だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

蜷川さんの源平合戦

2008-04-16 21:10:44 | 演劇
渋谷のbunkamura シアターコクーンは、お気に入りの劇場です。まっ、近いというのもあるんですが…。つい先月も「さらば、わが愛 覇王別姫」を見ました。チェン・カイコー監督の映画「さらば、わが愛/覇王別姫」(93)で、ご覧になった方も多いはず。

映画は、レスリー・チャン、チャン・フォンイー、コン・リー、グォ・ヨウ主演。特にレスリーの美しさにホレボレの私には、この映画への思い入れは格別。劇場に行かれた方の多くは、どうしても映画と比較してしまったことでしょう。私も。やはり映画は、越えられません。

とはいえ、私は蜷川さんの長年のファン。舞台「さらば、わが愛」だって、あの長編ドラマを見事にまとめ、オープニングとエンディングの繰り返しには、いたく感激しました。“つかみ”と“追い打ち”、これから始まるドラマへの期待と、ドラマの感動をふたたび思い起こさせる展開に拍手です。

ただし、京劇に馴染みのない俳優には、せめて日本舞踊の所作や柔軟さが欲しかったです。そして声量。再演時に期待するしかないですね。

長くなりましたが、コクーンでの蜷川さんの次作は「わが魂は輝く水なり」です。主演は、野村萬斎さんと尾上菊之助さん。でも私が劇場に行くのは、大好きな津嘉山正種さんが出演されているから。このブログにもたびたび登場する、津嘉山さんは青年座出身の座友。

「わが魂は輝く水なり」は“源平北越流誌”とあり、平安末期の源平合戦の最中。60歳になる平家の斎藤実盛(野村萬斎)と、息子・五郎(尾上菊之助)の物語。戯曲は清水邦夫、演出・蜷川幸雄とこちらも何度も組んだことのある、盟友。初見の作品なので期待は膨らむばかりです!
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バラに魅せられて…

2008-04-15 20:41:01 | 展覧会
2005年6月、上野の東京藝術大学 大学美術館で「植物画 世界の至宝展」を見た時の感激は、今までも忘れられません。RHSリンドリー図書館所蔵の植物画、書籍など129点が展示されたその展覧会は、正に至福の時…。植物などの精密すぎるその作品たちは、“ボタニカルアート”と呼ばれています。

写真のなかった時代に、これほどの精密画を描いた画家たちに畏敬の念を捧げます。久々に“ボタニカルアート”の展覧会に再会です!Bunkamuraザ・ミュージアムでの「薔薇空間」サブタイトルは、宮廷画家ルドゥーテとバラに魅せれた人々。

宮廷画家ルドゥーテとは、本名ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテと言い、1759年南ネーデルランド(現在のベルギー)に生まれました。(1840年没)ナポレオン1世の皇后ジョゼフィーヌが、マルメゾン宮殿にバラ園を造り、世界中からバラを集めていた時のこと。ルドゥーテは、皇后の許可を得て宮殿内の植物画を描くようになります。

ルドゥーテの記した植物図譜の内、『バラ図譜(Les Rose)』(1871~21)は最高傑作と高い評価を得ました。また、ルドゥーテは“バラの画家”と呼ばれています。

今回の展覧会では、『バラ図譜』のフォリオ判(全紙を真ん中から二つに折った大きさの判。またその大きさの本。二つ折り判。~Yahoo!辞書より)全169作品を中心にしています。うれしいですね~。どのような作品かはサイトでご確認ください!わくわく!

他にも、バラの研究家エレン・ウィルモット(1858~1934)著『バラ属』(The Genus Rose)に収められた、アルフレッド・パーソンズのリトグラフや日本のボタニカル・アートの草分け的存在、二口善雄(1900~1997)の水彩画、バラに魅せられた現代写真家、齋門富士男氏の最新作品も展示。

バラの美しさに夢中の方、“ボタニカルアート”の素晴らしさにクラクラしてみませんか?クラクラ~。
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フォッグではありません、ミストです。

2008-04-13 20:59:06 | 映画
スティーヴン・キングの大ファンです。原作もですが、映画化された作品のファンでもあります。「キャリー」(76)「シャイニング」(80)「デッドゾーン」(83)「スタンド・バイ・ミー」(86)「ミザリー」(90)「ショーシャンクの空に」(94)「黙秘」(95)「グリーンマイル」(99)「シークレットウインドウ」(04)など。

TVMにもお気に入りがいっぱい!「IT/イット」(90)「ゴールデン・イヤーズ」(91)「ザ・スタンド」(94)「ランゴリアーズ」(95)「悪魔の嵐」(99)「キングダム・ホスピタル」(04)など。

