リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

リタイアモードにスイッチを切り替え

2023年01月14日 | 日々の風の吹くまま
1月12日(木曜日)。🌧🌧🌧。朝から雨もよう。特に大雨注意報は出ていないけど、今夜は25ミリ、明日は20ミリくらい降るらしい。最高気温が10度なんて言っているから、まちがいなく「パイナップル特急」。週末にちょっと小康状態になって、来週の火曜日にはまた35ミリ降って、翌日の水曜日には小雨になるけど、今度は大風。予報では6メートルから瞬間風速10メートルというから台風並み。おいおい、水曜日の夜はArts Clubの今シーズン一番の大作『Forgiveness』のオープニングナイトなんだけど、大丈夫かな。

翻訳担当者から原稿を最終版に仕上げて納品したというメールが来ていたので、ガチガチに退屈な仕事はおしまい、ピリオド。日英のどっち方向でもやれるんだけど、やっぱり翻訳も校正編集も英語訳の方がやりやすい感じがする。まあ、最初の10年が英日で、退屈なビジネス文書がほとんど、次の20年は日英がメインで、科学論文とか興味津々のものが多かったから、頭の中がそういう配線になっているんだと思う。もっとも、専門用語がずらりで、動詞の訳語まで指定されていて、文章を考える余地があんまりなかったから退屈だったわけで、翻訳担当を仰せつからなかったのは大助かり。何しろ社長直々の仰せだからお断りしにくいし、引き受けたらお金を払ってくれる以上は、片手間仕事なんて言語道断。しっかり腕まくりのたすき掛けで、責任をもってやらなければプロの沽券に関わるってもの。でも、終わってしまえばこっちのもので、リタイアモードにスイッチを入れ替えて、ああ、やれやれ。

雨足が強くならないうちにウォーキングを済ませて、先週解体したままレクルームに放り込んであったクリスマスツリーを地下の収納ロッカーにしまうのに梱包する作業。まずは枝をぎゅっと束ねて、ひもでぐるぐる巻きに縛って、解体したスタンドを添えて、両端にLLビーンの頑丈なビニール袋を被せて、さらに古毛布でぐるぐる巻き。太い紐で何ヵ所も縛ったら、ツリーの面影も何もあったもんじゃなくて、抱きかかえて立てると、うん、何となく怪しげなジョークが浮かんで来るな。午後にブードルズを買いに車を出すから、ついでに駐車場と同じ地下2階の8番ロッカー室にある我が家専用の収納ケージにしまえば、ホリディシーズンは完全に終わり。上下を分解してもワタシの背丈ほどあるツリーと格闘していたら、背中が痛くなるし、膝はがくがく。あっという間にランチの時間で、今日はきのう作ったハンバーグの残りを丸いパティにまとめておいたのを出して来て、ハンバーガー。チーズとピクルスとレタスを入れて、たまたま冷凍庫に残っていたサワードウの丸パンにはさんだら、マクドナルドのよりおいしいハンバーガーのできあがり。チョッパーで少量の植物油を足して肉を挽けば卵やつなぎがいらないから超簡単で低カロリー。脂身のないシチュー用の牛肉300グラムで、晩ご飯のハンバーグとランチのバーガーが2人前ずつできることがわかったので、これからときどき作ることにしよう。



午後、毛布に包んだクリスマスツリーをロッカールームに収納して、ブードルズを買いにミニドライブ。ガソリンを入れるはずだったけど、カレシが(いつものように)「今日はまだいいよ」。ゲージのラインはまだ3本だから、バンクーバーまで行ける量はあるってことで、ま、いっか。夜にはすっかり「リタイアモード」に落ち着いて、本腰を入れて脚本の翻訳。ヘッドフォンでハードロックを聞きながら、ベートーベンやショパンの話をする場面の台詞を英語から日本語に翻訳しているから、私の脳内は不協和音でいっぱいだと思われるかもしれないけど、ロックが20世紀の音楽なら、コープランドも20世紀のアメリカ音楽。音楽は言語、言語は音楽・・・。


ほどほどにというのが一番難しいところ

2023年01月12日 | 日々の風の吹くまま
1月11日(水曜日)。☁🌥🌤。こぶの日。静かな日。どよぉ~んとした空模様だけど、、なぜか南の方が明るい。南の方と言うと、青空が見えているあたりは国境の南。つまり、アメリカの方は晴れているってことか。何でアメリカ側が晴れていて、カナダ側はどんより曇り空なんだろう。人間が勝手に地図の上に引いた線のあっちとこっちで、片側は晴れ模様で反対側は曇り空なんて、フェアじゃないよね。あのぉ、お日様さぁ、この鬱陶しい雲をずっと北の方へプッシュしてくれないかな。でなかったら、このどんより曇を南の方に押しやっちゃうけど、それでもいいのかな。でもまあ、お天気は国境なんか知ったこっちゃないからね。


きざきざの山脈が北へ伸びて来て・・・

国境を越えて来て・・・

さらに北に向かって・・・

普通なら今ごろの季節にワシントン州からBC州の方に数珠つなぎになって流れて来ているはずの「大気の川」(通称「パイナップル特急」)が、今年はずっと南のカリフォルニア州の方に行っていて、北部のサンフランシスコやサクラメントで土砂降りの雨を降らせて、あちこちで洪水が起きていたと思ったら、今度はさらに南のロサンゼルスで土砂降りになって、100年に一度の洪水が危惧される事態。パイナップル特急はたいてい3個ぐらい続いて来るから、とうとうカリフォルニア州の人口の何と90%が洪水注意報の対象になっているという話。まあ、何年も旱魃が続いていたカリフォルニアでは、去年はケチャップにするトマトが大不作で、テイクアウト用の小袋の需要増と重なって、アメリカ全国でケチャップ不足が起きたくらい(アメリカはケチャップなしでは夜も明けない国)だから、大気の川が南に流れて、乾き切ったカリフォルニアを潤しているのは喜ぶべきなのかもしれないけど、でも、乾いた地面にはなかなか水が浸み込まないから、いきなり土砂降りでは手に負えないよね。

