奥の部屋にベッドの支度をしなきゃ・・・。

☆感謝祭のディナーは三羽鳥

2013年10月15日 | 日々の風の吹くまま
10月14日。 今日は感謝祭(サンクスギビングデイ)の月曜日。お盆のようなアメリカのそれとは違って、カナダの感謝祭は一斉に帰省という習慣がないから割と静か。近くに住んでいる家族なら集まってにぎやかにテーブルを囲むんだろうけど、子供のいない私たちはいつも2人だけの感謝祭。この日のディナーは「七面鳥の丸焼き」が定番だけど、2人しかいないから、我が家で5キロも7キロもある大きな鳥を焼いても食べきれない。手を変え品を変えしても、1週間もしないうちにげんなり。でも、感謝祭はやっぱり七面鳥だから、そこで・・・。

今日のメニュー:
 なすとししとうの醤油炒め(アミューズブーシュ)
 鶏の唐揚げとししとうの素揚げ
 七面鳥とスタッフィングの重ね焼き
 鴨の胸肉のコンフィとラタトゥイユ

[写真] カレシ菜園で取れたししとうの小さめのと小さなへそ曲がりなす3個を、見つけたレシピの通りに油で炒めて、砂糖と水、醤油で調味。じゃこがないので削り節をぱらぱら・・・。

[写真] 鶏の胸肉の半分を適当に切って、から揚げ粉ミックスをまぶしておいて、食べる直前に揚げた。ししとうはこれで栽培シーズン完了。にんじんのスライスでかっこつけ・・・。

[写真] ここで定番「七面鳥」のお出まし。でも、胸肉の一部だけなので、定番通りの調理はできない。そこで、寝酒のおつまみにしているバゲットチップ(ハラペーニョとオニオン味)の砕けたのを集めて、チョッパーにかけて即席パン粉を作り、パセリの代わりに刻んだコリアンダーとタイム少々でスタッフィング。ちょっぴりメキシカンの香り。ここで七面鳥を刺身の要領で薄くそぎ切りにしたのをスプリング式のガレット枠にスタッフィングと段々に重ねて、食前酒が出る前にトースターオーブンで焼き始め。枠から外して4つに切り分け、少し乾いた表面にテキーラを少々振りかけてみた。付け合せは蒸した芽キャベツと3色のピッコロポテト。

[写真] 今日のメインは鴨の胸肉のコンフィ。一番時間がかかるから、まずいの一番に1羽分の胸肉を皮ごと2つずつに切って、鍋でさっと火を通してから、スロークッカーに溶かしておいた自家精製の鴨の脂に沈めて、柔らかくなるまで3時間ほどコトコト。カレシが大好きなラタトゥイユは少量作ってもおいしくないので、大きい鍋で2回分まとめて調理。付け合せは蒸したベビーズッキーニと2色にんじん。

魚と違って、肉のメニューはスロークッカーやオーブンでコースとのタイミングを合わせて調理すれば、食べるときは野菜を調理するだけなので、楽でいいな。

ちなみに、今年は感謝祭のメインコースとして「ターダッケン」が人気らしい。骨抜きした大きな七面鳥の中に骨抜きした鴨を丸ごと詰めて、その鴨の中に骨抜きした鶏を丸ごと詰め、鶏の中にソーセージ肉などを使ったスタッフィングを詰めて焼くというもので、アメリカのルイジアナ州の肉屋が始めたと言われる。でも、テーブルでスライスした一切れは700~800カロリーもあるそうで、これにグレヴィーやらポテトやら付け合わせやらホイップクリーム山盛りのパンプキンパイを食べたら、いったい何千カロリーになるやら。そのまま冬眠してしまいそう・・・。


のめり込んじゃダメよ

2013年10月15日 | 日々の風の吹くまま
今日はちょっと疲れた気分。でもまあ、東京は台風で電車が止まったりするだろうから、
今日は仕事どころじゃないだろうと見込んで、のんびりを決め込む。本当は食糧備蓄が
減って来ているので、買い出しに行った方がいいんだけど、例によってカレシがむにゃ
むにゃとはぐらかし作戦に出てきたので、あっ、そうですかぁ。

