だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

看守の見た歴史

2008-04-19 21:17:28 | 映画
1948年11月9日デンマーク生まれの監督、ビレ・アウグスト。代表作は「ペレ」(87)ですが、「愛の風景」(92)「愛と精霊の家」(93)「レ・ミゼラブル」(98)などもあります。意外なとこでは、TVシリーズ「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」(92)のエピソードもいくつか監督。

「ペレ」と「愛の風景」で、2度のパルムドール(カンヌ国際映画祭)を受賞しています。さらに映画監督としての功績を認められ、デンマークとスウェーデン王家からの叙勲、フランス芸術文化勲章シュバリエの受勲。

「レ・ミゼラブル」(公開は99年)から9年。ようやく最新作が公開されます。「マンデラの名もなき看守」(07)。マンデラとは、もちろんネルソン・マンデラ氏のこと。1918年7月18日、南アフリカ共和国で生まれました。1944年反アパルトヘイト運動に取り組みます。1962年8月逮捕され、64年国家反逆罪で終身刑になります。

1968年、ロベン島。ジェームス・グレゴリー(ジョセフ・ファインズ)は、ごく当たり前に“人種差別主義者”でした。当時、南アフリカではそれが普通だったのです。ロベン島の刑務所に看守として赴任したグレゴリーは、マンデラ(デニス・ヘイスバート)の担当に抜擢されます。

理由は、グレゴリーがマンデラの生まれ故郷の言葉“コーサ語”が分かるから…。任務に忠実なグレゴリーは、マンデラを監視するうち、マンデラの人物に触れ、運動による犠牲の大きさを知り、やがて彼の目指す平等な社会に憧れるのでした。

グレゴリーとマンデラの微妙な関係は、20数年間にわたります。(1982年、ケープタウン郊外ポルスモア刑務所に移監)事実、厳重な監視の刑務所で囚人と看守が、親しげに会話することは許されていません。まさに魂の交流だったのですね。

マンデラ氏は1990年2月釈放され、1991年ANC(アフリカ民族会議)議長に就任。93年、ノーベル平和賞受賞。94年~99年、南ア初の黒人大統領就任。99年、政界から引退し現在はユネスコ親善大使です。

で、映画の方はマンデラ氏自身がはじめて映画化を許可した本作。グレゴリーの妻グロリアを演じるのは、ダイアン・クルーガー。なお原作はジェームス・グレゴリー本人。名匠監督による真実の物語。マンデラ氏は今年、90歳だそうです。見ましょう。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする