ガラス傷

買い物に出たら、
信夫山の西側が
山火事の跡なのか
いまだにその部分が
茶色くなっているのに
気がついた。



検索してみたら
2008年の３月８日だったので
もう、10年も近く前になる。

たしか、
数日間は
煙が上がっていた。

市内の中心にあるだけに
そのシンボリックな山が
大火事になったときは、
なんだか不思議な気分であった。






量子コンピューター完成の
ニュースを聞いたら、
かつて星新一の
ショートショートにあった
「神」という近未来を描いた
作品を思い出した。

それは、
超速のコンピューターが完成して、
それに世界中のありとあらゆる
神の概念を入力してみたら、
或る日、突然、姿が消えて、
世界各所に雷鳴と共に登場して
悪を根絶しはじめた･･･というような
話だったと思う。

奇抜なアイディアで
へぇーと面白がっていたが、
10の600乗の演算を0.000５秒で
成し遂げる量子コンピューターは
完全に人間の脳内の情報量や
37兆個とも言われる細胞どうしの
情報交換を凌ぐ処理能力である。

理屈では、
宇宙空間に存在する
全原子数の組み合わせ問題をも
計算で解けることになる。

人類が培ってきた
高々百年ほどの科学的情報はすべて
アーカイブ可能だし、
AI将棋のように
自らソフトどうしで
回線を通じて繋がって
どんどん強くなっていく
ディープ･ラーニング・プログラムを
組み込んだら、どうなるだろうか。

PCどうしが対話し、
この地球の生態系と
大多数の種を保存するためには
人間を消滅させたほうかいい、
という「価値判断」に辿りついたら、
世界中の核ミサイル基地を
ハッキングするかもしれない。

そして、
最も効果的なダメージを与える箇所を
0.000５秒で計算して、
ピンポイントで攻撃するはずである。

人類は自らを
数百回絶滅させられるだけの
核弾頭を保有している。

日本であれば
通常ミサイルで
全国の原発を狙われたら
本土全土が汚染されて
オシマイである。

他にも、
世界中の病院の機能を停止させることも、
飛行機を墜落させることも、
銀行機能を停止させることも、
かなりのダメージになる。

各国の研究所に保管されている
治療不能のウィルスを
さらに遺伝子組み換えされて
放出されても
パンデミックで滅亡する。

このネット社会で大元を
AIに握られたら、
人類は滅びるだろうと
ホーキング博士は予言している。

天才･星新一の
予言的作品も
笑い事ではなくなりつつある。





夕飯の支度をしていて
洗い物をしていたら
華奢なガラス小鉢を
立てていた皿にぶつけて
割ってしまった。

ヒリリという痛みを
感じたので、
見たら親指の付け根が
かなり深く切れていた。

5mmほどの深さで
5mmほどの幅だったが、
縫うほどではなかろうと判断して、
ギュッとティッシュで押さえ続けた。

プヨプヨとした
水掻きみたいな箇所なので、
痛点が少ないのか
痛みはさほどでもなかったが、
カットバンを貼る段になって、
傷口がぱっくり開いて
血がかなり出た。

そしたら、
急にズキズキと
疼くような痛みもあった。

血管を傷つけず
大事に至らなかったのは
幸いだった。

大難を小難に
お奉り替え頂いた事を
神様にお礼申し上げた。

台所仕事での怪我だったので、
ピアニストの故・中村紘子の
エピソードを思い出した。

作家・庄司薫の奥さんだったが、
さる雑誌のインタヴューで
「お台所仕事なんてなさるんですか?
　包丁なんて危なくて使えないでしょ」
という記者に
「そんなんで指を切るようでは
　ピアニストなんてやってられませんよ」
というのを聞いて
カッコいいなぁ…と、
思ったことがある。

たしかに、ギタリストも
手先、指先は人様よりは
いくらか器用な方だが、
実際のところは、なかなか
紘子センセが言うようにはいかず、
指も切るし、食器も割ってしまうのである（笑）。

おー、イテかった。

ヾ(◎⊼◎) ﾂ