他にも「死霊伝説」(79)「クジョー」(83)「ペット・セメタリー」(89)「ブロス/やつらはときどき帰ってくる」(91)「ニードフル・シングス」「ダーク・ハーフ」(93)「痩せゆく男」(96)「ドリームキャッチャー」(03)ああ~、限がない。キングは大の映画好きで、「地獄のデビル・トラック」(86)で原作・脚本・出演の他、監督デビューしています。

待望の最新作は、「ミスト」(07)。原作は、『霧』(スケルトンクルー1『骸骨乗組員』所収)。監督は「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」のフランク・ダラボン。『霧』は、監督が自分の長編映画デビュー作にと考えていた作品だとか。キングファンの間でも、映画化が望まれた作品です。

7月19日、メイン州西部一帯は嵐に見舞われ、激しい雷雨に住民たちは脅えていました。湖の畔に住むデヴィッド(トーマス・ジェーン)は、妻のステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)、5歳の息子ビリー(ネイサン・ギャンブル)と地下室に避難していました。

翌日は晴天。デヴィッドはビリーと、隣人の弁護士ノートン(アンドレ・ブラウアー)とスーパーマーケットへ買出しに出かけます。町の大通りにあるスーパーの店内は、大混雑。店長のバド、副店長のオリー、レジ係のサリーは大忙し。妻へ連絡を取ろうにも、携帯電話も公衆電話もなぜか不通…。

やがて、“霧”が町を埋め尽くすようにやって来ます。それは、ただの霧ではなかったのです!映画史上かつてない震撼のラスト15分とは?他にマーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデンが出演。キング作品にはおなじみのジェフリー・“チカチーロ”・デマンも。もう、見たくてたまりません!
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悲劇の王子さま、カスピアン

2008-04-11 22:57:28 | 映画
「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(05)は、もちろんご覧になりましたね。原作はイギリスのC・S・ルイス著『ナルニア国ものがたり』全7巻。岩波書店から翻訳が出ていますので、読まれた方も多いかも。
1部…ライオンと魔女 2部…カスピアン王子のつのぶえ 3部…朝びらき丸 東の海へ 4部…銀のいす 5部…馬と少年 6部…魔術師のおい 7部…さいごの戦い

映画の方は、「シュレック」シリーズ(01・04・07)のアンドリュー・アダムソン監督。原作は7部作ですが、映画は3部作。そして、いよいよ第2部が公開されます。「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」(08)の登場です。

第2章は、ナルニア国の滅亡から始まります。ライオン王のアスランが作った、言葉を話す動物と人間たちの魔法の国。あんなに美しく調和のとれた“ナルニア”は、強大な戦力を持つ人間たちの王国“テルマール”によって侵略されてしまったのです。

ようやく難を逃れた住民たちは、森の奥深くに逃れます。自分たちを救ってくれる“希望の光”を待ち焦がれる人たち。しかし、その救世主とは“テルマール”のカスピアン王子(ベン・バーンズ)だったのです。カスピアン王子は、王座を狙う叔父のミラースに追われ、森へ逃げ込みます。

一方のピーター(ウィリアム・モーズリー)、スーザン(アナ・ポップルウェル)、エドマンド(スキャンダー・ケインズ)、ルーシー(ジョージー・ヘンリー)のペベンシー4兄妹は、ロンドンで普通の学生として暮らしていました。ロンドンでの1年は、ナルニアでは1000年以上に当たるのです。

前作から1300年後。突然の風に包まれ、次の瞬間、白く美しい海岸にいました。そこから始まる、新たなる冒険と闘いの物語。ナルニア歴2303年、いったい4兄妹を待ち受けるものとは…?カスピアン王子の運命は?ナルニアは、どうなるの?アスラン王は?気になる!

カスピアン王子役のベン・バーンズは、「スターダスト」(07)で主人公の青年時代を演じてた人。15歳で舞台デビュー。1981年8月20日生まれのイギリス人。第3部にも出演決定の注目スターです。うふふ。
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あなたの棺おけリストは?

