レ・ヴァコンス・ デテ
(les vacances d’été/夏休み)
の“お楽しみ”の一環として、
休み前から予約していた
三ツ星フレンチで
「ムニュ・デテ」(夏のメニュー)
を堪能してきた。
在京中から
40年来、通っているお店なので、
マダム&シェフとも
親戚みたいなものである(笑)。
なので、
“ぼっちフレンチ”でも、
気さくにお話をしながらなので
カウンセラーにとっての
癒しの「ひと時」でもある。
*
アミューズは
冷たいトマト・ジュレに
モッツァレラとカラスミを
あしらったもの。
夏日の火照った体に
ヒンヤリと染み入り、
カラスミの塩気も
塩分補給にちょうど良かった。
スマホで仏語をググると、
カラスミは
「ブタルグ(boutargue)」
と知れた。
そういや、
イタリアでは
パスタに削ってかける時に
「ボッタルガ」と言っていた。
**
パンは二種供され、
酸味のある全粒粉のものは
なかなかに滋味があった。
マダムによる
心遣いのフルール(生花)も
目を和ませてくれる。
***
オードヴルは
大分産の岩ガキのロティ。
“海のミルク”に相応しい
濃厚な旨味に
香草バターの風味が
絶妙にマッチしていた。
貝殻に滴ったジュに
パンを浸して頂くと、
濃厚なエキスが
脳髄にズズンと響いた。
****
ポワソンは
旬のイサキに
シャンピニオンを抱かせて
パート・フィロに包んだブリック。
香ばしく揚がっており、
ナイフを入れると
パリリと小気味のよい音がし、
まずは耳で楽しませてくれた。
熱々のクネルは風味豊かで、
敷かれた冷たいガスパチョとの
「ショー/フロワ」
(温冷製仕立て)は
フレンチならではの面白味である。
路地物のオーベルジーヌ
(茄子/aubergine)は
旬の夏野菜の味わいであった。
*****
スープは
「フリュイ・ド・メール」
(海の幸)
で、ビスクやアメリケーヌのような
甲殻類の風味の佳味だった。
******
ヴィアンドは
この日のメインの
『ポール・ド・マンガリッツァ』。
ハンガリー原種のブランド豚を
日本で交配させたものだという。
脂の融点が32℃というから、
この時季、常温で
溶けてしまうほどである。
肉質は緻密で
ミッチリした感じで、
脂は甘く、赤味は
この上なくアッサリしている。
アプリコットのコンフィチュールが
ナッペしてあるので、
フレンチならではの
「獣肉+果実」
のマリアージュも佳かった。
*******
デセールは
『スープ・ド・ペシェ』に
ココナツとアプリコットのソルベ。
生のアンズを
コンフィチュールにしてから
ソルベにした
フレンチ・レストランならではの
自家製ソルベは
滑らかでとろける寸前のものを
フットボール型に模ったもので、
これは、絶妙に美味しかった。
80年代からの
11年間の在京中に、
京都・神戸・大阪の
「京阪神」で100店ほどの
フレンチを制覇してきたが、
これに優るソルベはなかった・・・
というほどの秀逸なものだった。
*********
エスプレッソを
キュッと喫して、
その苦味で
甘やかになった
口中を引き締め、
絢爛たるコースの〆とした。
次は、
初秋となる
九月の半ば頃に予約を入れ、
「ムニュ・ド・オトンヌ」
(秋のメニュー)
を楽しみに来たいと思っている。
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