スカイプの英語レッスンはいいんだけど、どうも少々のめり込み始めている兆しがある。
英語先生はカレシの老後の生き甲斐プロジェクトなので、止めろと言うつもりはないけ
ど、「のめり込み」は別問題。ゲームやSNSにのめり込むのと似たようなもので、寝て
も覚めてもレッスンのことで頭がいっぱいになって、それ以外のことがめんどうくさくなる。
放っておくと日常生活でするべきことをする時間も惜しくなって、先延ばし、先延ばし。
まあ、カレシにはそういう「のめり込み」が大ごとに発展して、危うく人生を台無しにしか
けた前科があるから、自制が必要なことはわかっていると思うけど・・・。

ネットの世界では、何千キロも離れた相手とのいつ突然切れるか(切られるか)わから
ない不安定な関係になるからこそ、特に拒絶されるのを恐れる人や見捨てられ不安を
抱えている人はしがみ付くような気持でのめり込みやすいんじゃないかと思う。よく知り
もしない相手を信頼するわけがないから、自分の不安を払拭するため?に相手を支配
しようとしているうちに、その支配願望に束縛されて、逆に支配されてしまうのかもしれ
ない。ミイラ取りがミイラになるようなものだけど、何か魂胆のある相手だったらタイヘン
なことになりかねない。

スカイプレッスンの生徒には英語勉強以外の魂胆はないだろうけど、それでものめり込
めば日常生活に支障を来たして来ることには変わりない。でも、のめり込むなと注意す
ると(たぶん罪悪感から)へそを曲げるだろうから、そこはやんわり作戦。ねえ、この頃
は何かしょっちゅうコーヒーだとかミルクだとか切らしちゃうと思わない?と水を向けたら、
「そう言われればそうだな。忘れっぽくなったのかなあ」と、わかった顔でボケたふり。あ、
まだ重症には至っていなさそう・・・。

感謝祭のディナーは三羽鳥

2013年10月14日 | 日々の風の吹くまま
感謝祭のディナーと言えば「七面鳥の丸焼き」が定番だけど、2人しかいないから5キロ
も7キロもある大きな鳥を焼いても食べきれない。手を変え品を変えしても1週間もしな
いうちにげんなり。でも、感謝祭はやっぱり七面鳥。そこで・・・。

カレシ菜園で取れたししとうの小さめのと小さなへそ曲がりなす3個を、見つけたレシピ
の通りに油で炒めて、砂糖と水、醤油で調味。じゃこがないので削り節をぱらぱら・・・。
     
       なすとししとうの醤油炒め(アミューズブーシュ)

鶏の胸肉の半分を適当に切って、から揚げ粉ミックスをまぶしておいて、食べる直前に
揚げた。ししとうはこれで栽培シーズン完了。にんじんのスライスでかっこつけ・・・。
     
       鶏の唐揚げとししとうの素揚げ

ここで定番「七面鳥」のお出まし。でも、胸肉の一部だけなので、定番通りの調理はでき
ない。そこで、寝酒のおつまみにしているバゲットチップ(ハラペーニョ味)の砕けたのを
集めて、チョッパーにかけて即席パン粉を作り、パセリの代わりに刻んだコリアンダーと
タイム少々でスタッフィング。ちょっぴりメキシカンの香り。ここで七面鳥を刺身の要領で
薄くそぎ切りにしたのをスプリング式のガレット枠にスタッフィングと段々に重ねて、食
前酒が出る前にトースターオーブンで焼き始め。枠から外して4つに切り分け、少し乾
いた表面にテキーラを少々振りかけてみた。付け合せは蒸した芽キャベツと3色のピッ
コロポテト。
     