2008-04-10 21:14:37 | 映画
もし、自分の余命がわかったら…。残された時間で何がしたいか、何ができるか、考えたことがありますか?今年も桜の季節は(自分の近所では)終わりましたが、後何回見ることができるでしょう。

イザベル・コヘット監督の「死ぬまでにしたい10のこと」(03)では、わずか23歳のアン(サラ・ポーリー)が余命2ヶ月と宣告され、題名の10をリストにして実行して行くお話。実に静かで穏やかな映画でした。それゆえ、見終わった後の感動はずんと心に深く浸み込みました。

ロブ・ライナー監督の最新作「最高の人生の見つけ方」(07)も、残された余命の生き方の映画。しかし!今度は、大いに笑っていただきます。主人公は自動車整備工として46年間、まじめに働いてきたカーター・チェンバース(モーガン・フリーマン)。そして大金持ちの実業家、エドワード・コール(ジャック・ニコルソン)。

出会うはずのない2人が、出会ったのは病院。同室の隣同士のベッドに並んで、初めは悪態をついていた2人に下された病名は、末期ガン。余命6ヶ月。普通なら落ち込んだり、悲しんだり、苦しんだり…

でも2人は違います。今までの人生でやりたかったけど、できなかったことをリストにします。それはカーターが学生の時、哲学の教授が言っていた“棺おけリスト(原題のバケットリスト)”のこと。若い頃は意味を持たないことでも、今はリアル!2人が書いたそのリストとは?

1「スカイダイビング」 2「世界一の美女にキスをする」 3「泣くほど笑う」 4「見ず知らずの人に親切にする」 5「荘厳な景色を見る」 6「入れ墨をする」 7「ピラミッドを見る」 8「香港に行く」 9「ライオン狩りに行く」などなど。

お金には困らないけど見舞客は秘書だけのエドワードと、家族の反対を押してエドワードと旅に出かける決心をするカーター。人生の終わりに、後悔を残さないため世界を駆け巡る冒険旅行に出る2人。大いに笑って、感動して、最高の人生を見つけるための旅行へ。

まだまだ遅くない!でも、2人の前に待ち構えていたものは?アカデミー賞受賞俳優2人と、ロブ・ライナー監督のトリオが描く人生物語。この映画を見て自分の人生を見つめ直せるかも。まだまだ遅くないぞ!
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スキンヘッドは、お嫌い?

2008-04-09 21:19:16 | 映画
今年のアカデミー賞主演男優賞を受賞した、「ノーカントリー」(07)のハビエル・バルデムは、シガー役のヘアースタイルが嫌いで嫌いで仕方なかったそうです。確かに不気味な殺し屋シガーには、あのヘアースタイルはぴったり!だけど、本人は鏡を見るたびに落ち込んだそうです。

もともとのハビエルは、1969年3月1日スペインのカナリア諸島ラスパルマス生まれで、黒髪、精悍な顔立ちの39歳。ペドロ・アルモドバル監督の「ハイヒール」(91)やジュリアン・シュナーベル監督の「夜になるまえに」(00)などに主演。ますます注目の俳優です。

ザヴィエ・ジャン監督「HITMAN ヒットマン」(07)に主演のティモシー・オリファントも、役のヘアースタイルに大いに悩んだそう。“エージェント47”と呼ばれるエリート暗殺者は、スキンヘッド!オリファントは、「ダイ・ハード4.0」(07)でジョン・マクレーンの適役、トーマス・ガブリエルを演じていたのでご存知かも。

デビュー作は「スクリーム2」(87)、「ロック・スター」(01)「ドリームキャッチャー」(03)なんかにも出ています。でも「HITMAN」での暗殺者役は、すごくクール!ファンが増えそう~。

“エージェント47”(オリファント)の次なる仕事は、ロシアの政治家ミカイル・ベリコフの暗殺。見事任務を果たした彼は、何者かに密告され、インターポール(国際刑事警察機構)とFSB(ロシア連邦保安庁)から追われることに…。

真相を探るうち、彼は鍵を握る謎の娼婦ニカ(オルガ・キュリレンコ)と出会います。やがて、冷徹な暗殺者“エージェント47”の中に人間らしさが芽生え始めるのでした。果たして、密告者は?その理由は?2人の行く末は?そもそも“エージェント47”とは?

オルガ・キュリレンコは、次期ボンドガールに抜擢された女優。映画のオリジナルは、世界的に人気のゲームソフトなんだとか。ティモシー・オリファントは、注目です!
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異色のギアさま

2008-04-06 22:45:39 | 映画
誤解のないようにお願いしたいのですが、なぜか革命に惹かれる私。1789年7月14日、バスティーユ襲撃から始まったフランス革命。1917年に起きた“2月革命”と“10月革命”と呼ばれる2つのロシア革命。1960年代後半から1970年代前半まで続いた、中国の文化大革命。

フランスはまだですが、ロシア(モスクワとサンクトペテルブルク)と中国(北京)には行きました。単に観光ではありますが、内心は革命の現場を見る気分でした。世界中にはまだまだたくさんの革命、内乱、紛争、戦争が絶えません。