やっぱり何でも「ほどほどに」が一番だと思うんだけど、世の中で一番難しいのもこの「ほどほどに」かな。何でも「ほどほどに」やっていたら、大量生産と大量消費のビジネスモデルは機能しなくなるだろうから、次々と新製品が出て来なくなりそうだし、ビジネスが繁盛しなくなって経済は成長しないだろうな。地球には優しくなって、気候も季節の移ろいも天気も、ちょっとは穏やかになるかもしれないし、大食いもしなくなって健康にもいいかもしれないけど、せっかちになり過ぎた人間の生活が穏やかになって、精神的にもゆったりするかどうかは、たぶん別の話。もしかしたら時間の大量消費もなくなって、人間は暇を持て余してしまうかもしれないな。で、人間が暇になってしまうと、あんまりろくな事はないような気もする。ほんとに、「ほどほどに」はやっぱり難しいね。

仕事が終わったから、肩の力を抜いてのんびりとリタイア暮らしに戻ろうと思うんだけど、その切り替えがけっこう難しくて、1日中何となくそわそわ、うろうろ、だらだら。困ったもんだと思うけど、何とか気持を入れ替えて、あしたからは芝居脚本の翻訳に熱中しよう。仕事として翻訳に没頭しても楽しくないけど、やりたい翻訳に熱中するのは、どんなに難しくても楽しいから、結局のところ、「ほどほどに」はどこかへ吹っ飛んでしまいそう。ま、それがリタイア暮らし。今日の晩ご飯は、ちょっと目先を変えて、シチュー用の牛肉をチョッパーで挽いて、ハンバーグステーキを作ってみようかな。簡単、簡単。よし、ハンバーグゥーで行こうっと。



高層マンションも築10年となると

2023年01月12日 | 日々の風の吹くまま
1月10日(火曜日)。🌥🌤☁🌤。雨、ひと休み。でも、朝日は相変わらず分厚そうな灰色の雲と地平線の間から顔を出しているけど、南から西にかけて(下流の方)は明るいから、今日は予報通りに日が差してくれるかな。そこのところを期待して、ワタシは午前中は日本ではまだみんな眠っている時間だからと、仕事はほったらかし。カレシは11時にドイツのエスターとのレッスンがあるので、早めにウォーキング。

ロビーから外に出たら、前の道路に水漏れやガス漏れなどの応急修理をする会社のトラックが2台と配管屋のトラックが1台、フローリング業者のトラックが1台。そっか、年が明けてから朝の9時頃くらいから午後3時過ぎまで、週末以外は毎日のように、頭の上でトントン、カンカン、ゴリゴリという音がしていたけど、建物のあちこちでいろんな工事をやっているんだな。(集合住宅では、頭の上から聞こえても、音源は真上の部屋とは限らないんだそう。)このマンションも今年の秋で築10年になるので、継ぎ目から水が入るぷくっと膨れる癖がある超安っぽいフローリングは、どのユニットでも傷みが目立って来ていそうで、特にどんどん値下がりする前に売ってしまいたい賃貸ユニットのオーナーが床の張替えをやっても不思議はないかな。そうでなければ、先月の大雪で窓枠に積もった雪が大寒波で表面がカチカチに凍って、内側からの熱で解けた分が隙間だらけの窓枠から中に入り込んだために浸水という可能性もありそう。

我が家も過去に3度、冬の間雨風に晒される方角にあるリビングとダイニングで「フローリング下浸水」があったもの。最初のときはリビングのフローリングが5ヵ所も膨れて、管理会社が寄こした修理業者がフローリングを剥がしたら、窓の下に大きな水たまりがあってびっくり仰天。室内プール付きだぁ、プールサイドパーティをやろうとか、水冷式床冷房だぁとか言って笑ったけど、水が蒸発してコンクリートが乾くまで1週間もかかって、それまで家具をダイニングエリアにまとめていたので、まるで引越したばかりのようだったな。雨漏り2度目はダイニングテーブルの下で、ルーフデッキからの浸水。外壁との境の防水工事がずさんだったためで、デッキのコンクリートタイルを外して、真っ黒な防水材を塗って解決したけど、3日くらい臭いが室内に入って来て閉口したな。あの時の膨れたフローリングは目立たないので今でもそのまま。そして3度目は改装中にそのフローリングだけを取り替えられるかどうか相談していて見つけたもので、リビングとダイニング間の柱の裾。石膏ボードに大きな穴を開けて、内側から防水処理をしてくれたけど、6年間に3度はないだろって感じ。

でも、上には上があるもので、隣は2度の雨漏りで2度とも床だけではなくて石膏ボードの張替えも必要になって、一時的な引越しを余儀なくされていた。何しろ、ユニット全体が同じフローリングだし、開発業者が保証期間中に使うためにストックしていた材料は我が家の最初の修理で使い果たしたので、傷んだ板だけを取り替えるというわけにも行かないから大変。修理業者のトラックが2台止まっていたということは、雨漏り被害は1戸だけじゃないということか、あるいは雨漏りだけじゃなくて、食洗機や洗濯機からの水漏れや排水口からの逆流もあったのか。ま、築10年ともなるとあちこちに傷みが出て来るだろうし、備え付けの家電は高級ブランドは名前だけの粗悪品で、とっくに寿命を過ぎているだろうから、今年は修理や改装の工事が多いかもしれないな。住いのメインテナンスは、快適に暮らすためには何よりも大事なことだから。

☆明日から雨、雨、雨の予報なのに、何ともみごとな夕焼け☆


反射する夕日はなぜかピンク・・・


コンタクトから眼鏡に替えて良かった

2023年01月11日 | 日々の風の吹くまま
1月9日(月曜日)。☁🌧☁。雲が低く垂れこめていて、どんよりと薄暗いけど、よく眠ったので気分は爽快。朝ご飯を食べたら、さっそく仕事。コメントに従って手直しするところを手直ししたら、残りは22ページ。マティニ・タイムまでには完了して、Dropboxにアップロードできそうなので、とりあえずウォーキングとランチ。ごく普通のバンクーバー圏の冬という感じで、湿っぽいけど寒くはないのがいい。このまま春になってくれるといいけどな。

仕事の方は、がんばったおかげで午後3時を過ぎる頃におしまい。どういうわけか、ヨーロッパで作成された英語のお役所文学には昔からやたらと受動態が多い気がする。そのまま日本語に訳すと、される、される、されるの連呼になって、読んでいるうちに何となく小町横丁を歩いているような感じがして笑ってしまう。でも、主体性がないような感じもして、日本語の「○○することになりました」と似たようなもので、自分の意志で○○することにしたんじゃなくて、成り行きでそういうことになった(うまく行かなくても自分のせいじゃないよ)と言っているみたいにも聞こえる。まあ、そこがお役所的な思考なのかもしれないな。とにかく、云々の理由でとコメントを付けて、変えられるところは能動態に変えて、ああ、すっきり。

