オフ日のきのう。
9時からは
ソーちゃんの王位戦
「第二局」の初日が始まった。
決戦となる最終盤は
二日目の今日の
夕方頃なので、
それまでは
チラ見する程度にしている。
そして、
10時半からは
市民検診に赴いた。
先週、大腸内視鏡前にも
血液検査をしたばかりだが、
またすることになった。
*
検診日は
朝抜きなので、
お昼まえにやっと終わり、
おなかペコペコ状態で、
常連の鮨店に出向いてみた。
平日ながらも
会食会の客らしきで
上がり席が埋まっていて、
ワンオペの若旦那は
天手古舞のようだったが、
いつものカウンター定席を
用意してくれた。
この日は
小肌を頼むと
新子が供され、
これは嬉しいサプライズだった。
この時季、
「鮨っ喰い」にとっては
新子が食べれるのは、
一年を無事に生きれた
祝いのようなものでもある。
鮨は小肌にはじまり、
小肌におわる・・・
と言っても過言ではなく、
その代表的すしネタの「新子」は
ボージョレ・ヌーヴォーと同じく
まさに、“鮨の正月”なのである。
もっとも、
まだ幼魚である「ヤヤトト」を
六枚付けで握られるので、
なんとも罪深くもあるが、
幼魚ならではの
淡い味わいを楽しむものである。
食せねば生きられぬ
従属栄養生物のヒトは
そもそも他の生き物の命を
頂かねばならないが、
「シラス」をはじめ
「仔羊」「仔牛」「若鶏」・・・と
幼生のものも食する罪深さがある。
「イクラ」「メンタイコ」「鶏卵」は
それ以前の状態である。
だからこそ、
日本では
「いただきます」
という、命への敬意を
口にして祈りを表わすのである。
ミナミマグロの赤身を
「漬け」にしてもらった。
やや小豆色に近くなるが、
その分、味わいと歯応えが変わり
生の赤身とは別次元になるから、
「江戸前」仕事は面白い。
穴子は炙って
焦げの仄かな香りが相まって
仄温かく香ばしかった。
平目のエンガワは
コリリとした歯応えと
脂の旨味を楽しむ。
*
九州産という
特大の岩ガキを剥いてもらい、
三等分してもらった。
“海のミルク”と称されるのも
伊達ではなく、
得も言われぬ濃厚な風味に
陶然となった。
合いの手の
沖縄産のモズクも佳かった。
*
北海道産のツブも
特大のもので、
その歯応えは
隠し包丁が入っていても
アワビ以上のもので、
鼻孔に抜ける磯の風味も
初夏の風情に相応しかった。
巻物は久しぶりに
「涙巻(山葵巻)」に
してもらった。
その清冽な風味と
爽やかな辛味は
これもまた夏の味として
涼味があった。
仕上げに
ギョク(卵焼き)を摘まみ、
朝からの空腹と
内視鏡検査後から焦がれていた
本格鮨を堪能できて
満足がいった。
***
帰宅すると、すぐにも
リサイタルのデュオ練習があり、
K君が到着した。
先日に引き続き、
手土産を持参したので、
「次からは、手ぶらで来てよ」
とお願いした。
2時間あまり
『カヴァティーナ』
『オリエンタル』
『レーヴリー』
『はかなき人生』
などの初合わせをした。
自編のものは
机上では想像がつかなかったが、
実音にしてみると、
イメージが明確になった。
何度か繰り返して
互いの息の合わせ方も
分かってきた。
これは、来年の仕上がりと
発表が楽しみである。
是か非でも
ご来場の方々には
感動をお届けしたいものである。
***
オフ日は
夕食当番なので、
クリニックの帰りに
買い物してきた
鯖と鮭をフレンチに仕立てた。
大腸ポリープが
がん化する懸念を払しょくするのに、
赤味肉と加工肉は
意識して控えて、
魚・鶏と野菜をメインにしようと
食生活を見直すことにした。
ソーモン・フュメ
(スモーク・サーモン)と
クリュ(生)をタタキにして、
セルクル(丸型)で抜き、
タルタル風にした。
*
マクロー(鯖)は
塩で〆た後、
ソーテルヌ(貴腐ワイン)に浸し
ブール・ノワゼット
(焦がしバター)で
ソテーした。
ムース・ド・ポムドテール
(ポテト・マッシュ)と
ポワヴロン・ルージュ
(赤パプリカ)を
ガルニ(添え物)とした。
*
・・・思えば、
将棋に、検診に、練習に、
フレンチ創りに・・・と、
充実した一日であった。
今日は、
今学期さいごの勤務日である。
登校前に
Tちゃん先生の教会に寄らせて頂き、
今学期の無事終業の
お礼参りをさせて頂くつもりである。
あしたからは、
はやくも40日もの
サマー・バケーションである。
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