だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ニーチェとサロメ

2006-02-12 17:21:03 | 映画
ルー・サロメ 善悪の彼岸 ノーカット版」が、公開されます。すごい!「ルー・サロメ 善悪の彼岸」は、1977年 イタリア/フランス/西ドイツ合作映画として、女性監督として名高いリリアーナ・カヴァーニが、世に送り出しました。脚本も担当しています。リリアーナ・カヴァーニを知ったのは、「愛の嵐」(73)でした。

「愛の嵐」は、1957年のウィーンを舞台に、あるホテルの夜番のフロント係(ダーク・ボガード)の物語。彼は、元ナチスSSの将校。そのホテルに、かつての自分の囚人だった少女が、成功した指揮者(TV「ジェリコ」のマリノ・マッセ!)の妻(シャーロット・ランプリング)としてやってきます。映画は、ふたりの断ち切れない“愛の姿”を描いて、暗く…重く…悲劇への結末へと向かって行きます。印象的な映画でした。

そのリリアーナ・カヴァーニ監督の「ルー・サロメ」は、より一層踏み込んだ“愛の世界”を描いて、大きな話題になりました。哲学者フリードリッヒ・ニーチェの「善悪の彼岸」(1886)が、原作。ニーチェの生涯の内、1882年から1900年8月に亡くなる(梅毒で発狂したそう、壮絶!)までの間、弟子のパウル・レーやルー・サロメとの関係を中心に、映画化しました。

ルー・サロメは、ニーチェ、パウル・レーの他にも、詩人のリルケ、フロイトにも影響を与えた女性。強い自己を持ち、自由を求め、多くの著書を残した才女でした。自由奔放な開放された女性だったのですね~。サロメを演じるのは、「暗殺の森」(71)や「家族の肖像」(74)「1900年」(76)の美女ドミニク・サンダ。

ニーチェ役は、スウェーデン俳優のエルランド・ヨセフソン。「ノスタルジア」(83)「サクリファイス」(86)に出演。パウル役のロバート・パウエルは、ケン・ラッセルの「マーラ一」(74)が有名。

1985年の日本公開時は、116分の英語版が上映され、40箇所の修正がなされました。製作から29年、公開から21年、ようやく初のイタリア語/ノーカット127分版が、上映となります。

「愛の嵐」は見たくせに、「ルー・サロメ」は見ていません。これは、チャンスかも!見るべきですね。貴方は?
コメント (1)
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