ファイルをアップロードして、翻訳担当者にメールで知らせて、後はフィードバックを待つだけ。雨模様なので、スーパーにひとっ走りして、あしたの朝ご飯に必要なものだけを買って来て、マティニ・タイムでひと息。夜になって、コメントを入れたファイルが戻って来て、手を入れ直すのはほんの1、2ヵ所だから、続きはあした、あした。肩が凝っちゃったし、目も疲れたし、こっちこちのお役所文学はもうおなかいっぱい。でも、コンタクトレンズをしていた時と違って、眼鏡に替えてからはドライアイに悩まされることもなくなって、目が疲れたら、眼鏡を外してちょいと目薬を注すだけで、すぐ眼鏡をかけ直して仕事を続けられたのには大助かり。何しろ眼鏡の処方箋の球面度数SPHが右マイナス9.75、左マイナス7.75というド近眼で、円柱度数がマイナス1.5、乱視軸が170というおまけ付きなもので、長時間かけていられるかどうかが心配だったんだけど、どうして、どうして、プラスチックレンズの眼鏡はいたって快適。

つまり、ドライアイがひどくなって切羽詰まった挙句にコンタクトを使えないときの代用として作ってもらったのが、初めてかけたその時から40年以上も頼って来たコンタクトをあっさり袖にしてしまったわけで、切り替えてからまだわずか1ヵ月半なのに、もうずっと何年も眼鏡をかけていたような感覚なのがおもしろい。夜、バルコニーに出て、雨上がりの冷たい空気を胸いっぱい吸いながら夜景を満喫。最近は光の海がやたらときらきらして見えるようになって、初めは冷え込んで空気が澄んでいるせいかと思ったけど、雨の夜でもそうなので、もしかしたら眼鏡のせいなのかもしれない。思うに、酸素透過性のレンズは涙やたんぱく質が溜まるのを毎日洗浄液でこするわけで、1年、2年と使っているうちに表面に微細な傷がついて曇りがちになっていたんじゃないかな。いうなれば、白内障みたいな状態になっていたんだと思う。そういえば、裸眼ではありとあらゆる光が大輪の花火のように見えていたのが、それが目を見開かないとスイカのスライスみたいな半円形に見えるようになっていたんだけど、眼鏡に替えてからは無理をしなくても自然にまん丸に見えるようになって来たし、長年のコンタクトレンズ使用と関係があるらしい眼瞼下垂も改善されて来たということかな。世の中がくっきり明るく見えるようになったし、カレシは「目がぱっちりしてかわいいよ」と(くすぐったいことを)言ってくれるしで、まさに眼鏡さまさまだね、うん。



何でも翻訳者の脳内はバベルの塔

2023年01月09日 | 日々の風の吹くまま
1月8日(日曜日)。🌧🌧☁。朝からしょぼしょぼ。外の気温が6度か7度かだからいいけど、雨雲がどよぉ~んとしている空は鬱陶しい。そういう季節だとわかっているんだけど。このところ、目を覚まして一番に脳内に浮上するのが、えっと、今日は何曜日だっけ。リタイアすると基本的に平日も週末もなくなるんだからどうでもいいことなんだけど、なぜか特に日曜日と月曜日がごっちゃになってしまう。でも、どういうわけか、何曜日なのかわからないとカレンダーを見ても何日かわからないよね。何日にねと言われてつい何曜日がと聞いてしまうし、何だかいつのまにか日にちよりも曜日の方がパワーを持っているみたい。だったら1週間は7日あるんだから、1日1日を意識しているよりも精神的な余裕がある気がするんだけど、現実には1日単位か1時間単位という感じだから、矛盾もいいところ。

世紀が変わった頃にカレシがリタイアして24時間在宅になって、生活のリズムが何となく自然に日本時間にシンクロするようになって、だいたい午前4時に寝て、正午過ぎに起きるようになっていた。ワタシが在宅フリーランスで日本からの仕事が多かったせいもあるかもしれない。真偽のほどは謎のままだけど、マンションに住み替えたとたんにごく自然に午後11時半ごろ(今は12時半)就寝、午前7時(今は8時過ぎ)起床という太平洋時間の暮らしになったのにもびっくり。まあ、もう日曜日でも月曜日でもかまわないんだけど、今日は間違いなく日曜日。で、私たちの日曜日は掃除の日。カレシは(シャワー以外の)バスルームの掃除担当で、ワタシはほこりを払ってから主に床掃除。これで何となくダレがちな日常い1週間単位の「メリハリ」がついているのかもれしない。掃除をしたから今日は日曜日とかね。ずっと、ずっと昔、そんな感じのタイトルの映画があったったけなあ。『If It's Tuesday, This Must Be Belgium』(『火曜日ならベルギーよ』)ってのが。あはは。

きのう翻訳担当者に送った編集ファイルがコメント入りで戻って来たので、まずはざっと目を通して、コメントに応じて再考する箇所があるかどうかチェック。ワタシが表現について手を入れた部分に対するコメントはほとんどなくて、主に単語の扱いに関する質問への返事。専門語ってのは厄介なもので、英語では分野が違っても同じ単語でも、日本語では専門分野ごとに違う訳語が決まっているからややこしくて、しかも学術界には「何とか学」が星の数ほどあるから、その分野に特化していない限り、ほんとに翻訳者泣かせ。まあ、逆も然りだから、両刀遣いの何でも屋のワタシは「なりすまし帽子」を被ってあっちの分野、こっちの分野。でも、何とか学だけの問題ならまだしも、ビジネスの世界でもまずは業種とか業界というものがあって、さらには法律、行政、金融、製造、マーケティング等々と分かれていて、それぞれ特有の文体や訳語があったりするし、おまけにグローバル化で日本英語にフランス英語にドイツ英語に中国英語にナンチャッテ英語と、まるでバベルの塔。はて、ある意味で、神様が天に届く塔を建てようとした人間たちを一種のコミュ障にしちゃったから、翻訳ビジネスが生まれたってことになるのかな。

ワタシはその翻訳をあくまでもビジネスとしてやって来たので、自分のことを翻訳家と呼んだことはなかったけど、もし演劇脚本の翻訳で認められたら、翻訳家ですと言ってもいいのかな。ほら、やっていることは同じでも、やっぱりビジネス界と芸術界では呼び方が違うじゃないの。人間の言葉ってこれだからおもしろい。バベルの塔の現場でみんなてんでに違う言葉をしゃべっているところを、この耳で聞いてみたかったな。どんな音楽が聞こえていたのかな。閑話休題。日曜日だから仕事は休みってことにしよ。