       七面鳥とスタッフィングの重ね焼き

今日のメインは鴨の胸肉のコンフィ。一番時間がかかるから、まずいの一番に1羽分の
胸肉を皮ごと2つずつに切って、鍋でさっと火を通してから、スロークッカーに溶かして
おいた自家精製の鴨の脂に沈めて、柔らかくなるまで3時間ほどコトコト。カレシが大好
きなラタトゥイユは少量作ってもおいしくないので、大きい鍋で2回分まとめて調理。付
け合せは蒸したベビーズッキーニと2色にんじん。
     
       鴨の胸肉のコンフィとラタトゥイユ

魚と違って、肉のメニューはスロークッカーやオーブンでコースとのタイミングを合わせ
て調理すれば、食べるときは野菜を調理するだけなので、楽でいい。

ちなみに、今年は感謝祭のメインコースとして「ターダッケン」が人気らしい。骨抜きした
大きな七面鳥の中に骨抜きした鴨を丸ごと詰め、その鴨の中に骨抜きした鶏を丸ごと
詰め、鶏の中にソーセージ肉などを使ったスタッフィングを詰めて焼くというもので、アメ
リカのルイジアナ州の肉屋が始めたと言われる。でも、テーブルでスライスした一切れ
は700~800カロリーもあるそうで、これにグレヴィーやらポテトやら付け合わせやら
ホイップクリーム山盛りのパンプキンパイを食べたら、いったい何千カロリーになるのか。
そのまま冬眠しちゃいそう・・・。

感謝祭、幸せに感謝

2013年10月14日 | 日々の風の吹くまま
感謝祭(サンクスギビングデイ)の月曜日。カナダの感謝祭はお盆のようなアメリカの
それとは違って割と静か。近くに住む家族は集まるだろうけど、子供のいない私たちは
いつも2人だけの感謝祭。こういうときはワタシのおなかに数週間だけ宿って天に帰っ
て行った子供が生まれていたらなあと思ってしまう。生まれていれば今ごろは三十路。
(女の子だったと信じているから)家庭を持っていれば婿さんと子供たちを連れて来て、
おばばとおじじは走り回る孫を追いかけるのに大わらわかな。

女の子なら「マヤ」と名づけるつもりでいた幻の子に生まれて来て欲しかったけど、神
様が生まれない方が子供のためだと判断したから、ワタシのマヤは神様の元へ帰って
行ったんだと思う。妊娠したとわかる前だったのは神様のせめてもの心遣いだったんだ
ろう。まあ、ずっと後になって神様の判断は正しかったんだと納得したけど、やっぱりと
きどきは「あの子」が生まれていたらなあ、と思う。さびしいとか老後が不安とかじゃなく
て、純粋にワタシとカレシの血を分けた子供が欲しかった・・・。

でも、子供がいなくても今のワタシは幸せ。子供の頃から「ボクの大好きな伯母ちゃん」
と言ってくれる甥のビルはもう40半ばのおっさんで、姉さん女房のサンドラとの間に娘
テイラー、息子ジェイク。父の会社を継いで社長業に忙しい妹セーラはワタシがカナダ
に来た年に生まれたから38歳。イケメンの営業担当副社長ロブとの間に息子エイダン
と娘アナベルがいる。姪のスーザンは36歳。モンティとの間に生まれた息子エヴァン
は満1歳。妹のローラはまだ新婚ほやほやで、今日が満30歳の誕生日。甥や姪がい
て、みんな結婚して、甥孫や姪孫がいて、ワタシはみんなのおばちゃん。

でも、次の世代はもうみんな30代なんだなあ。まあ、親の世代だってもうみんな60代、
カレシなんか先頭を切って70代だもんね。カレシと、95歳の義母、2人の義弟、2人の
義妹、子供世代4人、孫世代5人・・・これがワタシの「家族」。嫁姑問題もなく、嫁さん同
士で何かと精神的に支え合って来た義妹たちとは「義」の字を取っ払っての仲良し3人
姉妹。日本的な冠婚葬祭の付き合いはないけど、いつでも頼れる家族がいるのは幸せ。
神様、ワタシの守護天使様、今の幸せな人生に感謝します。アーメン。

魔法のきのこが生えた?