フランス革命を描いた映画には、「ベルサイユのばら」(79)や「マリー・アントワネット」(06)など。ロシア革命を描いたものには「ニコライとアレクサンドラ」(71)や「ロマノフ王朝の最期」(81)など。文革を描いたものには、「ラストエンペラー」(87)や「さらば、わが愛/覇王別姫」(93)など。これらはごくごく一部。

他にお気に入りの映画の中には、「キリング・フィールド」(84)「サルバドル/遥かなる日々」(86)「ウェルカム・トゥ・サラエボ」(97)「ホテル・ルワンダ」(04)などなど、数え切れません。最近は戦争というより、紛争を描いた映画が多くなっています。

ハンティング・パーティ」(07)は、ボスニア紛争から5年後の2000年。サラエボで行われる記念式典にやって来た、元戦場カメラマンのダック(テレンス・ハワード)の前に戦友とも言える、サイモン・ハント(リチャード・ギア)が現れます。サイモンは元相棒。戦場リポーターとして頂点に立ちながら、ある時突然失踪。

NYで成功したダックに対し、サイモンはさらに危険な地域を渡り歩き、以前とは様子が違っていました。そして信じられないような“ネタ”をダックに告げます。500万ドルの賞金がかかった、重要戦争犯罪人フォックスの居所を知っていると!国連、NATO、CIAが探すことのできないその男は、民族浄化の名目で大虐殺を行ったのです。

再び組むことになった、サイモンとダック。それに野心家の新米TVプロデューサー、ベン(ジェシー・アイゼンバーグ)も加わり、スクープ求めて3人は突き進むのです!実はこの物語は、実話。戦争犯罪人のカラジッチを追う5人のジャーナリストの体験が、元になっているそうです。

監督・脚本は、リチャード・シェパード。ダイアン・クルーガーも裏社会の情報屋マルヤナ役で共演。今までとは一味違う役どころに挑戦の俳優たちの演技が、すごく楽しみです!
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あなたは、見れる?

2008-04-05 22:48:38 | 映画
映画のチラシやポスターの片隅に見かける“PG-12”や“R-15”などの文字。見たことありますか?映画通なら、ご存知かも知れませんが意外と知らなかったり…。これ、『レイティングシステム』と呼ばれるものなんです。

主な国々で採用されている、映画を見ることができる年齢制限のことを言います。日本では映倫規定(映画倫理規定)を使用しています。現在の規定は…
  PG-12 → 12歳未満(小学生以下)の鑑賞には成人保護者の同伴が適当
  R-15 → 15歳未満(中学生以下)の入場(鑑賞)禁止
  R-18 → 18歳未満の入場(鑑賞)を禁止
上記以外は、一般となりすべての人の鑑賞が可能です。

ちなみにアメリカは米国映画業協会(MPAA)による自主規制コードで、G → すべての人の年齢に鑑賞可能。PG → 子供の鑑賞には保護者の判断が必要。PG-13 → 13歳未満の子供の観賞には保護者の厳重な注意が必要。R → 17歳未満の観賞には保護者同伴が必要。NC-17 → 18歳未満の視聴を禁止。いろいろありますね~。

なんでこんな話をしているかというと、映画のタイトルから連想してしまったんですねぇ。その映画は「P2」(07)。ちなみにこの映画は、R18のホラー映画です。P2とは、地下2階駐車場(パーキング)のこと。ほら、壁におっきく書いてありますね。

NYのオフィスビルで、真夜中まで残業していたアンジェラ(レイチェル・ニコルズ)は、ようやく仕事を終え家族とのディナーに向かうため、P2に降りて来ました。しかし、なぜか車のエンジンがかからない…。さらにシャッターが下りてしまう!携帯電話は、圏外。しまいには電気さえ、消されてしまう!

何者かが彼女に近づき、突然、麻酔薬を嗅がされてしまいます。気が付くとそこは警備員室。手足を拘束されたアンジェラに何が起こったのか?いったい誰が?目的は?

クリスマスイルミネーションに飾られた、真冬のNY。大都会の死角、地下駐車場で繰り広げられる、緊迫のサスペンス。この映画の後は、もう地下駐車場には行けないかも!?犯人のトーマス役には、「サハラに舞う羽根」(02)のウェス・ベントリー。監督はフランク・カルフン、初監督作。怖そう~。
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6人のボブ・ディラン

2008-04-04 22:03:48 | 映画
2003年の「ボブ・ディランの頭のなか」を見逃していました。TSUTAYAに行かねば…。私は、かつてのような音楽ファンではなくなりましたが、人生には音楽が必要と考える1人です。人それぞれに好きな音楽、好きなジャンル、好きな歌手、好きな音楽家がいるでしょう。