タイパも倍速も通用しないものだってある

2023年01月08日 | 日々の風の吹くまま
1月7日(土曜日)。🌧☁🌧。バリバリ仕事をしたせいか、ぐっすり眠れたけど、起きたら肩が凝っている感じ。現役の頃はこれしきの仕事で肩凝りなんてしなかったけど、ま、あの頃はまだ40代だったから、やっぱり若かったんだなあ(というよりは、あれから年を取ったというべきか)。朝ご飯を食べたら、さっそく仕事。カレシの最初のレッスンが終わったところでウォーキング。しょぼしょぼと雨が降っていて、眼鏡に雨粒がついてしまうから困る。コンタクトレンズではそんなことなかったのに(ってあたりまえだけど)。眼鏡用のワイパーがあればいいのにな。でも、目の前をシャカシャカとやられたらストレスになりそうだな。それに、何か滑稽に見えそうだし・・・。

ウォーキングから帰って来たら、ランチの番。新年の最初の土曜日と言うことで、断続的断食を再開。ただし、毒レタスとしゃっくりの騒動があってから、2人とも体重と体調を取り戻すまでのつもりで晩ご飯だけをスキップする「セミ断食」にしていて、クリスマスの前後からは、揃って風邪を引いたせいもあって、断食は「休止」。というこで、とりあえずセミ断食モードで再開して、体調を考えながら来月までにはランチもスキップしてフル断食に戻ることにした。フルモードに戻れば、ランチと晩ご飯に関わる時間が宙に浮くので、カレシもワタシも集中してやれることが増えるというおまけつき。日本では「タイパ」という新語が登場して、時間効率を上げるために動画なんかを倍のスピードで観たりするそうで、そうやって効率を追求した結果、生産性が上がってゆとりができたのかなと思ったら、ますます忙しくなってゆとりがなくなっているという記事があったな。その調子で人生も倍速で効率的に生きようなんてことになるのかな。誰にも1日は24時間ずつしかないんだけど、倍速にして1日48時間分生きてしまったら、「人生50年」てことになってしまわないのか・・・。

餃子入りラーメンでランチをしたら、腕まくりをして仕事、仕事。翻訳ってけっこう精神的、頭脳的な手間がかかるから、どこまで「タイパ」とやらを追求できるのかな。倍速でやるなんて初めっから無理。まあ、機械翻訳という手もあるけど、いくら精度が上がったと言っても、まだまだ所詮はキカイ。でも、EUにはいくつもの公用言語があるから、公文書をいちいち翻訳している暇の予算もないだろうな。そっか、この原稿の英語もそうやって機械をくぐり抜けて来たのかもしれない。のっけから文章としての流れが悪くて、数珠つなぎになった小石を箱に詰めたような感じ。もしかしたらGoogle翻訳を使って英語訳したものだったりしてね。機械翻訳については、フリーランスになった30年前にすでに生身の翻訳者はいずれキカイに取って代わられる運命にあると(若い世代に)言われていたもんだけど、だったら何で今さらこうして腕まくりして、肩を凝らせているんだろう。つまり、翻訳に関する限りは、人間がやらなければならないこと、人間でなければできないことがまだいっぱいあるってことなんだよね。

午後いっぱいガシガシと仕事をして、ちょうど区切りが良さそうなところで手を止めて、午後3時前にDropBoxにアップロードして、翻訳担当者にお知らせメール。残るはあと22ページ。その気になって集中したら1日、そうでなければ2日かな。現役時代と同じように自分流のペースでやるのがワタシには一番効率的なんであって、タイパも倍速も異次元の話。昔取った何とかと言うし・・・。


ロボットが作文をしたらこうなる?

2023年01月08日 | 日々の風の吹くまま
1月6日(金曜日)。☁☂☁。起きた時は地平線と垂れこめた雲の間から朝日が差していたけど、すぐに雲の向こうに隠れてしまって、これがほんとの朝光。ゆうべは風の音がごうごうと鳴っていて、レンジフードの下に手をかざしたらかなりの風邪を感じたので、ファンとフィルターの間に風よけのパッドを入れておいたけど、朝は静かなもの。予報通り駆け足での嵐の通過だったらしい。

カレシの朝のレッスンが済んで、ウォーキングに行って来て、ランチを食べたら、後はまじめに仕事。翻訳担当者からコメント入りのファイルが返って来たので、元に戻すところは元に戻して、編集作業の続き。昔からEUの英語文書はめちゃくちゃわかりにくい。ドイツ語かフランス語が母語の人たちが初めから英語で書いたものなのか、それとも母語で書いたものを機械翻訳にかけたのか、とにかく日本語訳するのにまず脳内で「英語」に翻訳しなければならないくらいなのに、さらに専門用語の指定という縛りがついているから、翻訳担当者もかなり苦労しただろうなあ。でも、さすがにそこはプロのこと、だんだん良くなる何とかで、ページが進むにつれて文体の揺れがなくなって来るからすごい。おかげで校正と編集もだんだんスムーズになって来て、この分だと明日には区切りのいいところまで進めるかな。

興味をそそられるような内容だと、作業は捗るんだけど、このファイルはあくびがでそうなくらいに退屈なもので、ときどき手(目)を休めて気分転換しないと集中が続かないから困る。現役だった1990年代の後半にコンピュータ関係の仕事がやたらと増えて、それがどれも退屈な内容でうんざりしていた頃を思い出すな。日本語版用の用語集を渡されて、文体まで細かく指定されて、何の役に立つのかわからないような新しいプログラムのマニュアルを、まるで翻訳ロボットみたいに右から左へとせっせとホンヤクしていたっけなあ。新興のIT産業のおかげで、仕事があり過ぎて、毎日10時間、12時間もPCの前に座ってものすごい量をこなして、信じられないような荒稼ぎをしたけど、仕事はちっとも楽しくなかった。それにしても、原稿のこの英語と来たら、もう・・・。

☆☆がんばったかいがあって、あと40ページ☆☆


冬の暖房で電気料金は冷房なしの夏の6倍

2023年01月06日 | 日々の風の吹くまま
1月5日(木曜日)。⛅☁☂。雲の間から朝日が差し込んでいて、晴れるといいなと思ったけど、どんどん曇って来て午後には雨。強風注意報では、夜から夜中過ぎまでの短い間に最大瞬間風速は20メートルちょっとの大風。荒れるなあ、ほんとに。旱魃地帯のカリフォルニアで土砂降りかと思うと、ヨーロッパでは夏のような陽気でスイスのスキー場は商売上がったりという話だし、ほんっとに、もうっ。