2013年10月13日 | 日々の風の吹くまま
明日は感謝祭のご馳走を作る日なので、今日はそれに備えて「休養日」。小町横丁に
遊びに出かけたら、あら、何とも楽しい人がいる。アプローチして来る男性が外資勤務
で年収1千万円台とわかったら、「急に愛おしくなって来て、ぐんぐん好きになって止ま
らない」と。何とも「釣り」っぽいトピックだけど、とりあえずは「おめでとさん」。1千万円
でセレブ生活が見込めるのかどうか知らないけど、小町哲学では「幸せな結婚は愛よ
りもお金」だから、書き込みも概ね「いいじゃないの」。何だかOECDの世界成人力調
査の「数的思考力」で日本がダントツの1位だったというニュースとダブって、笑っちゃっ
た。

お金よりも愛で結婚したのに「愛が薄くなった」と嘆く人もいる。ダンナががんばって出
世してお金の不自由はしなかったけど、さびしい、お金がなかった頃が懐かしい、と。こ
れは同じく世界1位の「読解力」がいりそうな、うっとり目で書かれた文章。まあ、国際結
婚ブームの頃には「白人しか愛せない」、婚活ブームで「格上の人にしかときめかない」
といった現実離れした悩みごとは、ネットの空間を徘徊する「トロル」という妖怪の作品
だったりする。小町のは概して稚拙だけど、何年か前には読者の反応を巧みに操って
小説として売れそうな名作を何本も残した天才トロルもいたな。はて、しばらく出没して
いないようだけど、どうしたのかな。才能が枯渇しちゃったとか・・・?

ネットはトロルが住む現実と仮想の入り混じったあやふやな魔界であれば、魔法にはき
のこがつきもの。マジックマッシュルームは幻覚きのこのことだけど、我が家の庭の片
隅ににゅっと生えて来た大きなきのこはどんな魔術に効くのかな。

     
きのう  
     
今日   
     
いや、魔術はどうでもいいけど、もしかして食べられるのかな、これ?

1円玉がなくなったらどうする?

2013年10月12日 | 日々の風の吹くまま
炭酸水を作るカートリッジが2本とも空になったので、カレシがシステムの問題と格闘?
している間、ワタシは新しいのと交換しにモールへ。炭酸水はカレシの制酸剤代わりな
ので、こういうカリカリしているときは特に消費量が増える。トートバッグを肩に、行って
来るよ~と言ったら、「ついでにトマト、買って来てくれる?」とカレシ。 いくつ?「大きい
の1個でいいよ」。はい、トマト1個。「ついでにアーモンドも頼む」。はいはい、切らして
いる朝食用のね。(ワタシ、御用聞き?)

金属のカートリッジ2本は空でも重い。ベイの地下にある台所用品売り場のレジに直行。
交換すると値段は新品の3分の1。ガスといっても質量があるから、新しいカートリッジ
は空のよりも重い。これでは道草を食っても楽しくないので、まっすぐセイフウェイへ。カ
レシご注文のトマト1個。程よく熟れた大きいのを選んでかごにポイ。アーモンドは細長
く刻んだものの中くらいの袋をかごにポイ。ついでにオートミールに振りかける黒砂糖
をひと袋ポイ。レジに行く途中でくっつかない厚手のアルミホイルをひと箱ポイ・・・。

合計16ドル97セント。50ドル札を出したら、お釣りが20ドル札と10ドル札が1枚ずつ、
2ドル硬貨と1ドル硬貨が1個ずつ、そして5セント硬貨1個。あれっ?と思ったけど、そ
うか、1セント硬貨(ペニー)が廃止されたので、3セントのお釣りは二捨三入して5セン
トに切り上がるわけか。得した気がしないでもないけど、もしも端数が98セントだったら、
2セントは切り捨てになって、お釣りは33ドルちょうどになる勘定で、この場合は損した
気分になるのかな。長い目で見ると損得はとんとんになるそうだけど。

