『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

令和の時代

2019-04-02 07:18:00 | ノンジャンル
きのうは一日、
新元号フィーバーの日であった。

東京では
号外に殺到して
一時、騒然となった。

その様を見て、
(すぐ、ケダモノになっちまうんだから・・・)
と思わないでもなかった。

昔も
鈍行列車に乗るときに、
小っちゃな子どもを
先に開いてる窓から入れちゃう
貪欲な大人たちの姿を
よく見たものである。

品性もなにも
あったもんじゃない(笑)。

すぐ、動物になっちまう・・・。





元号発表の会見ライヴは
出先の駐車場で見た。

「新元号は、レイワです・・・」
と先に言われた時には
「エェッ?」
と思い、字を示されたときには
「あらまぁー。また『和』ぁかい・・・」
と、まさに意表を突かれた。

プリントアウトした常用漢字表の
5画から8画の一頁に
両字ともあったが、
「令」はスルーして、
「和」は「昭和」とダブるので
大きくペケ印をつけていた。

発表を聞くまでは、
「令」にいい意味があることは
知らなかった。

たしかに、
「ご令嬢」「ご令息」という
敬語があるし、
「愚妻」や「豚児」という
謙譲語の対語でもある。

「令月」には、
「何事をするのにもよい月。
 めでたい月。」
という意味と
旧暦の二月(新暦の2月下旬から4月上旬)
という意味がある。

「Reiwa」という響きは
音的には「か行」の「K」よりは
耳に優しくていい。

「昭和」「平成」と同じく、
既使用字と新使用字を組み合わせ、
伝統と新しい感を合わせて
演出したようでもある。






きのうは午後から
驟雨(しゅうう)があり、
それを庭の蹲(つくばい)の上に
端渓の「雲月硯」を乗せて
雨水を採集した。

まだ改元には至ってないが、
日本中が「新時代」の到来に沸いた
節目の日に、その日の天よりの水を
書に用いようと思い立った。

京都在住の頃、
文房四宝に凝って、
銘硯や銘墨、銘筆、銘紙を蒐集し、
今も時折、取り出しては、
折々に、我流・無手勝流の書で
用いている。

落款は、
教員時代に三度訪れた中国で
一級篆刻師に作ってもらったもので、
鶏血石という高価な貴石に
皇帝を象徴する龍の彫刻が彫ってある。

関防印も中国で
篆刻してもらった茶室の庵号
「竹輝庵」である。

墨はこの時季に合わせて
菜種油から造られた油煙墨で、
卸すとすぐさま
芳しい香りが漂った。

寺町通りの鳩居堂で
もう30年ほど前に求めた
最高級の奈良墨で、
大分と古墨になりつつある。

今朝、入室すると
一晩経っても
まだ墨の龍脳の幽香が
部屋中に漂っていた。






玄関室礼の「花寄せ」が
コンサート直後みたいな
花盛りになっており、
そこに「令和」の元歌の
一節を書写してみた。

三十年寝かせた画仙紙に
昨日の雨水(うすい)墨が
巧く固定できたので、
それを色紙表具にした。

大いなる時代の節目に、
文人趣味が生かせて、
何でも兎に角
やっておくものである、
と思った。



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