あしたはエピファニー(公現祭)で、イギリスの慣習によると、この日の前夜(つまり今日)までにクリスマスの飾りを片付けないと災厄が降りかかるんだそうな。たぶん、「おい、いつまでクリスマス気分でいるんだよっ。早く片付けんかいっ」というありがたい催促なんで、災厄なんてのは動機付けのための脅しだと思う。でないと、忙しいとかめんどくさいとか、後片付けをしない理由はいくらでも転がってるもんね。というわけで、今日は我が家もツリーの解体と片付けの日。飾りもライトもツリーもみんな撤去して、家具を元の位置に戻したら、なぁ~んとなくだだっ広くて寂しい気がしないでもないなあ。うん、また次のクリスマスにね。

ニューウェストミンスター市から昨日送った問合せの返事が来ていて、「おたくの電気料金請求書は1月3日に郵送しました」。あ、やっぱり悪天候やクリスマスホリディで業務が遅れていたんだ。金額を教えてくれればすぐに払うのにのんきだなあ。じゃ、今日か明日には届くだろうから、あわてず騒がすで行くか。でも、今日ちゃんと郵便箱に入っていて、開けてみて、うっひゃぁ、5万7千円。いつも年間で使用量が一番大きいのは次のサイクルだから、次の請求書がどうなるか、しぃらないっ。でも、よく見たら、インフレ関連の給付金1万円が引かれていて、そうでなければ請求額は6万7千円になるところ(でも気候変動対策税や公共交通税、売上税が上乗せされているので、電気料金そのものは5万8千円)。そっか、そっか、去年、州の電力会社(BC Hydro)が利用者に1万円のリベートを出したのに、市が頬かむりをして市民は恩恵に与れなかったので、今回はそうは行かないと思ったんだろうな。銀行の口座をチェックしていたら、州政府からも何やら1万2千円ほどのお金が入っていて、どうやら我が家も満額ではないけどインフレ対策の給付金の対象になったらしい。インフレ手当は合計2万6千円。税金を納めた先の政府がそのお金を返してくれるんだから、うん、ありがとうね。

それにしても、元々クーラーがない我が家の電気料金は、夏に比べて冬は一気に6倍以上。暖房を調節するサーモスタットは、日中は23.5度、夜間は部屋によって20度から21度に設定してあるけど、ほぼガラス張りの金魚鉢をあまり効率の良くないベースボードヒーターで暖房しようとするとこうなっちゃうわけで、すごい落差だな。それでも、日中でも氷点下の寒波があってポータブルヒーターを動員したのに、1日平均の使用量が去年の同期よりそれほど増えなかったのは待機電力をかなり減らしたからだと思う。でも、毎年のように値上がりする電気料金で夏と冬を比べても意味がないので、過去の請求書を出して来て使用量を調べてみたら、まず、去年1年間の総使用量は1万8760kWhで、居住面積1平方メートルあたり135kWh。これを1日平均で見ると50kWhになり、一番消費量の少ない夏は10kWhから15kWh、冬のピークにはだいたい80kWh。マイナス2ケタの寒波が1週間も続けば1日90kWhは行ってしまいそうだから、今のレートなら1ヵ月4万円近くかかる勘定か。ふはぁ。でも、クリスマスライトを片づけたから・・・と言ってもLEDだから大して違いはないか。


品不足がない日が戻って来るのはいつ?

2023年01月05日 | 日々の風の吹くまま
1月4日(水曜日)。☀☁☁。朝の7時過ぎに足の親指が攣って目が覚めて、じっとしていても眠りに戻れるわけじゃないので、起き出して筋肉が緩むまで、あちこちをそろり、そろり。折から南東の地平線に何とも荘厳な朝の色。時は午前7時18分。痙攣が収まったのでベッドに戻って、8時起床。ベーカー山の西側に日の出の気配。時は8時2分で、公式の日の出の時刻は8時6分だから、あとひと息。朝ご飯のベーコンエッグを作り始めたら、おお、まぶしい日の出。時刻は午前8時12分。朝日が公式時刻の日の出からがカスケード山脈を越えるのに数分かかるということだけど、あと3週間もしたら起きる前に日が昇ってしまうから、感動していられるのも今のうち。お日様、おっはよぉ~っ。


午前7時18分

午前8時2分

午前8時12分

でも、せっかくきれいに広がっていた青空がだんだん陰って来たと思ったら、昼過ぎに曇り空になってそのままで、午後になって強風注意報発令。あしたの夜から金曜日の朝にかけて特に沿岸部で大風が吹くということだけど、ニューウェストミンスターはフレーザー川を遡った一応の内陸部だから、ちょっと風が強いなあという程度ですみそうだけど、2週間くらいずっと雨、雨、雨ってのは気に食わないなあ。でも、これがバンクーバー圏の冬の天気。カレシの生徒のリリーによると、カリフォルニア州北西部では、彼女が住むシリコンバレーのパロアルトは連日猛烈な土砂降りで、洪水警報が出ているそうだし、サンフランシスコもあちこちで道路が冠水しているらしい。どうやら私たちが「パイナップル特急」と呼んでいるあれが南の方に行っちゃったみたいで、長年ひどい旱魃に悩まされてダム湖が渇水していたカリフォルニアを潤してくれるといいけどね。

ぼちぼちと仕事をしていて、ふと電気料金の請求書がまだ来ていないことに気が付いた。ニューウェストでは電気の供給は昔から市の事業になっていて、請求は2ヵ月ごとのサイクル。前回は10月だったから12月末には来ているはずで、急な厳しい寒波で使用量が跳ね上がったはずだから、頭がくらくらしそうな金額になっているだろうと戦々恐々でいたのに、まだ影も形もない。マンション各戸のメーターは歩道の地下の暗渠にあるそうだから、もしかしたらアクセスできなくて検針が遅れたのかもしれないし、大雪と寒波の時は郵便がストップしていたから、その混乱で配達が遅れているのかもしれない。でも、普通なら今日あたりが支払期日なので、まだ来ていないでは済まないから、市役所のホームページで見つけた電気料金に関する問い合わせのメールアドレスで、前回の請求書からメーター番号や口座番号などを入れて、おいくらか教えていただけると助かります、とメール。ほどなくして返信があって、「多数のメッセージが来ているため、2営業日以内に返信します」。はて、もしかして請求書が来ていないとメールを飛ばした人たちが多かったのかな。だとしたら、電気料金の請求業務が遅れているのかもしれない。どっちにしても、返事が来るまで待ってみるか。