重くなったトートバッグを肩に、いざ家路。てくてく歩いている間は完全にワタシだけの
「空間」だから、何にも邪魔されずにあれやこれやと夢想、空想するのは楽しい。カナダ
が1セント硬貨を廃止したのは製造コストが額面の1.5倍になったから。ちなみに日本
の1円アルミ硬貨の製造コストは3円だそうで、額面の3倍はいかにも不経済そうだけ
ど、完全に廃止されることはないだろうな。お釣りを二捨三入・七捨八入(もらえたり、も
らえなかったり)するなんて、いい加減すぎると感じるんじゃないかと思うから。

外国語をしゃべるのはストレスになるよね

2013年10月11日 | 日々の風の吹くまま
日本の金曜日の終業時間までに仕事が入らなかったので、ワタシは晴れて完全「遊び
モード」の週末。おまけに感謝祭の三連休(ロングウィークエンド)。さらにおまけにカレ
シも土曜日のスカイプレッスンの生徒がキャンセルして来て、どうやら2人揃ってご隠居
さんモード。日本も三連休らしいから、なおいいね!

きのうの夜、ジャーナルの3冊目に日付と共に2ページほど書き込んで、最後に「よし、
次、行こう、次」みたいな感じで締めた。今日からは新しく4冊目。まっさらなノートを見
ると、ちょっとはやる気も出ようと言うもの。朝食後のコーヒーを飲みながら、行動の描
写は現在形、人物のせりふは過去形という構成もおもしろそう、なんてつらつら。小説
講座のカレン先生の処女出版作は全編を現在形で書いてあって、そのリズム感が新
鮮だったな。過去と現在・・・この2つをどのように区切って、どのようにつなぐか。これ、
人間の永遠のテーマのひとつでしょ?

これまでいろんな人に「日本のことを書いたら?」と言われて来たけど、それはないだろ
うと思うな。だって、母国の原風景をバックにしたものを1、2冊書いて飽きられてしまう
「エスニック作家」になりたくないし、ワタシの原風景にある「日本」はNHKが発信する
「日本」とは違うようだから、英語人の読者が求める日本像は書けっこないだろうし・・・。
じゃあ、いっそのこと日本語で書いたらどうなのか。ずっと昔はそう考えたこともあるに
はあるけど、それもやっぱりないだろうな。だって、日本語環境でのワタシはどうしようも
ない「KY」で、書けるのは自己完結のブログくらいなものだし・・・。

ワタシは小学生の頃に大きくなったら小説家になると言って、未だに「永遠の(劇)作家
志望」のままなので、こういう想像上のジレンマも楽しからずや。実際のところは、もう
英語の方が楽だから英語で書いているだけの話。だって、社会人になってからの人生
の80%以上を英語で暮らして来て、日本語は「職場・仕事で使う第2言語」。仕事言語
だから、読解力はまだ「世界一」の日本人のレベルだし、作文もできるけど、いざ話すと
なると、発音や語彙を意識しすぎてストレスになる。このあたりは日本語で暮らしている
人が職場で英語を使うのと似たようなもんじゃないのかな。外国語をしゃべるのって、
けっこうストレスにならない?

ああ、芸術の秋の虫

2013年10月10日 | 日々の風の吹くまま
ワタシが尊敬するアリス・マンローがノーベル文学賞をもらった。カナダのチェホフと言
われ、エレガントな白髪のおばあ様という感じで、ワタシには憧れの人だな。だだっ広
い国に3300万人しかいなくて、しかも英語を母語としない人口の比率も高いカナダで
は、5千部売れたらベストセラーの範疇に入るくらいに市場が限られているので、有名
になっても作家業だけで食べて行くのは難しい。そのカナダからノーベル賞文学者が
出たんだもの、うれしいを通り越して誇らしい気持。

