だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

忘れられる孤独

2008-04-29 22:26:52 | 映画
映画俳優自身が、監督となって作品を作ることは今ではごく普通のこと。ロバート・レッドフォード、メル・ギブソン、ケヴィン・コスナー、クリント・イーストウッド、シルベスター・スタローン、ロバート・デ・ニーロ、ジョージ・クルーニー、アル・パチーノ、トミー・リー・ジョーンズ、ケヴィン・ベーコン、ケネス・ブラナー…。ああ~、限りがない。

サラ・ポーリーも、そんな1人になりました。1979年1月8日カナダのトロント生まれ。まだ30歳にもなっていないのに、確かな演技力で出演作はいずれも話題に。「スウィート ヒアアフター」(97)「写真家の女たち」(99)「死ぬまでにしたい10のこと」(03)「あなたになら言える秘密のこと」「アメリカ、家族のいる風景」(05)…と私のお気に入りの女優です。

そのサラが初監督(脚本も)を務めたのが、「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」(06)。2007年アカデミー賞の脚色賞にノミネートされました。原作は、アリス・マンロー著の短編『クマが山を越えてきた』。サラ・ポーリーが監督デビュー作に選んだだけある、重厚な人間ドラマになっています。

グラント(ゴードン・ピンセント)は、大学教授時代の教え子で18歳のフィオーナ(ジュリー・クリスティ)と結婚し、深く愛し合い、お互いを思いやる楽しい毎日を送っていました。44年間の結婚生活は、満ち足りた日々でした。ところが妻のフィオーナにある変化が…。

“色”の名前がわからない、洗い終わったフライパンを冷蔵庫にしまう、ワインが何かわからない、フィオーナ自身理解できない行動を取るようになってしまいます。医師の診断は、アルツハイマー。まだ意識のはっきりしているうちにと、フィオーナは自ら老人介護施設へ入所します。

1ヶ月後、面会が許されたグラントが施設に行くと、フィオーナは夫の顔を覚えておらず、しかもオーブリー(マイケル・マーフィ)という車椅子の男性にやさしく付き添っていました。戸惑うグラントは、2人の姿に孤独感と嫉妬を感じるのでした。果たして、グラントの取った行動とは?

他に、「月の輝く夜に」(87)「マグノリアの花たち」「ベイビー・トーク」(89)「陽のあたる教室」(95)で、おなじみのオリンピア・デュカキスも。シニカルな役どころは、一品!ちなみにジュリー・クリスティは、本作で主演女優賞にノミネート。演技派揃いのこの作品、ぜひ見ましょう。
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