午後、ぼちぼち仕事の手を休めて買い物。もう1週間もまとまった買い物をしていなかったので、ヴィクターの店に寄って肉も買って来なくちゃ。連休が終わってきのう1日おいたから、商品棚はけっこう埋まっているだろうと思ったら、うは、卵がない。いつもなら何種類ものブランドの12個入りパックが積まれているのに、今日は卵の売り場はみごとに端から端まで空っぽ。鶏肉も品薄。何でなの。もしかして鳥インフルのせいかな。クリスマスには郊外の農場で鳥インフルが発生して七面鳥不足が起きたけど、その延長線で今度は養鶏場の鳥インフルで鶏肉と卵が不足するのかな。とにかく要るものを調達して(久しぶりにボーナスポイントをもらって)、ヴィクターの店に行ったら、ここでも「きのうから鶏肉が入って来ていないの」。うはぁ、やっぱり鳥インフルなんだ。何でも12月末から猛威を振るっているらしくて、国境も規制もどこ吹く風の野鳥がウィルスを持って来るから水際対策もできないんだろうな。やれやれ、いつになったらスーパーの隅から隅まで商品がぎっしりと言う日が戻って来るのかなあ。インフレなら買うか買わないかの選択肢があるけど、品物がないんじゃ買いたくても買えないわけで、ある意味ではインフレより厄介な感じ。はぁ~あ・・・。


今年も普通の日常は普通じゃないかな

2023年01月04日 | 日々の風の吹くまま


1月3日(火曜日)🌧☁🌫🌥🌤。きのうの暮れ時には夕焼けが見えたので、今日は晴れるかなと思っていたら、朝から何となく小雨模様。やっぱり前に迫り出していた黒い雲に勝てなかったのかな。予報では午後には回復するらしいけど、気温はちょっと下がり気味。向こう2週間は「雪」のマークがないからいいけどね。だって、あと2ヵ月半もすれば春が来るんだもの。でも、それはまだちょっと先の話だから、まずは今日から普通の日常に戻るところからスタート。

メディアは去年はああだった、こうだったとひとしきり回顧。去年2022年も受け入れた移民の数は43万人以上と過去最高。ワタシが来た1975年には2300万人しかいなかった総人口が、今日現在の推定では約3805万人だそうだから、4千万人を超えるのは時間の問題だな。陸地面積が900万平方キロの世界で2番めに広い国に、世界の総人口の0.48%が住んでいて、人口密度は1平方キロあたりたったの4人だから、数字の上では国中が過疎地みたいだけど、80%を超える3千万人が都市部にかたまっていて、バンクーバーもトロントも家賃が高騰しているから、新移民にとっては住居を確保するのが最大のチャレンジ。それでも人口の年齢の中央値は1975年の27.5歳から2020年には41.1歳と高齢化が進んでいるので、どんどん移民を受け入れないと、ベビーブーム世代が大挙してリタイアした後の労働人口の穴埋めができなくなってしまうんだよね。

で、今年の話となると、値上げラッシュが続く話にマイホームの価値が下落する話に世論調査の結果と、こうなる、ああなると賑やかだけど、すでに決まっていること以外は、バンクーバー圏の天気予報と同じかな。つまり、外れることが多いってことだけど、先を見通したがるのが人間だからね。去年はインフレがすごかったけど、特に2桁のインフレだった食料品が今年はさらに5%から7%も値上がりすると予想されて、夫婦と子供2人の世帯では食費が10万円以上も増える勘定だそうだから、家計は厳しくなりそう。電気もガスも値上がりするし、働いている人たちは給料から天引きされる国民年金の掛け金の率が5.95%になって、雇用主と雇用者の両方を払う自営業の場合は何と11.9%。一方で国民年金と老齢年金が規定の物価調整で6.3%引き上げられるし、75歳になるワタシの老齢年金はさらに10%増えるし、カレシの公務員組合年金も国民年金に準じて増えると思うから、シニアにはまだやさしい国だよね。

ある世論調査で、回答者の半数が連邦議会の総選挙を望んでいるという結果が出たそうで、その理由が「トルドー降ろし」。トルドー君は何しろ嫌われ者になっちゃって、少数政権でもあるし、選挙をやったら勝ち目はないだろうけど、くだんの世論調査では選挙もトルドー君の辞任も期待していない人が多かったそうだから、文句を言いながらも現状維持というところかな。さて、今日の夜空は月に叢雲。晴れるのか曇るのか、2023年がどんな年になるかは神のみぞ知る。仕事しよ、仕事っ。



ひと足お先に仕事始めと行くか

2023年01月03日 | 日々の風の吹くまま
1月2日(月曜日)。⛅☁。ほんっとによく眠った。ホリディシーズンが終わって、気分的にほっとしたのかな。法定休日の元旦が日曜日だったので、今日はその振替え休日。しっかり骨休めをして、明日からはまだ普通の毎日というところかな。でも、毎日が休日の(はずの)ワタシには、今日こそは本気を出しての「仕事始め」。何たってまだ80ページもあるから、ほんと、ねじり鉢巻きが何本あっても足りなくなるかもしれない。

とにかく、ねじり鉢巻きの上に腕まくりをしてやらないと、納期が近づくにつれて時間の縛りがきつくなって、最後はあっぷあっぷしかねないのが、フリーランスの「フリー」の現実で、仕事を引き受けたが最後、リタイアもへったくれもなくなってしまうわけ。じゃあ、どうして今さら人も羨む(かな?)悠々自適のリタイア暮らしからのこのこ這い出して来て、仕事を引き受けるんだと聞かれると、はて、どうしてだろうなあ。高校しか出ていないワタシ(つまり今の日本では「低学歴」)が、専門性も何もないままひょんなことから翻訳ビジネスに引き込まれて、そのまま30年も猪突猛進して来たからこそ、今のリタイア暮らしがあるわけで、元々好きだったのかもしれない。でも、翻訳という「作業」が好きなのかと聞かれたら、それはないかな。