ゆうべの芝居の構成や心理の絡み合わせの巧妙さにいたく感銘を受けて、だれていた
ワタシにもまた創作意欲がわいて来たところだった。気持はだれていても、翻訳業と言
う、まあ一応は「書く」仕事をやっているせいか、頭の中も心の中も様々なドラマや感情
がいつも万華鏡の状態。それが何らかのきっかけに刺激されて、もやっとした形を作っ
ては「言葉で表現しろ!」と要求して来る。最近はいろんな意味でその「きっかけ」が重
なって、ワタシの「書きたい虫」が卵から孵ったのかもしれないな。

卵から孵りたての書きたい虫はまだ「青虫」なんだけど、一緒に「絵描き虫」も「弾きたい
虫」もぞろぞろと孵化して来てしまったから、「芸術の秋」は罪深い。とりあえず「書きた
い虫」が這い回った手書きノートを出してみた。壊れた自分を再構築するつもりでカレッ
ジの創作講座を受講し始めてから書き始めたノートは3冊。気持が穏やかなときは細
かな字で書いてあるけど、心の中で嵐が吹き荒れているときは字も大きくて乱雑な書き
方。さすがに3冊目になるとそういう荒れた文字はめったにないけど、自分の精神状態
がもろにわかる貴重な記録でもある。

ジャーナルと呼ばれるこの種のノートは手で書くことに意義があるんだけど、ワタシの
手は漢字もカナも忘れてしまったし、日本語では自分の深いところにあるものを表し切
れないというもどかしさもあったので、すべて英語で書いてある。3冊目はあと数ページ
で終わりだから、新しく4冊目を始めようか。柔らかな革のカバーには新しいワタシのイ
ニシャル。いつかこの中からドラマの種が芽を出すかもしれない・・・と「永遠なる劇作家
志望」のワタシは果てしない夢を見る。ああ、芸術の秋とはよく言ったもんだ。

結局は女が支配するということ

2013年10月09日 | 日々の風の吹くまま
今日はArts Clubの『Venus in Fur』のオープニングナイト。シーズン2つ目で、グランヴィルア
イランドの劇場での第1弾。比較的新しい作品で、「マゾ」の元祖ザッヘル=マゾッホの小説『毛
皮を着たヴィーナス』を下敷きにした男と女の二人芝居。レセプションの会場は劇場のロビーの
上のラウンジで、舞台監督のアシスタント(女性)が「場所は言えませんが」と(??だからね)、
演出家、出演者と一緒にS&M宿に「見学」に行ったという裏話を披露。ふむ、芸術ってけっこう
タイヘン。

休憩なし90分の二人芝居の男の方はマゾッホの小説の翻案劇を書いた劇作家トーマス。女の
方は、「ヴァンダ」を演じる女優のオーディションをやって「みんな、アホ、バカ、低脳、頭空っぽで
使えねぇ」とわめいているトーマスのところへ、雷雨の中を駆けつけて来てオーディションを要求
する女優ヴァンダ(名前だけでなく、持参したものにも伏線がたっぷり。)自分こそ適役、ノーとは
言わせないというヴァンダの突っ走りに振り回されて、トーマスはしぶしぶオーディションの本読
みに応じる。が・・・。

舞台はずっと2人だけなので、主役はせりふ。読み合わせの「劇中劇」の人物のやりとり(時代
物風の言葉使い)と「劇」の人物のやりとり(今どきの言葉使い)が目まぐるしく切り替わるので、
神経を集中していないと、どっちがどっちなのかわからなくなって来る。どうもそれが作者アイヴ
スの狙いらしい。ヴァンダの巧みな誘導で劇中劇の男女の役が入れ替わって、トーマス演じる
「女」が、ヴァンダ演じる「男」に支配してくれと求める構図になり、芝居と現実、マゾとサド、男と
女の力関係まで線引きがあやふやになって来る。トーマスがヴァンダに真っ黒な長いブーツを
履かせる場面では満員の客席が息を潜めて、し~ん。最後は毛皮のコートに身を包んだヴァン
ダが「アフロディーテばんざ~い」と勝ち鬨を挙げ、首輪で柱につながれたトーマスが唱和して、
雷鳴と共に幕。

アフロディーテはギリシャ神話、ヴィーナスはローマ神話の愛の女神。「女神」と言うところに、形
はどうあれ「男女のパワーゲームを支配するのは女」という古代の人の見識の深さが現れてい
るような気がするな。(野生動物の世界では交尾する相手を選ぶ決定権はメスが握っていること
が多いそうだしね。)ふう。1時間半ぶっ通しで力を入れていたせいか、ちょっと肩が凝ったけど、
すご~く見ごたえのある芝居だった!