映画ファンとして、映画には音楽が欠かせないと思っているし、無声映画にも音楽はありました。音楽家の人生を描いた映画や、若くして亡くなった音楽人の映画もたくさんあります。冒頭のボブ・ディランを描いた、画期的な映画が公開です。

アイム・ノット・ゼア」(07)は、「SAFE」(95)「ベルベット・ゴールドマイン」(98)「エデンより彼方に」(02)のトッド・ヘインズ監督、5年ぶりの新作です。この映画で描かれるのは、日本でも人気のボブ・ディラン。1941年5月24日ミネソタ州デュールス生まれ。音楽だけでなく、「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」(73)や「ボブ・ディランの頭のなか」など映画出演も多数。

ボブ・ディランには、6つの顔があります。“詩人” “無法者” “映画スター” “革命家” “放浪者” “ロックスター”。2007年にデビュー45周年のボブ・ディランの人生を、多面的に描こうとしたトッド監督。集まった俳優の素晴らしいこと!

“詩人”を演じる、ベン・ウィショー。“無法者”を演じる、リチャード・ギア。“映画スター”を演じる、ヒース・レジャー。“革命家”を演じる、クリスチャン・ベイル。“放浪者”を演じる、マーカス・カール・フランクリン。“ロックスター”を演じる、ケイト・ブランシェット。すごい!こんなユニークなキャスティング、見たことない!

ベン・ウィショーは「パフューム ある人殺しの物語」(06)で、ジャン=バティスト・グルヌイユを演じたイギリス人。←お気に入り。マーカス・カール・フランクリンは、ブロードウェイやTVなどで活躍している黒人子役俳優。他の5人はご存知として、唯一、ケイト・ブランシェットが女優であることにも注目!

ケイトは今年のアカデミー賞で、「エリザベス:ゴールデン・エイジ」で主演女優賞に、「アイム・ノット・ゼア」で助演女優賞にノミネートされる快挙を遂げました。残念ながら、受賞は逃しましたが…。話題満載のこの映画、見逃してはいけません!最後に一言、ヒースのばか!(なんで死んじゃったの…)
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デイ=ルイスに流れる血

2008-04-03 22:05:14 | 映画
1957年4月29日ロンドン生まれのダニエル・デイ=ルイス。ご存知のように、父セシル・デイ=ルイスは王室の桂冠詩人。母は女優ジル・バルコン。主演スターになったのは「マイ・ビューティフル・ランドレット」(85)や「眺めのいい部屋」(86)あたりで、“英国美青年”ブームの真っ只中!

「アナザー・カントリー」(83)や「モーリス」「ひと月の夏」(87)など、夢中になったものです。デイ=ルイスは、その後「存在の耐えられない軽さ」(88)「マイ・レフトフット」(89)と、演技派を強烈に印象付けました。特に「マイ・レフトフット」では、アカデミー賞主演男優賞を見事受賞!

「父の祈りを」(93)「ギャング・オブ・ニューヨーク」(01)でも、主演男優賞にノミネート。そして2度目の主演男優賞を受賞したのが、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(07)です!『そこにブラッドがある』の意味は?と考えると、この映画に込められたものを追求したくなります。

20世紀初頭の1920年。一攫千金を夢見る、しがない鉱山労働者のダニエル・プレインヴュー(デイ=ルイス)は、石油採掘によって莫大な富と権力を得ます。更なる富を得ようとパートナーのフレッチャー(キアラン・ハインズ)と、幼い息子HW(ディロン・フリーシャー)を連れて、カリフォルニア州リトル・ポストンへ向かいます。

そこは、あるカリスマ牧師によって仕切られた不毛の地。神父のイーライ・サンデー(ポール・ダノ)は、“ヒーラー”と呼ばれる神憑りの男。やがてこの地も石油の発掘に成功するのですが…。この映画は西部を舞台にした、アメリカン・ドリーム物語ではありません。

アプトン・シンクレア著の『石油!』を原作に、ポール・トーマス・アンダーソン監督の描く一大叙事詩(上映時間2時間38分)なのです。タイトルの“ブラッド”に込められたのは、『血』 『血縁』 『気質』 『宗教』 『殺人』、そして『石油』…。いえいえ、観客の1人1人が感じ取るべきもの。

息子のHWさえ、実は石油発掘の手段。プレインヴューの生き方に嫌悪さえ、感じるかも。しかし、デイ=ルイスの演技は最高。プレインヴューの体に流れる血は石油のように黒くドロドロでも、デイ=ルイスに流れる血は役者の血です!若手ポール・ダノの方も、見惚れるかも。必見!
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