まあ、翻訳にもいろんな分野があるけど、ビジネス翻訳は基本的に退屈な作業で、何かドラマ性があるのなら話は別だけど、契約書の類はほぼ定型文書でおもしろ味がないし、企業の内部文書は内輪の略語に足をすくわれるし、IT関係のマニュアルと来たら脳死しそうな気分になるし、お役所文学は退屈過ぎてあくびが出て来るしで、どこを見てもワタシには好きになれる要素がほとんどない。それでもクライアントが送って来るものをつべこべ言わずにやるのがワタシの営業方針だったから、チャレンジには「来る者は拒まず」の精神で立ち向かって、とにかく最善を尽くしてやり遂げることの満足感が「好き」の根底にあったのかもしれないな。そう言ってしまうと、何となくかっこいい感じに聞こえないこともないけど、ワタシの人生にかっこいいところなんてあったかなあ。たぶん、ワタシが好きなのは言語Aの趣旨を言語Bで「表現すること」の方なんじゃないかな。だから、誰かが翻訳という退屈な部分をやってくれたものを、言語Aを横目で見ながら言語Bの文章に手を入れる編集はおもしろいと思うのかな。てことは、退屈だと言いながらもやっぱり好きでやっているってことか。ま、好きこそものの何とかともいうけど・・・。

ともかく、夕方までに区切りのいいところまで進んだので、翻訳担当者に送って、今日の仕事はおしまい。あと70ページあるけど、この分ならあたふたしなくても済みそうだな。さぼらなければの話だけど。さて、今日はホリディシーズンの遊び納めの日で、明日はみんな「普通」に戻っての仕事始め。ほら、マザーネイチャーも遊び納めというところ・・・。

みごとなバランス
何の動物?


ご馳走を作って新しい1年の始まり

2023年01月02日 | 日々の風の吹くまま
1月1日(日曜日)。☁⛅🌤。明けましておめでとうのハッピーニューイヤー。曇っていて初日の出の写真は撮れなかったけど、静かな、静かな元旦の朝。ニューヨークのタイムススクエアは何万人、パリのシャンゼリゼには100万人が集まって新年を祝ったそうだから、みんな何か盛大に祝ってパァ~ッとガス抜きしたい気持が溜まっていたんだろうな。うん、わかる、わかる。年越しパーティが多い大晦日は、飲酒運転防止のために午後5時からよく元旦の午前5時までバスと電車が全路線で無料になるのが恒例で、バンクーバー市のダウンタウンの歓楽街にはかなりの人出があったけど、さしたる事件も騒動もなく、平穏だったそうで、めでたし、めでたし。

毎年の元旦のメディアがトップで報じる記事はと言うと、2023年度の「不動産査定評価」。この査定評価は、各市町村がその年の予算に応じて決める固定資産税の率(千分率)のベースになるものだし、売買では相場価格を決める目安になるものだし、何よりも庶民にとって一番の「資産」である持ち家の価値の増減を示すものだから、毎年1月1日の公式発表は誰でも気になる年中行事。昔は年越しパーティの二日酔いが覚めた頃に州の査定機関から通知が来て初めて評価額がわかったけど、今はメディアが記事の中でリンクを貼ってくれるので、誰でもネットで住所を入力するだけで自宅の評価額を簡単に閲覧できるから便利と言えば便利。ただし、ついでに周辺の家の評価額もわかるので、裏を返せばマイホームの評価額がご近所さんにも知られるわけだけど、公開情報だからね。

でも、今年の査定評価はいつもと少し違っていて、基準日である7月1日現在では前年よりも値上がりしていた相場価格が反映したもので、その後で金利上昇などで値下がりが始まったため「評価額は現在の相場価格の判断材料にならない」という注意書き付き。我が家を例にとると、評価額は去年に比べて4%ちょっと上がっているけど、相場価格は4、5%下がっているということで、場合によっては1億円を切っていることも考えられるわけ。(まあ、トカイナカの商店街のタワマンで1億円超と言うのがそもそもピンと来ないんだけど。)固定資産税が同じ率で上がり下がりするわけじゃないし(市の予算次第)、売る気がなければ上がっても下がっても関係ないというのが我が家の感想。ちなみに2階(一番下の居住階)の2LDKが売りに出ているけど、評価額は8千万円台なのに1億円超という強気の売値。屋外暖炉付きの広いパティオがあるけど、そこから見えるのは下の有料駐車場と周りの建物だから、その価格じゃあ売れないと思う。よけいなお世話だけど。


午後、元旦のご馳走を作るしたく。今年はスシをメインにするつもりで、まずは電気釜を出して来て、袋に「sushi rice」と書いてある米でご飯を炊くことからスタート。このサンヨーの電気釜は母がワタシの嫁入り道具に入れてくれたものだから、何と48年も使っている勘定。もっとも年に2、3回しか使わないからこれだけ長い間使えたんだと思う。家電メーカーの雄だったサンヨーの名前はもう消滅してしまったと聞くけど、何だか実家がなくなったような感じだな。時の流れって、そんなものなんだろうな。元旦にだけ使う重箱を出して来て、すしは銀鮭、ビンナガマグロ、キハダマグロ、イクラ。後は殻付きのホタテのゆず醤油バター焼き、焼きシシャモ、ごぼうの煮しめ、松茸の吸い物という、まあ、何となくお節風のようでもあるご馳走になって、けっこうよくできているじゃないの(と自画自賛)。一年の計を立てないのが我が家の1年の計なので、今年はどんな年になるかは風まかせ。天気が回復したおかげで、川下と川向こうの夜景がきりっとして見えて、2023年の始まり・・・。







行く年にしんみりする境地はまだ遠い大晦日

2023年01月01日 | 日々の風の吹くまま
12月31日(土曜日)。☁🌥☁。大みそか。元旦が日曜日なので、大晦日、元旦、振替え休日とまたまた連休になるせいか、静かなもの。それでも、いつもの時間に起きて、朝ご飯を食べる頃には、日本はもう「来年」になっているので、何となく奇妙な年の差を感じてしまうから不思議。つまり、時差17時間てことは、太平洋のこっち側の西の端の私たちは、太平洋のあっち側の人たちより「17時間若い」ってことになるんじゃないかなあと思うんだけどな。ま、日本の皆さん、ハッピーニューイヤー(新年おめでとう)!こっち側の私たちはハッピーニューイヤー(良いお年を)!