秋の青空の下を歩きながら

2013年10月08日 | 日々の風の吹くまま
今日はきのうのうちに仕上げておいた仕事をさっと見直して送って、さっと着替えをして、トート
バッグを担いでモールまでてくてく。見上げると、いかにも秋だ!という感じの抜けるような青い
空。気持がいいね。まず銀行で用を足した後、野菜を少し。ああ、シャンテレルきのこの季節だ。
そういえば来週の月曜日は感謝祭。何を作ろうかなあ・・・。

モールを歩くと、ヒジャブやターバン姿の人たちに普通に出会う。多民族多重文化国家のカナダ
は、色も形もサイズも思想も宗教も実に多種多様。ワタシはそういうところが好きだけど、水面
下ではいろんな反感や差別感情が交錯しているだろうし、カナダ社会との融和を拒む特異な特
定集団に対する猜疑心や不信感がもやもやしているだろうな。まあ、そういう風潮は世界のどこ
でも多かれ少なかれあるんだろうと思うけど、それが政治的思惑やメディアの風に曝されている
うちに「ヘイト」の感情として固まると、よくもあんなに憎悪を燃やせるもんだと思うくらいに燃え
盛るから怖い。

能天気なワタシには特に嫌いな人はいないけど、その感情はわかるな。自分を不安にさせるも
のを排除したい気持も防衛本能として理解できる。でも、自分と直接関わりのない人への激しい
憎悪は想像すらつかない。もっとも、人間て、自分の中に閉塞感や不安、嫉妬といった重たい感
情が溜まって来ると、自分の外に「嫌う」対象を必要とするらしい。だって、自分を嫌いと言うの
は、寅さんじゃないけど「それを言っちゃあおしまいよ」。そこで、自己嫌悪感を自分の外に転嫁
するとなれば、自分とは精神的な関わりのない人、自分が属さない集団が安全。他の人たちも
嫌っている(らしい)特定の集団ならより安心。ということは、安心感を求めているのかな。さびし
いんだな、きっと・・・。

まぶしい青空の下を、人間同士「live and let live」(「自分も生き、人も生かせ」または「自分は
自分、人は人」)じゃダメなのかなあ・・・なんて、重くなったトートバッグを肩にてくてく歩きながら
とりとめなく考える。重いのは思いつきで買ってしまったハロウィンのかぼちゃ。小ぶりだけど、
久しぶりにお化けランタンを作ってみるか・・・。

家事三昧の週末の後は

2013年10月07日 | 日々の風の吹くまま
仕事がなかった週末は、洗濯をしたし、塩ヨーグルトを作り、土曜日の夕食に使って残った筍で
メンマも作った。メンマといっても、スライスした筍を醤油と一緒に電子レンジで調理して、ごま油
とラー油を加えただけ。ひと晩おいたら思いの外いい味になっていたので、日曜日のランチは冷
凍ラーメン。袋の写真をまねてほうれん草と鳴門巻きも入れて、メンマたっぷりの東京風?ラー
メン。おいしかった~。

今日の郵便受けには日本の協会から送られて来た会員のエッセイ集。去年に続いて第2回目。
ワタシも一筆啓上して、クライアント2社は送付先リストに載せておいたので、これは自分用。会
員は日本語人も英語人もいるから、エッセイも英語と日本語。ワタシは特に考えずにさっと英語
で書いちゃったけど、自分が書いた文章を印刷物として読むのはちょっとくすぐったい感じがす
る。若い世代が一人前に自論を展開しているのは頼もしいな。ちょっと青いところもあるけど、ま
あ、それが若さってもんだから。

