【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

青い戦慄

2012-11-15 20:10:58 | A・クリスティーの館






「その部屋の壁紙は、近頃売り出されている、
丁度花壇のような具合に
草花をあしらったようなものでしたわ。
庭の中にいるような感じを受けましてね ――
でも、私、あんなのは
どうかと思いますのよ ――
だってあれだけの花が
いちどきに咲くなんて事は、
金輪際こんりんざいないんですものね ――
(中略)
「でも、滑稽ですわ。
釣鐘水仙とらっぱ水仙、野薔薇に藤、
立葵たちあおいと友禅菊がみんな一緒に咲くなんて」
              【A・クリスティー作 「火曜クラブ」】



   昨日より一層、日光を出し惜しみする空となりました。
  おまけにパラッ並みの雨ですが、目まぐるしく変わる空。
  気温も2、3度低くなり、俄かに冬の様相です。

   こんな時。暖炉を中心に集まる 『アンの世界』 を思います。
  一方、日本では炬燵。

   その昔、居間には大きな掘り炬燵があって、学校から帰ると、
  宿題は勿論、何から何までそこで終えた事が思い出されます。
  冬は、とりわけ寒い自分の部屋になど行く気になりませんから。



【青いゼラニウムならぬ、青いセージを栞代わりに】


   さて、【先日】 の続き。
  と言っても目まぐるしく
  過ぎ去る日々なものですから、
  随分、前のような気もします。

   今日は、A・クリスティー作、
  「青いゼラニウム」 の事を。

   これは 『火曜クラブ』 に
  収められた13編から成る、
  短編の1つです。

   現実には青いゼラニウムなど
  存在しませんが、このような
  植物のタイトルは、私などには
  それだけで強く惹かれます。

   それは青という色に感じる
  ロマンティシズムかも知れません。

   尤もこの小説は、
  そんなものとは無縁なのですけれど。
  その物語は・・。

   手前勝手で我儘放題の半病人の妻と、そんな妻を献身的に支える夫。
  妻はある心霊術師に自分の未来を透視させます。

   「満月の晩が危ない。青い 桜草 は警告、
  青い 立葵 は危険信号、青い ゼラニウム は死の象徴・・・」
 
  ~と告げられた妻。

   そして妻の部屋の壁紙(上記の引用文)に描かれた桜草、
  立葵がいつしか青に変り、ゼラニウムまでもが青くなった時、
  その妻は死体となって発見されるのです。

   トリックも然る事ながら、犯人の手掛かりとなる、
  ミス・マープルの解明も相変わらず冴えています。

   短編ならではの醍醐味がたっぷり味わえる秀作です。
  同時に、クリスティらしく花を題材にした作品で、そちらの方でも楽しめます。


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2 コメント

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NHKプレミアムで見ましたよ (れれたんママ)
2012-11-16 01:26:52
今お片付けが一段落。
どうしても今朝のごみに出したくて、
頑張りました。イイトシしてお馬鹿です。

「青いゼラニウム」ミス・マープルで見ました。
でも、読んでいないので残念。
いつか読みたいわ。

リラさんはほんとに博学で楽しい話題が盛りたくさん。
どうぞ、又寄せてくださ~い。
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同類~♪ (リラ)
2012-11-16 17:40:37
 今晩は~!  れれたんママさん~☆
いつも温かいコメント、有り難う~!

 >どうしても今朝のごみに出したくて、
頑張りました。

 エッ・・? どうして・・? 今回ばかりは驚きました~。(笑)
又々、れれたんママさんと同じです~。
私も片付け・・気になり始めると真夜中でもやってしまいます。

 そして、「NHKプレミアム」。
私は、「青いゼラニウム」 見逃してしまったのですよ~。

テレビでやっていた事を昨日のブログに記す事を我れたな・・
~なんて思っていたところです。

 小説は、いつだって読めますから。
再放送、もう1度しないかしら・・?(笑)
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