それにしても、なかなか改まるような気分にならなくて、2022年の最後の日である今日と2023年の始まりの日である明日で、どこが違うんだろうと思ってしまうけど、やっぱりあるところでありきたりとは違う日があって、何らかの脳内断捨離をする「区切り」があった方がいいのかな。けさはウォーキングに出るついでにゴミ出しをして、ベッドのシーツ類を全部はがして洗濯機を回して、鶏ももを茹でて、きのう6時間かけて作った鶏がらの骨ブロスを足して得意のチキンスープを作ってランチ。シーツ類を乾燥機に入れて、ちょっと仕事をしようとデスクに座ったけど、大晦日の晩ご飯のすき焼(風)に入れる豆腐がないっとスーパーにひとっ走りして、休み明けの火曜日まで持ちそうにない牛乳とパンを買って、ついでにきゅうり、レタス、トマト、にんじんも買い込んで、ああ、トートバッグで来て良かったぁ。(バッグの容量が大きいと急に「要るもの」が増えるのはなぜか・・・。)

買い物から帰って来たら、忘れる前に新年を祝うプロセッコを冷蔵庫に入れて、シャワーをして、第2ラウンドの洗濯を始めて、乾き上がったシーツ類でベッドメーキング。そんなこんなで、やっといざ仕事をばと校正するファイルを開いて、日本だったら仕事納めをするところだろうなあと思いつつながめているうちに、もう晩ご飯のしたくの時間。あぁ~あ。でも、現役の頃の大晦日なんていつもこんなもんだったような気がする。仕事納めの日にドカンと大きな仕事を送って来て、納期は「1月4日午前9時」なんてことがよくあったな。おいおい、三が日が終わった4日は仕事始めだってのはわかっているけど、実際に朝の9時から仕事なんかするわきゃないだろ、どうして5日の朝じゃダメなの?とボヤキながら大車輪で仕事をして、大晦日の家事をして、夜中にカレシと2人でシャンペンで新年に乾杯したら、バタン、グー。元旦も大車輪で仕事をして、大車輪でおせち風とも何ともつかないご馳走を作ってハッピーニューイヤー。その後は正月もへったくれもなく、仕事、仕事。その間にクリスマスツリーを解体して片付けて、いつもの家事を普通にやってと、要するにフリーランスのおひとり様稼業で、暮れも正月も盆も何もなかったんだよねえ。

それが、一夜明けたらリタイア5年目に入るわけで、4月には75歳になり(うはぁ)、5月にはカナダ人生も丸48年になって、半世紀目前の49年目に入るわけだけど、感慨らしいものはわいて来ないなあ。感慨って何かについてしみじみ、しんみりすることだと思うけど、そもそも、いったい何にしみじみ、しんみりしたらいいのかな。クリスマスと誕生日に妹が作って送ってくれるカードはいつも「ねずみ」がモチーフになっていて、まさにねずみ年の生まれで、自称「劇場ねずみ」で、いつも好奇心の赴くままあっちこっちとちょこまかして、空の雲を眺めて能天気にストーリーを思い描いているワタシそのもの。こうして特に気に入っているのを並べてみたら、なぁるほど、しみじみ、しんみりと感慨にふける境地に到達するまでまだまだ遠いのは一目瞭然もいいところ。とっくに2023年になっている世界に追い付くのにあと1時間。よし、仕事は「来年」(「明日」と言うよりは余裕綽々という感じ)に回してしまおうっと。西暦2022年様、いろいろとお世話になりました。



大晦日の前の日は小晦日?

2023年01月01日 | 日々の風の吹くまま
12月30日(金曜日)。☁🌥🌧。みそか。外はどよぉ~んと灰色っぽくて、雨雲の中にいるんだか、霧の中にいるんだか。今夜はまた荒れるらしいから、気温がヘンに上がって来ているのは、またパイナップル特急が来るってことかな。日曜日の元旦の朝までには晴れ間が出るという予報だから、ちょうど起きる頃に雲が切れたら初日の出の写真が撮れるかも。期待しておいてもいいかな。

お正月に特別なことをするわけじゃないので、クリスマスを過ぎてしまうとワタシはけっこう暇。そこで今日は、朝から新しいスープ鍋いっぱいの水に鶏ガラどっさりとにんにくたっぷりを入れて、骨ブロスをことこと。のんびりウォーキングをして来て、冷凍してあったチャウダーにアサリを足して温めてランチをしてから、懸案の校正と編集の仕事に着手。現役時代最後の20年近くお得意さんナンバーワンだった科学論文専門の会社から、ときたま(リタイア後は家族付き合いになっている)社長が直々に「面白い仕事があるから、ちょっとリタイアから出て来ないか」と鼻先にニンジンをぶら下げて来るもので、翻訳ファイルを校正編集するだけだからいいかなと能天気に引き受けてしまう。まあ、ちゃきちゃきのニューヨーカーの社長はそのあたりは計算済みらしい。でも、今回の仕事は原文と対訳の形式にして何と90ページ。翻訳担当は旧知の仲のベテランだけど、ヨーロッパの非英語圏で間違いなく英語を母語としない人が書いた英語の文書だから、ちょっとタイヘンかな。

ファイルの最初の方は「ご挨拶」みたいなもので、専門用語はまだ出て来ないから、けっこうちんたらちんたら。何となく雲が切れて明るくなって来たので、角の酒屋に2本目を開けたばかりのワタシのムッシュ・ヘネシーを買いに行こうと思い立って、ついでにベルモットのビアンコと、ついでのついでにタンカレーのジンも。道路を渡るだけなのでトートバッグひとつで行って、商品棚の整理をしていたジーナにワタシのムッシュが入っているか聞いたら、「もちろんよ」。棚の一番下を指して「たっぷりあるから当分は大丈夫でしょ」といつものように2本。ビアンコと一緒にトートバッグに入れて肩に担いだら、、うはっ、重たぁ~い。タンカレーの大瓶はいつも予備に入れてあるエコバッグに入れて、えっちらおっちらと道路を渡って帰って来たけど、エレベーターで乗り合わせたエリックが「おお、大雪に備えて備蓄してるんだ」。う~ん、まぁね。あはは。ハッピーニューイヤー(良いお年を)。

残った午後いっぱい、またちんたらちんたらと仕事。晩ご飯を作るのが何となくめんどうくさくなって、どうしようか。はて、日本の友だちが送ってくれて、船便で2ヵ月かかって届いた「長崎の皿うどん」はどうかな。冷蔵庫にある野菜や肉を切って炒めてソースにするだけのものだけど、ソースに具をどっさり入れれば晩ご飯になりそうかな。ということで、冷蔵庫、冷凍庫をかき回して、にんじんに青梗菜に白菜に小エビにピーマンにと集めて、ザクザクと切って、後は作り方通り。でき上った皿うどんは思いのほかおいしくて、カレシも「これはうまい」。日本のインスタント食品はなかなか侮れないものがたくさんあるよね。夜になって、雨じゃぶじゃぶ。はあ、あしたはもう1年の最後の日かあ・・・。