月曜日の今日は仕事ひとつ。「やれやれ、またか」と言う内容だけど、くどくど長くなくて助かった。
それにしても「何とかハラスメント」の多いこと。表面に波風を立てないのが建前だから、水底に
溜まって飽和状態になった澱がふつふつと表面に浮いて来ているのかと思うくらい。日本発の
「パワハラ」などは「power harassment」として逆輸入されて、英語になりつつあるからすごい。
英語ではよく「workplace bullying(職場でのいじめ)」という表現が使われるけど、何か今ひとつ
子供のいじめのイメージだったのが、harassmentだと大人の「嫌がらせ」のイメージになるのか
な。

まあ、どっちでもそれをやる人の精神の幼稚さは変わりがないと思うけど、自我が未熟だから、
ものごとが自分の思うように行かないと、イライラして来て、その不満の捌け口が必要になるん
じゃないかと思う。それが愚痴などで収まらなくなると、今度は不安感情が募って来て、それを
打ち消すものが必要になるんだろうな。でも、いじめも嫌がらせも、自分より弱いものに向けても、
強いものに向けることはまずないのはどうしてかな。その方が楽だからなのか、自信がないから
なのか、そこは心理学者に聞かないとわからないけど、まじめに仕事をしたら、何か答らしいも
のが見つかるかな・・・。

自分の番が来たことを知らせる夢

2013年10月06日 | 日々の風の吹くまま
ヘンな夢を見ながら午後1時まで眠ってしまった。カレシと旅行中だったのか、ホテルらしい部屋
の中で忘れ物がないことを確認。切り替わったシーンはどうやら空港。なぜかワタシだけさっさと
先に行って、搭乗口で持っていたのはパスポートだけ。搭乗券は?と振り返ったら、カレシの姿
がない。空港中を探し回ってやっと見つけたら、なんと元の搭乗口にいた。搭乗券は?聞いたら
「バッグから出すのがめんどうくさい」と。こらっと言いかけたところで目が覚めたけど、ちゃんと
飛行機に乗って帰って来れたのか・・・。

Dream Dictionaryによると、夢の中の旅は人生の行程、パスポートは自分のアイデンティティと
様々な場面をじっくり考察する能力を表し、混みあった空港は野心的な新しい始まりを暗示する
とか。何だか意味深な夢だけど、カレシが搭乗券を出し渋ったのはどういう意味があるんだろう。
まあ、10年くらい前まではカレシが姿を消してしまう夢を繰り返し見たもんだけど、近頃はちゃん
とカレシが見つかるから、この10年でワタシの深層心理も様変わりしたと言うことかな。

こんな夢を見たのは、金曜日のインタビューのときに、ミシェル・リムル作の『Henry & Alice:
Into the Wild』の話をしていたせいかな。50歳でリストラされて失業中の夫ヘンリーとのキャン
プで、アリスが「着たかったドレス」の話をする場面がある。「ショーウィンドウにあった、あのドレ
スを着たかったの。でも、その機会はもう来ないかもしれないわ」というアリス。自分の夢を脇に
置いて専業主婦として家庭を守りながら「いつか自分の番が来るのを待っていた」というアリス
の言葉はワタシの心にぐさっと刺さった。

あの場面がふと浮かんで来て、ゆうべの夢はワタシにも「自分の番(my turn)」が回って来たこ
とを暗示しているのかなと思った。36年間、家庭を切り回しながら、この国に深く根を下ろして、
独りになっても生きて行けるようにがむしゃらに働いて、やっとひと息ついたワタシ。アリスがい
つか着られる日を待ち続けたあの「ドレス」(若き日の夢)は、もう着られないだろうと思うけど、
新しいドレスを見つければいいんだよね。ワタシの番なんだもの、ミニでもイブニングでも何でも、
自分が着たいドレスを。